足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

ヤフーは1株が2048株になった・・・ビル・ミラーとアベルソン

2005-03-30 18:03:15 | 株式
以前の本欄でも21世紀の生んだ最大の投資家の一人といわれるビル・ミラーのことはご紹介した。彼はウォーレン・バフェット、ピーター・リンチと並び称せられる。ピーターリンチは10年も前に引退したので、20世紀の遺産として残るは2人。共に現職で活躍している。
バフェットとミル・ミラーには好対照的なところがある。バフェットはビル・ゲイツ(マイクロソフトの創業者)とは大の親友だが、ハイテク株やインターネット株には絶対に手を出さない。
ビル・ミラーは全天候型の運用だ。ハイテクもネット株にも手をだす。ITバブル崩壊後、アマゾン・コムを大量に買った。
それを米バロンズ誌の有名な編集主幹のアラン・アベルソンが批判した。それに応えて、このように書いた。
「アベルソンは国宝級のジャーナリストだ。年齢からしてもお墓へ行く年代でもないので、もっと生きていてほしい。しかし私はアベルソンが攻撃するアマゾン・コムを買い続け大株主になった。転換社債にも投資したことを告白する」と語ったのは有名な話だ。
アベルソンは辛口の評論で世界の投資家に毎週、読まれている。アマゾン・コムに対する攻撃は激しかった。「消えるのは時間の問題」というような論調がバロンズ誌には再三に載ったが、ビル・ミラーは買い続けた。そして2003年のネット株復活で大儲けした。世間の風評、批判には耳を傾けず、自分の信じるところを貫徹する。
投資の成功にはフレキシビリティー(柔軟性)が必要といわれるが、ときとしてビル・ミラーのような行動も必要なのか。
1997年に公開された日本のヤフーは、そのときの1株がその後の分割の繰り返しで今日は2048株になった。
そんな夢はどこに求めることができるのか?
相場の軟調期こそチャンスと思うが・・・