足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

ドル高のパラドックスは消える・・・業種によっては朗報

2005-03-26 21:16:33 | 株式
欧米はイースター休暇。3連休だが、海外の私の友人たちは10連休をとる。長い冬から春への区切りの時期。明るい春を求めて旅に出る。ちょうど「関西で奈良のお水取りが終われば春が訪れる」という季節感。
この休みの間の関心事は、ドル高の進展である。1週間でドルはユーロに対して3.5%、円に対して2%上昇した。
1月の後半にドルの反騰が見られたとき、ウォール街ではドル高のパラドックスといわれた。1月は世界の中央銀行の米国債の買いが+2.2%と前年の平均の+21%から急減した。それにもかかわらずドルは上昇した。2月にはいって一時はドル安になり「パラドックスが消えた」といわれた。最近のドル高は理屈に合う。インフレ懸念、金利の上昇である。3月末を控えてのドル高円安は日本の企業業績には大歓迎である。自動車、ハイテク、鉄鋼、造船などにとって大きな朗報である。
来週月曜日は3月決算の権利配当落ちだが、円安は予想外だけに相場の下支えにはなる。
来週も個別の物色の戦略で行く方針。


これからの銘柄選択の視点は?

2005-03-25 21:21:04 | 株式
年初来の業種別の株価の値上がりベスト・テンをみてみよう。
鉱業+22.7%、倉庫+20.9%、造船+18.3%、鉄鋼+17.2%、海運+15.8%、石油+15.7%、輸送用機器+12.9%、パルプ・紙+11.1%
鉄道バス+10.8%、陸運+10.8%。
この中で市況産業が鉱業、造船、鉄鋼、海運、石油、パルプ・紙と6業種を占める。国際商品市況の関連である。
今週22日の米FOMCで+0.25%の利上げが行われたが、そのときの声明文には「ここ数ヵ月で物価の上昇圧力が強まり・・」という文言が盛られた。この連銀の見方を裏付けるような、日本の業種別でみた人気の動きである。連銀が2月までのFOMCでは使わなかった言葉を、日本の株価は先取りしていたといえる。
いま一つ注目されるのは相場の中味である。年初来の動きをみると日経平均+2.2%、大型株+2.3%、中型株+13.2%、小型株+16.6%、第2部+23.4%と小型になればあんるほどパフォーマンスがよかった。
本欄でこれまでしばしば使ってきた「スモール・イズ・ビューティフル(小さいことは良いこと)」の世界が展開されてきたといえる
これに日経ジャスダック平均+13.6%を付け加えると、これからの投資の方向性が見えてくる。これからもこのトレンドは変わらないだろう。
第1部市場では、これからも鉱業、鉄鋼、海運、石油の中から注目株を選ぶ。
いま一つは第2部市場や新興市場に注力する。
過剰流動性を背景とする相場であるが、人気業種をみていると株価の合理性がちゃんと働いているとおもう。
投資家の皆さんの中でも儲ける人と儲からない人の区分けが鮮明になってきている。



円安は続くか?・・この銘柄に注目

2005-03-24 17:41:00 | 株式
予想外の円安である。
相当にドル売りが積みあがっていたのが、ここへきて買い戻しが入っている。世界的な投資家であるウォーレン・バフェットが、今月初めの株主への手紙で「2002年までは外国為替に一切、手を出さなかったが、その後はヘッジの意味で外国通貨を購入している。昨年末には12ヵ国の通貨を214億ドル分持っている」と記述していた。外国通貨のロング(買い)はウラを返せばドル売りでもある。
ウォーレン・バフェットだけではない。ヘッジファンドも最近までドルを売ってきた。年初は一時は買い戻したが、最近は再び売りを積み上げた。昨年10月に円相場が110円を切って上昇してきて以来の、円安だけに、ここは慌てているかもしれない。
輸出企業には3月末を控えて、この円安基調が続けば大きな朗報である。100~105円で予算を立てただけに、決算の数字にはプラス・アルファが出る。期待したいのは円安→株高→長期金利高のシナリオである。個人投資家にとっては、金利の反転は株高がともなってくれるならば大歓迎のはずである。1400兆円の金融資産の運用収益が0.5%改善すれば7兆円の購買力が出る。年金生活者にとっても心理的には大きなプラス効果。

25日は3月末の株式分割の権利付き最終日である。分割人気にかげりがみられる昨今だけに「逆張り」で、分割銘柄に投資するつもり。アクセル(6730・JQ)の1対2に注目。先に大幅な3月期の増額修正を発表した。


新興市場の株を考える

2005-03-23 18:57:22 | 株式
新興市場のガンホー・オンライン・エンターテイメント(3765・HC)の人気がすごい。日本でのオンライン・ゲームのトップをいく会社であるが、いままで日本で出遅れていた分野。韓国で先に花が開いたが、こんどは日本でも流行しそうということで個人投資家の資金が集中している。本日の引け値で時価総額は1600億円を超えた。ここで、その評価を論じるつもりはない。相場全体に行き詰まり感が出ているときに、ひとり頑張って火をともしているのだから・・・
本欄では昨日も書いたジュピターテレコム(4817・JQ)のことを論じる。
日本最大のCATVの会社で加入者は200万人に迫る。米国に比べて日本でCATV人気が遅れたのは、番組の数の少ないことであった。しかし、これからは番組の数も増えてくる。
米国ではすぐれて成長産業と見られている。ジュピターテレコムが掲げる「ワンストップ・ショップ」というように、放送、インターネット、電話の3つが同時にサービスされる。それにビデオ・オン・デマンド(VOD)のサービスも始めた。いつでも見たい時に映画などのビデオが見られる。いろいろの使い方がある。
先週、ウォール街でチボ(TiVo)という株が急騰した。1日で2倍近い値段になった。テレビの番組をDVDに録画するシステムを提供。野球を観戦中に中断してテレビの前を離れることになった。チボのシステムを利用すると録画してくれて、中断したところから最後まで見られる。自分の見たい番組のキーワード入力して検索、DVDに取り入れられる。好きな時に見られる。このサービスを米国最大のCATV会社コムキャストが採用を決めたので、チボ株が急騰した。
ジュピターテレコムの可能性を書きたかった。IPO価格8万円で、8万円で寄り、引け値は8万4700円である。先のITバブル時なら、おそらく40~50万円はしただろう。本日の引け値での時価総額は5200億円。企業の価値は必ず評価されるとみる。
公開株式数の多さを指摘する向きもあるが、35%は海外で売り出した。外人はすぐには売らない。


下克上の時代の到来・・・明日のIPOについて

2005-03-22 21:47:17 | 株式
今日の株式市場にはパッとした展開は見られなかったが、注目されたのはフジテレビジョン(4676)の売買代金が641億円と第1部市場のトップになったし、もっとすごいのはライブドア(4753・マ)が700億円超の売買代金。攻撃対象としているフジテレビを上回った。マザーズ市場の総売買代金の70%を超えた。市場の目がこの両者に集中している。
この2銘柄をトレーディングの対象としてエンジョイしている個人投資家、トレーダーが多い。オンライン取引のもたらした現象である。日本の企業文化が大きく塗り替えられようとしている。株価形成のあり方についても、投資家も企業家も政府も、自分たちの常識が崩れてきていることを真剣に考えてみなければならない。
24日には東京高裁でニッポン放送の新株予約権付きのファイナンスの有効かどうかの判決がでる。その結果がどうであれ、新聞に報道されているようにLBO(レバレッジ・バイアウト)という策を使ってライブドアが次の作戦に入れば、フジテレビはどう受けて立つのか?ジャーナリストが材料にする問題を超えて、日本の株価形成に大きな変革をもたらすと思う。まさに下克上の時代の到来だ。、市場に参加する投資家にはひとつのチャンスが広がる。私はなによりもの市場の活性化に繋がるとみるが・・・
話は替わるが23日公開のジュピターテレコムの評価をめぐっては、様々な見方が出ているが、ウォール街でのコムキャスト(CMCSA)のPER77倍という人気をみていると、この株の成長性を正しく評価していない気がする。そこがわれわれにとってのチャンスでもある。