ECB(ヨーロッパ中央銀行)のドラギ総裁が動いた。金融危機の解消のためには“無制限の債券買い付けを実行する”と行動を起こした。
「全員が拍手喝さいの起立」と表現されるように、欧米の株価は大幅な上昇になり、特にNY株は2007年後半以来の高値になった。
海外のニュースを読んでいるとOMT’s(outright monetary transaction)というみられない言葉が出てきた。「完全な金融取引」という意味だが、ドラギ総裁が目指した、今回のユーロ危機対策である。不退転の決意がみられる。バーナンキ議長以上の大胆な行動で、米連銀の12~13日のFOMCがこの流れに同調するか?
また18~19日の日銀の政策会合で円高対策を意識した政策が出るか?
ここで日米が動けば世界の金融市場は新しい次元に向かって進むことになる。
日本航空(9201)のビックビルディングが本日7日に締め切られる。
㈱企業再生支援機構の支援のもと2年半余で再生に成功し同機構が持ち株を全て売り出す。海外を含めて1億7500万株が売り出され民営化される。
短期間での再生で、これまでの最高利益を超えて史上最高の決算が予想されている。
相場の地合いがよいときなら人気は出来るが、昨今の低商いの環境では市場からの吸収資金6000億円は難題である。公開後は大量の浮動株が流通し、需給関係はよくない。
われわれが利用している理論株価はブックビルディングの価格帯(3500~3790円)を大きく超えるがPER8倍前後の株価は全日空14倍、スカイマーク3.8倍からしても飛び付きたくなる株価ではない。
航空業界はLCC(低コスト運航)の時代にはいり、先行きの競争は激しい。
空輸株に魅力を感じる向きは公開後の株価の落ち着きどころをみて投資するのが正道である。