世界中が注目したジャクソン・ホールでのバーナンキ議長の講演であったが、期待を裏切らず「QE3の行動の用意がある」と言及した。
同議長は2010年11月に発動したQE2では200万人の雇用を創出し、株価の上昇、個人所得の増加に寄与したとその効果を強調した。その目的は「より強い回復基調、雇用の一段の増加を後押しする」と語った。講演後、株価は上昇し一部のエコノミストから出ていたQE3見送り説を払拭した。
今回の講演で注目されるのは、これまではQE3の発動の条件にしていた「景気の回復基調が鈍化した場合」という文言は消えたことだ。第3弾を打ち出すための方向性を明確にした。
2年前の2010年8月の時はQE2に発動に言及しながら、米連銀が動いたのは11月であった。ただこの間、株価は上昇基調をとり戻した。
この日の株価の上昇と同時に石油、金相場が上昇した。4ヵ月ぶりの高値になり$1692ドルになった。一部の大手ヘッジファンドが一段の金融緩和を見込んで持ち高を増やしていたが、その狙いは当たった。また共和党のロムニー大統領候補が金本位制への復帰の必要性について言及しているのも追い風になっている。
市場の次の関心事は来週6日のECB(ヨーロッパ欧州中央銀行)の理事会と来週金曜日の雇用統計である。
来週の東京市場はバーナンキ議長の発言を好感して反騰に転じるだろう。
一時、過熱化していたテクニカル面でも、指標が沈静化してきた。