ウォール街の夏休みが終わった。昨日のレバーディの休日は新しいシーズンの始まりである。
先週金曜日のジャクソンホールのバーナンキ議長の演説は市場に期待感をもたらせたが、この日のNYダウは一時、大幅安になり12,977ドルまで下落したが引けは戻し13,035ドルで-54ドル安で終わった。ナスダックはプラスで終わった。この動きも2010年9月に似てきた。
アップルの新製品iPhone5の発売が9月12日に決まったのを好感した。これまでより画面のサイズが大きくなり、コンテンツの利用範囲が一段と広がる。IT関連の銘柄に物色人気が広がった。
現在の局面は2010年9月に似ている。当時も8月末のジャクソンホールでの講演会でバーナンキ議長がQE2の可能性を示唆した。株価が一時は反応し上昇したが、レバーディ明けの株価は下落した。しばらくは消化難であったが、結局、9月は月間で+7.7%も上がった。発表される景気指標が不振で、QE2発動に市場は確信を高めていった。
今週は6日のECB(ヨーロッパ中央銀行)の理事会が大きな関心事だ。ドラギ総裁が先に「危機にはどんな手段でも実行して対処する」と語ったが、スペイン、イタリアの国債の買い付けの期待が高まる。
日本の残された問題は円高で、米国が一段の金融緩和を行えば米金利が低下し円高要因になる。民主党が日銀に外債の買いを求めたが、これまではこの種の政策の主導が政策当局には欠けていた。
欧米の政策は市場が求める方向に進もうとしている。9月は世界の株価の一つの転機になる可能性が十分に考えられる。