ガッツ藤本(藤本正人)のきょうのつぶやき

活動日記ほど堅くなく、日々の思いをつぶやきます

これまた遅ればせながら…『論語と算盤』

2024-04-05 15:19:48 | 本・映画など

『論語と算盤』(渋沢栄一)

これも今更ながらですが、読んでみました。

渋沢が70を過ぎたころの、日清日露戦争の後のころの講演を集めたもの。


・渋沢らしく経済活動(実業)を是とし、
しかし、そこには仁義(信)がなくてはならないと繰り返しくりかえし説いていた。
「利殖と仁義の道は一致」


・金はよく集めてよくつかうべし。
「よく」とはしっかりとという意味だけでなく「善く」であり、「善用」が肝心なのだ。


・また、仕事をするにあたっては、理想や夢が伴いたいもの(趣味の極致)であり、
人の成敗(勝ち負け)は、死んだあと(蓋棺の後)に決まるもの、とも語っている。

時代は100年を経ても、歴史は繰り返す。 または、変わらないものなのか。
市場原理主義とグローバリズムの弊害顕著になって、
じつはアダムスミスも「倫理」を備えた経済を主張しているのだと、
殊更に言われる現代であるが、
そして、渋沢栄一もまた然りなのであった。


そのほか個人的に面白いと感じたことに次のことがありました。

渋沢いわく、

昔は武士(士)は儒教(武士道)をもって生き方を身に着けたが、稼ぐことを蔑視しすぎた嫌いがあり、一方、今の商人(農工商)は、稼げばいいとだけしか思っていない。
そして、日本の実業者は信がない(信用できない)と西欧の実業家から指摘されたと指摘している。

私:
江戸時代、武士は精神だけを重んじたのか?! 
また、初期の日本経済はまるで信用に欠ける、とはまるで現今の中国評のようではないか?
(貧困から経済振興する過程というのは、どこの国民もみなそういうものか?)


また、中国自体も(儒教の聖地であるのに)儒教を忘れ、中産階級が廃れて、徳がないと指摘。第一次世界大戦のころ、中国進出は日本の好機であると指摘。
そのうえで、日本は、合資会社をつくって中国とともに力を合わせて共栄すべきだ、と主張している。

私:
中国進出は世界の流れであり、仕方なかったのか?
中産階級が廃れるのがそれほど悪影響を及ぼすのなら、今の日本もまた危ういではないか?!

また、形式の踏襲が古い組織にははびこりがちで、公務もその傾向大いにいあり、
実業も何もそれをやっていると自壊に至ると指摘している。
「六国を亡ぼすものは六国なり。秦に非ざるなり。」

中国戦国時代の約250年間の間、最後は秦がほかの六国(楚斉燕韓魏趙)より抜きんでて
他の6国を滅ぼして秦の時代を立てた(BC221~BC206)。

また、すべてのことは因果応報であり諸行無常であるとも指摘している。

「まことに日に新たなり、日に日に新たにして、また、日に新たなり」

以上、その当時の世界の流れも=「時代」もうかがい知れて、面白いと感じました。





 

この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 新たに登録して、 健幸マイ... | トップ | 能動的なまちづくり マチを... »
最新の画像もっと見る