ガッツ藤本(藤本正人)のきょうのつぶやき

活動日記ほど堅くなく、日々の思いをつぶやきます

バジュランギおじさんと、小さな迷子 を観る

2024-05-21 20:04:15 | 本・映画など


なんか、すごくいい映画でしたねぇ。

帰りのエレベーターで一緒になった人に思わず話しかけた。

そうですねぇ〜、ほんとに~。 

相手からも間髪入れず返ってくる。

誰かと共有せねばいられない、そこはかとなき感動の映画だった。

以下 映画の紹介文から転記)

底抜け正直者のインド青年と、声をなくしたパキスタンの迷子。ふたりの旅が、世界にステキな奇跡を巻き起こす!

カビール・カーン監督が贈る、正直者のインド青年と、声をなくしたパキスタンの迷子が織りなす国や宗教を超えた感動の物語。主演は『タイガー 伝説のスパイ』でも監督とタッグを組んだサルマン・カーン。パキスタンの小さな村に住む女の子シャヒーダー(ハルシャーリー・マルホートラ)は声が出せない障害を持っている。彼女を心配した母はインドのイスラム寺院へ願掛けに連れて行くが、シャヒーダーは帰り道で一人インドに取り残されてしまう。そんなシャヒーダーが出会ったのは、ヒンドゥー教のハヌマーン神の熱烈な信者のパワン(サルマン・カーン)。バカ正直で、お人好しなパワンは、これも、ハヌマーンの思し召しと、母親とはぐれたシャヒーダーを預かることにしたが、ある日、彼女がパキスタンのイスラム教徒と分かって驚愕する。歴史、宗教、経済など様々な部分で激しく対立するインドとパキスタン。それでもパスポートもビザもなしに、国境を越えてシャヒーダーを家に送り届けることを決意したパワンの旅が始まる......。


久々にばか正直でお人善しの主人公に出会った。

数々の壁にぶち当たっても、その正直さと善人さが、周囲を感化し、変容させていく。

社会が善くなっていく。



こんな人になりたい! と自分は若い頃からずっと思ってきたのだった。

そして、教師になってからも、生徒たちにそう語ってきたのでもあった。

「お人善したれ! できることなら実力あるお人善しに。」と。


自分の青春時代からの思いを思い出させてくれる感動の作品に逢って、

もう一度その願いを実践できるよう生きていこう、と誓ったのでありました。


 インド映画ゆえ、笑いあり踊りあり。でも、ラストシーンは泣けますよ~


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映画 『リトル エッラ』

2024-05-07 19:02:14 | 本・映画など

身体中の筋肉が痛い。体も重い。

今日はあいにく雨なので、晴耕雨読、

何か良いことをと献血して、映画を観た。

『リトル エッラ』

なんと可愛く、なんと心地よい映画なんだろう。

子どもも大人も気持ちはみんな同じなんだな。

ただ表現の仕方が異なるだけだ。

主人公のエッラは子どもだから、

映画に出てくる場面も人物もそれほど多くない。

2時間しない作品だけど、観てよかった!

 

映画館を出ると、

いつのまにか雨もやみ、空も晴れやか

世界が新鮮に見えた。

なお、エッラの好きなトミー役の人が、

おおはら村整骨鍼灸院の原先生に見えてしまうのは、わたしだけではないと思う。

さあ、あしたもがんばろう。

 


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『環境と文明』湯浅赳男 著 を読む 早稲田の佐土原先生に勧められた本

2024-05-01 19:39:04 | 本・映画など

やっと読むことができた。 今から30年前、早稲田大学教授の佐土原先生が、勧めてくださった本

『環境と文明 (湯浅赳男 著)』である。

佐土原先生の生物の授業はとても楽しかった。4年間で2回もとった、気がする。(単位を落としたという意味ではなく)

それから10年たった平成7年、市議会に出馬するにあたり私は先生にごあいさつに伺った。

その時、先生は森林の重要性を語られ、それは草や芝生ではだめで、森林でなくてはいけない、と力説されたのだった。

そして、文明はみな森林(環境)破壊によって自滅していったことを教えてくださった。

約30年前ゆえ、環境とりわけ森林の重要性などピンとこなかった私だが、今ならわかる。

あの頃から問題は提起され、訴えられていたのだ!

1993年発行の『環境と文明(湯浅赳男 著)』 は、

文明の繁栄と崩壊への法則 を説いた本だった。

人間の数は、食糧の量に規定される。

文明が栄えれば人口は増え、足りなければ、移動するか、他人から奪うか(侵略・植民地)、生産力を上げるしかない。

それができなければ、人口は減少し、文明は滅んでいく。


その昔、食が安定したいくつかの地では、ため池や灌漑で水を制御し、三圃制農法などで地力維持に努め、

都市には上下水を備え、必要に応じ他地域から資源も調達し、より多くの人間が養われ文明が栄えた。

しかし、農地や牧草地は管理がうまくいかないと土の塩化表土の流出を起こし、最後は土地が砂漠化してしまう。

土地が荒れたり足りなくなれば、森林を開墾して、農地と放牧地にし、また、燃料や素材に使う木材を求めた。

が、いつしか森林は伐採しつくされ、土地は不毛の地となった。

そうやって、環境を食いつぶし、人間も文明も滅んでいった。

時に起こる干ばつや大雨、低温などの気候不順や疫病がそれに手を貸した。

これがすべての文明に共通する崩壊への道筋である。 

そういう道筋が示されていたのだった。



私はそこで思う。

日本は日本人を養うだけの農地を持っていない。農業は割に合わないといわれ、農家も農地も減りつづけている。

輸出入ができなくなったら、日本文明も崩壊だ。

森林も法律では規制は弱く、最近は用途が決まらないうち不動産業者に伐採されて、利用者募集の看板が立つ。

自然や環境は破壊したら、元には容易に戻らない。

日本を食えない国に追いやっていくこの風潮、農地と森林減少を前に、出生率が下がり人口減少するのは、自然の摂理なのかとも感じてしまう。(出生率が一番低い都道府県が東京であるのも当然だ。)

東京を養うのに一番の場所は、所沢である。

所沢市民を養う最後の砦も所沢の農家である、と。

さて、

以下は私の印象に残ったり、感じたことの列挙です。赤字は自分の感想

・文明の成熟から崩壊までのパターンも、人間(人口)と食糧、資源の過不足関係、それに、気候変動と疫病の関与が
    あって、環境が破壊されることで文明も滅びるというパターンで決まっている。

・それは、・オリエント文明(エジプト文明とメソポタミア文明)・グレコ ローマ文明(ポリス国家からローマ帝国
 まで)・中国文明(黄河文明から)・イスラム文明・ヨーロッパ文明(ローマ帝国滅亡後から16世紀ころ)に共通し
 た滅亡への道筋である。

・人間の数も文明も、食料の供給によって規定され、食糧の供給は環境に規定される、ということである。

・逆から見れば、農耕が持続できるよう、人間の数も調整される面もある、ということ。食べ物以上に人は増えない。

・中国文明は、黄河流域から漢族の南へ南へと移動の歴史。治水こそ権力の証。黄河は10年に1度氾濫するが、
   水害と干害の繰り返しがあり、それが政治的サイクルを呼び起こす。
 戦乱(人口減)⇒政権確立で租税軽減、治水灌漑、税制安定(人口増加)⇒皇帝が奢侈に走って対外戦争、増税、
 治水荒廃⇒不満がたまってその後反乱がおき、王朝が倒れ(人口減)⇒新たな政権・・・の繰り返し。
 政治はいつでも減税し人々から歓心を得て、油断して増税せざるを得なくなって、反乱されて滅びるパターンか!

・中世西ヨーロッパ文明は、グレコ ローマ文明由来ではなく、むしろ西アジア、イスラム文明由来。
 森林が多くあったので自然は克服できるもの、という価値観を持つ。拡大の尖兵役は修道院が果たした。

・中世西ヨーロッパ文明は11世紀から人口爆発を起こしたが、13世紀には気候が寒冷化し、
 14、15世紀には伝染病、戦争、社会混乱で人口減少した。死亡率の増加はもちろん、婚姻率と出生率が低下した。
    15歳~44歳の女性の2/5~3/5が結婚しなかった。
    この自己抑制が効いた。人口減で農地が余裕出来、農業が優位になった。
(気候不順が社会混乱、疫病、そして、人口抑制を招くのなら、今もまさにその時なのかも!?)

・人口の推移は 1300年 7300万人から 1400年 4500万人と減少し、1500年 6400万人そして 1650年 1億人と急上昇した。

・近代文明は西ヨーロッパ文明(16世紀~21世紀)であり 国民国家と資本主義 そして 貨幣の追求という特徴を
    持つ。その主役は16世紀ポルトガル、17世紀オランダ、18~19世紀イギリス、20世紀アメリカと変化する。
 森林が豊富だった点で特異であり、かつ、世界を股にかけて調達する征服と植民地の時代であった。

・人間は食べる(生きる)ために移動し、侵略し、植民地を設けてきた。 
 一気に加速したのは、16世紀の西ヨーロッパ発の近代文明であり、貨幣への追求欲も加わって、
 プランテーションは作られ、労働力として奴隷が貿易された。

 ポルトガル、スペインの時代に大きな船と銃でスペインはアステカ、インカの国を滅ぼしボリビアで銀を採掘し、
 ポルトガルはアフリカ西部ギニアの金山を取ってから東海岸、インド、日本まで交易し、
 オランダはバルト海貿易からブラジル、ハイチ、キューバに砂糖プランテーションをつくり最後は不毛の地に変え、
 イギリスは世界の工場として世界各国を植民地化して材料を求めた。綿花(インドとエジプト)
 米(ミャンマー・タイな ど)砂糖。綿花・小麦(アメリカ・アルゼンチン、ウクライナ)茶(セイロン)ゴム(スマト
 ラ・ブラジル)肉(アメリカ・オーストラリア・アルゼンチン)コーヒー(ブラジル)パームオイル(西アフリカ)

・この流れを見れば、日本だけ非難されヨーロッパ諸国が批判されないのが思議でならなくなる。
 最後に負けた国は弱い。ルール(価値観)を決
める国は強い。今も西洋文明の価値観が世界に広がる過程である。
 日本は馴化されながら違和感を持ち、イスラムは真正面から抵抗し、中国は適当に流し、ロシアが対抗している。

・文明すら定期的に滅亡する。ならば、現在の西洋文明のもつ価値観もすでに500年経過。終わりが来てもよいのかも。

・近代文明下では、格差は拡大中。1935年、植民地時代、フォード1台はコーヒー袋20袋相当だったが、
   独立後の1959年、200袋でも
買えなくなった。

・道路も森林の破壊に手を貸す。10%の森林伐採で35%の森林が減ってしまう。

・熱帯雨林について、当時は毎年1700万haの森林が消滅、600ha万が砂漠化していた。

・アメリカ型農業は、トラクターとコンバインの導入で、1830年、50ブッシェルの小麦生産を犂と鎌で144時間費やしたの
 を1930年には8,25時間 で耕してしまうようになった。

・近代文明は、エネルギーが自然に制約されない点で特徴づけられる。すなわち、今までは太陽光由来のエネルギー
(木、人、牛馬)であり限界があったが、化石燃料(石炭、石油)へと移った点である。
そして、産業革命期以降の
   人口、エネルギー消費量、すべてを一気に急騰させたのである。

・著者は エネルギーの化石燃料(石炭・石油)への転換で電気、化学肥料と農薬、除草剤、機械化、鉄道、自動車、
 大規模生産、効率化、農業人口の工業界へ移動、航空機など輸送力の発展を挙げ、一方ではそれに伴う土壌侵食、
 土壌劣化、毒の蓄積、地下水枯渇、温暖化、酸性雨、光化学スモッグ、フロンガスなどの排出、そして、格差の拡大
 など弊害にも言及し、このまま人口が増えてはいけない、インドや中国など子供を生活と老後のために産むきらいがある
 が、西洋のように自己抑制しなければいけない、と警告していた。
 また、エイズの存在にも留意していた。中世期のペストのように人類の超過人口を抑える役目を果たすのではないかと
 心配していた。

30年前の著書であるから、記述されている数字についても、その後、世界もうまく対処しているものもあり、予言通り進んでしっまているものもある。思い出せば、30年前、その当時は、ワールドウォッチ研究所のレスターブラウン博士も人口拡大を懸念していた。もし、中国人がアメリカ人と同じ生活をしたら・・・と。
しかし、全体の流れは予測通りに進んでいる。人口拡大とグローバルサウスの人々もそれなりに豊かな生活を求めるのは当然だ。日本国内に限定してもパソコン等の普及で電気使用量も1985年頃に比べ倍に増えてしまっているとも聞いたことがある。
 今の日本はあえて「経済を起こして豊かな日本を維持するために、人口減少を食い止める」ことばかり言われるようになっているが、世界全体、人類の課題としてみれば、人口拡大と環境破壊こそ今考えるべき課題なのであった。

 




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