ガッツ藤本(藤本正人)のきょうのつぶやき

活動日記ほど堅くなく、日々の思いをつぶやきます

県土都市整備委員会視察その3

2008-06-10 16:43:06 | 視察関係

3、山形、宮城県境 鬼首(おにこうべ)道路 エコロード (於 秋の宮道路管理事務所)

テーマ:道路行政において野生動物との共生をどこまで図るべきか?
     その場合、予算はどれだけ余計にかかってしまうのか?

概要)
秋田県本庄市から湯沢市、雄勝町、宮城県鳴子町、そして、石巻市までの国道108号線は東北地方を横に横断する主要道路。そのうち栗駒国定公園のなかの鬼首峠部分は標高差400m以上、幅員6mくらい、長さ17kmで雪が5m以上降るので、11月から6月まで通行止めになる状況。そこでトンネルを多くし標高差を少なくした幅員9,5m、長さ13,7kmの鬼首道路を企画、昭和54年度から国直轄事業で工事開始、平成4年に「鬼首道路エコロード委員会」を設置、様々な対策を企図した。工事は平成8年に完成した。トンネルは7ヶ所、橋状にした部分が17ヶ所、この部分は獣はトンネルの上、橋の下を通る。その他の部分は道路両脇にネットを配置し、動物の侵入を防ぐ。けもの道を事前に調査し、その付近には道路下にけもの専用トンネルを配置、側溝に落ちた小動物が上にはい上がれるように所々側溝から這い上がれるスロープを設けた。また、道路照明ルーバー付き高圧ナトリウム灯を使って虫が寄ってこないようにした。なお、モニタリング調査は平成28年度まで行うつもり。また、トンネルや橋は公募して名前がつけられている。(例 小町見返りの橋、カモシカ橋、オシドリトンネルなど)

・鬼首道路開通で旧道なら夏期1時間27分、冬期旧道閉鎖時期は2時間23分かかっていたのが1時間10分で雄勝町、鳴子町を結べるようになった。鬼首道路開通で交通量はぐっと増え、交通事故はほとんどゼロになり、秋田仙台を結ぶ車両も増えた。雄勝町の発展もめざましく製造品出荷額も増え、金額でも開通年度264億円だったのが379億円に上昇。冬期の観光客も、県外観光客数も2倍になった。鳴子町、鬼首のホテルも客が増え、秋田、宮城県境をまたいだ消防相互応援協定も締結した。もちろん動物の事故(ロードキルと言うんだそうです。)もなくなった。なお、旧道は鳴子町、雄勝町に移管した。山菜採りの人が使うくらい。総事業費約400億円、エコ配慮で事業費がやたら増えた、という認識はない。

感想)
よくやるもんだなぁ、と思ったが、大まじめに、しかも当時は先駆的にやっていたのだから大したものだと感じた。今は、当時よりエコのためのチェック項目も増え、環境配慮が当然のようになっている。東京狭山線の狭山堀兼の森付近でもけもの道を造る。道の両脇に柵を設け、小動物の進入を阻止する。オオタカが飛び込まないように緑のカーテンを施し、天井部分はこれまた網で覆う。

おもしろいお話を永田部長から聴いた。
秩父の公園内に尾根に沿って管理道路を造った。幅25mの道だった。そこに棲むナナフシが尾根を行き来する習性を持っていたらしく、管理道路上で熱死したという。環境団体の指摘で気づき、アスファルトをやめ、所々砂利にした。それでナナフシは産卵のための移動中でも死ななくてすむようになったという。
ナナフシは自分はまだ2回くらいしか見たことがない。今度行ってみたい。

 

 

 

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