高柳先生と電車で別れると、僕の頭の中には中村雅俊の歌が流れ始めた。
青春学園ものの番組のときに流れた曲である。
ああ、こんなにすばらしいのに、何でこんなにさびしいのだろう。
あの4時間はあまりにも早く、自分の前を過ぎてしまった。
少し話せた子にはもっともっと聞いてみたかった。
少しも話せなかった子とは、いろいろ質問して話したかった。
ああ、もっと時間があったなら・・・、
でも、時間があっても、気持ちはやはり切ないものなのだろう。
子どもにとっては未来ばかりが人生だろうが、
僕ら教員にとっては君らも僕らの大切な人生なんです。
ああ、もっともっと話をし、質問し、聞いて、心行くまで語らいたかった。
君たちよ、大空に羽ばたいてくれ!!
人生を鷲づかみにして進んでくれよ!!
そして僕は自分にこう言い聞かす。
「さよならだけが、人生だ。」
(いや、そうは割り切れない・・・。)