中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

第13期「紬きもの塾’21」が開講しました

2021年06月05日 | 紬塾’21~’24
第13期の「紬きもの塾’21」が開講しました。
今期もコロナ禍での開催で、4名で行います。
7回を6回に減らし、時間も30分短縮して行います。

換気は勿論ですが、空気感染(エアロゾル)予防のために、みなさんには不織布のマスクをフィットさせ、適切にしてもらっています。
私達にできることは予防のマスク、手洗い、換気などしかありません。

さて、紬きもの塾も13年目に入ります。よく続いてきました。。
私が紬織の修業に入ってから10月下旬で丸44年、45年目に入ります。
よくも飽きずに続けてきたものだと思いますが、今も新たなことに出会い、修業を続けています。
紬塾開催も私にとっては自分を磨いていく修業の場、学びの場です。

参加の皆様の熱心さがあったからこそ、私もいい内容にしていかなければと一生懸命考えてやってきました。
皆さんに実のあることをお伝えできたらと考えています。

副読本として、幸田文『きもの』のおばあさんの力も借りて着物文化の根源的なところへ少しでも迫っていけたらと思います。
6回の講義は12月までとなります。半年間、どうぞよろしくお願いいたします。

初回の内容はいつものように盛りだくさんでしたが、興味のある方は詳細は過去の紬塾ブログを参考になさってください。

いつものように1986年に発刊された『宗廣力三作品集』をみなさんに見ていただきました。
私の紬織の原点は宗廣先生の仕事から学ばせてもらったことにあります。

洗練された手結い絣で人間国宝に認定されましたが、紬糸の風合いを大切にしつつ、デザインや色に溺れることなく、紬の本質を追求した方だと思います。

トップの暗い写真は、私物の黄色系とピンク系の単衣紬を見てもらっているところですが、途中で照明を消して、仄暗さの中で、淡いけれど力のある色を見てもらいたかったのです。
身近な植物の中にあるごく普通に染められる色です。共に桜染めです。

今は昼でも蛍光灯を点けてものを見るのが当たり前になっていますが、写真を撮る時にも、曇っていても照明無しの方が自然な色に撮れます。
自然の光、普段の暮らしでも大事にしたいです。

これら2枚の着物を羽織ってもらい、鏡の前で一瞬マスクを外して、肌の映りを見てもらいました。
誰にでも似合う、無理のない色です。みなさんの笑顔をお見せできず残念です。

似合わない方はいらっしゃらなかったのですが、雰囲気は黄色系、ピンク系でかなり変わります。
このことは次回以降に話をする、草木の色のこと、取り合わせのことに繋がっていきます。

今期も、みなさんとても気持ちの良い方々で、着物には親しんでいる方ばかりですが、更に深く学びたいということで参加してくださいました。
昨年の秋号の『美しいキモノ』半巾帯特集を見て、私のことや、紬塾を知り、来てくださった方もいます。

お一人、藍の縞木綿に丹波布の八寸の格子帯で来てくださいましたが、
帯揚げは私がリンゴで染めた淡いピンクベージュの、以前にお求め頂いたものを取り合わせてくださいました。

紬塾は普段着の着物を着る機会にもなりますので、無理のない範囲で、よかったら着物でご参加下さい。

さて、感染力が強い新型変異株も市中に拡大しているようです。
そんな中、オリンピック開催も国民の多くの反対の声を押し切って進められています。
リモートワークだ、人の流れを抑えろと言ってたかと思えば、真夏にパブリックビューイングで人を集めるそうです。(-_-;)
代々木公園会場は樹木の強い剪定などもあり、世論の反対の声、反対署名も多く、ワクチン接種会場にするとか言い出しましたが、実際はどうなるのでしょう。。

五輪開催とワクチンで選挙に勝とうと思っているのでしょうけれど、本当に国民の声、科学者、専門家の声を無視の政権です。
根拠なき「安心、安全」を呪文のように唱えるばかりのリーダーに、不安になるばかり、ついていけません。

今後の感染拡大状況、変異株がどう変異していくか不安ですが、状況を見ながら紬塾は無理のないように進めていきます。




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