夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

十和田湖の山奥にある蔦(つた)温泉の周辺のブナ林に、この時節に訪れたことを思い馳せ・・。

2013-05-26 14:30:02 | 旅のあれこれ
私は東京郊外の世田谷区と狛江市に隣接した調布市の片隅に住む68歳の身であるが、
過ぎし22日から再開した朝食前のウォーキングに、今朝は6時過ぎに自宅を出た。

自宅から近くに流れる野川の遊歩道を歩く人が多く、
昨日は上流に向っていたので、今朝は曇り空の中、下流に向った。

本日は日曜日の為か、60、70代の方はもとより、
働いて下さる世代の男女の方たちも、散策されたり、ウォーキングをしたり、
或いはジョキングで走る姿が視えた。

私は自宅を出る直前に家内から、
『急いでどこに行くの・・ぐらい速足で歩かないと、体脂肪が燃焼しないわょ』
と少し肥満体の私に言った。

私は遊歩道を歩き始めと前方に中年の男性らしい方の後ろ姿が見えたので、
平素は4キロを一時間ぐらいで散策している私は、
急ぎ足で歩き、まもなく抜いて、その先も多くの方を抜いたりしたので、
時速7キロぐらいかしら、と思ったりした。

やがて30分過ぎた頃、少し休憩ねぇ、とベンチに腰かけて、
そよ風に汗まみれの身体をゆだねたり、ハンドタオルで顔を拭(ぬぐ)ったりした。
     
少しぼんやりしていると、過ぎし一昨年に青森県の十和田湖の山奥にある蔦(つた)温泉の『蔦温泉旅館』を訪れた時、
ブナの森の小道を歩いたことが脳裏から舞いおりた・・。


私たち夫婦が蔦温泉の旅館、ブナ林を初めて知ったのは
過ぎ去りし2010(平成22)年3月、私たち夫婦の結婚して35年目となったので、
ささやかな記念と称した旅行を思案していた。

そして家内の要望は、日本海に面した青森県の黄金崎温泉の『黄金崎(こがねざき) 不老ふ死(ふろうふし)温泉』に行って観たいわ、
というのが発想の原点があった。

結果的には、JR東日本が発行している『びゅう(VIEW)』の『北東北 青森・秋田・岩手』編を見て、
喚起されて、少しばかり変ったプランを私達は決定した。

東京駅から秋田新幹線『こまち』で秋田駅に着いた後、
リゾート『しらかみ』に乗り換えて北上し、『ウェスパ椿山』駅で下車した後、
日本海に面した青森県の黄金崎温泉の『黄金崎(こがねざき) 不老ふ死(ふろうふし)温泉』の新館に3泊した。
               
この後は、リゾート『しらかみ』で北上し青森駅の終点まで、
そして竜飛岬まで津軽腺とバスを利用して、竜飛温泉の『ホテル竜飛』で3泊し、竜飛岬の周辺も散策したが、
幼年期に農家の児として育てられた私は、山里の情景も恋しく、
八甲田山の連峰の周辺を探して、旅先の3週間前の頃に追加した。
                    
このような思いがあったので、その後は青森駅に戻った後は、
駅よりバスで70分ぐらい乗った先の山里にある酸ケ湯(すかゆ)温泉の『酸ケ湯温泉旅館』に1泊にして、
周辺の遊歩道を散策したりした。

その後は、少し奥まったブナの多い森があり、この中の一部に遊歩道があり蔦温泉の『蔦温泉旅館』の西館に2泊し、
そして青森駅に戻った後、特急スーパー『白鳥』で八戸駅で下車した後は、
近くにある鮫駅に移動して、 蕪(カブ)島でアホウドリを観て、八戸駅に戻り、
八戸駅より東北新幹線『はやて』で東京駅に帰京する9泊10日間の日程となった。


八甲田連峰の中腹にある『酸ケ湯温泉旅館』を後にしたのは、
5月31日の10時過ぎに『酸ヶ湯』からは、十和田湖方面の路線バスに乗車し、
芽吹き、新緑、そして若葉がそれぞれの落葉樹により異なるが、
みずみずしいたわわな葉は陽射しを受けてきらめいたりする中、
バスでわずか30分足らずで、『蔦温泉』に到着した。
     
この広いブナを中心とした中で、たった一軒の宿である。

http://tsutaonsen.com/
☆『蔦温泉旅館』ホームページ☆

このホームページの『ぶなの森』の欄で掲載されている通り、
《・・
蔦温泉の周辺にはぶなの森を縫うように約2.4Km、時間にして約一時間程の遊歩道が整備されています。

この遊歩道をひとまわりすると、蔦七沼と称される湖沼群の内、六つの沼を巡ることができます。
大小様々な沼の水面に映るぶなの森が人々を魅了します。
・・》
このように解説され、私達は旅立つ前に調べたりしていたので、
チエック・イン前に歩き出した・・。
     
整備された遊歩道を歩き、ヤチダモ、オニグルミ、サワグルミを見たり、
ブナ、ミズナラの大木は、聳え立つように数多くあり、私は圧倒された。

私は見惚(みと)れたり、デジカメで10数枚を撮ったりしていると、
たまたま通りがけの70代なかばの男性で、この付近にお住まいの方から、教えて頂いた・・。
     
ほんの一ヶ月前の頃は、落葉していた広葉樹が冬芽から春芽に育ち、
若葉が芽吹く直前に、
紅葉や萌黄色になる数週間の樹木の芽は鮮やかに萌える彩(いろど)りとなる。
こうした光景を古来の人たちから、春もみじ、と称してきた。

この地のブナ林は、5月初めに芽吹き、そして萌黄色の葉、そして新緑となり、
下旬の頃には若葉とまたたくまに色合い染める。
     
このブナ林は、原生林だったが、
明治の初期の頃は薪や木炭を作る為に伐採されたりしたが、
秋に数多くの落ちた種子が自然に発芽して育ったブナで、樹齢100年前後が多い。
しかし中には、伐採されなかった数百年の大木も数多くある。
     
そして紅葉の10月中旬から下旬になれば、
ブナ、カツラ、トチノキの大木は、黄色に染めはじめて、
やがて葉が散る頃に、ヤマモミジ、カエデ、ナナカマドが朱紅色、紅色に染められて錦繍期の情景、
数週間後には雪が舞い降る、
とこのような意味合いの確かな言葉に、私たちは礼を重ねた後、別れた。
     

     
そして『蔦温泉旅館』の館内の本館は、
天井、柱は周辺の森から切り出された材木がふんだんに取り入れ、
エンジュの長押、トチの樹のコブを生かした装飾の数々・・
一部は築後100年近いもあり、書院造りの床の間も豪壮で、
そして別館へのは本館から60段の優美な存在感のある階段は圧巻であった。

私達の宿泊した部屋は、20数年前の建てられた西館で近代的な造りであったが、
窓辺からのブナの森が隣接していたので、
早朝、朝、昼下がり、夕暮れの陽射しのうつろいが、樹木の枝葉を照らす輝き、
見飽きることのない光景であった。
そして、夜には満天の星空が観られた、格別に景観の良く、
私たちは幾たびか、その時々に見惚(みと)れたりした。

その上に、食事、温泉湯にも私たち魅了され、
雪の降りはじめた12月に再訪し、森閑する舞い降る雪の中を散策したい、
という願いも私たち夫婦にあった・・。


そして夏が過ぎ、秋も過ぎた半年後の2010(平成22)年12月14日より、
蔦(つた)温泉に再訪して4連泊、青森市内に1泊、
そして日本海の黄金崎の不老ふ死温泉に3連泊し、8泊9日で訪れてきた・・。

この日の12月14日、新青森駅に11時56分に『はやて 17号』は到着し、
私たちは『蔦温泉旅館』に向う為に、冬晴れの中、路線バスの十和田湖行きのバスに乗車した。

市内の情景は、数日前に雪が降られたらしく道路の路肩に除雪された雪があり、
のどかな感じであり、やがて八甲田山の連峰の付近の道路に入ると、
除雪された後の白い道、路肩には70センチぐらいの除雪された雪、左右の樹木の枝には雪が残っていた。

八甲田山のロープウェイの入り口で、路線バスは冬季運行の時間調整で、
30分ほどの休憩時間となり、私達はロープウェイの入り口にある常設されている案内のスタッフの方たちに、
私たちは冬の奥入瀬渓流を散策する予定であったので、
昨今の状況、注意点どを丁重に教えて頂いたりした。

そして、私達の乗車したバスは、午後3時半過ぎに、
少しばかり滞在する『蔦温泉旅館』が観え、まぎれなく雪囲いの正面玄関となっていた。


そして、この時のブナ林の情景を思い馳せれば、
蔦(つた)温泉に到着した翌日の午前10時前、私たち夫婦は防寒服、防寒登山靴、そして防寒帽子で身を固めて、
旅館の横手にある遊歩道を歩きはじめた・・。

そして人影はなく、積雪は20センチ前後で、吹き溜まりは30センチぐらいで、
遊歩道であるがこの冬の時節には、もとより除雪はされていなく、
ブナ、ミズナラの大木が数多く聳(そび)える中を歩いた・
                
そしてヤダモチ、オニグルミ、サワグルミなどの枝、小枝にわずかに雪が積もって折、
ときおり微風が吹くと、小枝は揺れて、花吹雪のように雪が空中を舞うように、
ゆっくりと地上に散乱した。
       
この後、ふたたび森閑とした森に還り、静寂となった。

このような情景に見惚(みと)れながら、ときおり立ち止まりデジカメで撮ったりし、
雪を掻き分けるように蔦沼までの遊歩道らしき路を歩いた。

蔦沼は、氷結はしていなかったが、森厳の中、静寂であった。
                     
帰路も雪と戯れるように、ゆっくりと歩いたりしていたので、
2時間ばかり過ごした後、手先に寒さを感じ、遊歩道の入り口にあるビジターセンターに戻ったりした。
           

このように若葉の頃、初冬のブナ林に圧倒的に魅了され、小路を歩き、
こうして3年過ぎた今でも、私の心の片隅に残っているのである。

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