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夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

日本の原風景に触れて・・♪

2006-10-26 09:01:00 | 定年後の思い
23日(月)は旅の最終日となり、JALライナーのバスで、
阿寒湖のホテルを出て、釧路湿原の北斗展望台で湿原を一望し、
その後に温根内周辺の湿原の木道を2時間前後散策する。

この時、NPO法人の『釧路湿原やちの会』のガイドさんに案内、解説をして下さる。

その後、釧路の駅前で昼食とし、釧路空港となる周遊コースである。

温根内は環境省の管理下で良く整備されている所だった。
バスを下車すると、我々の20名のグループは、ガイドさんの指示でふた手に別れた。
私達のグループは、40代後半の女性のガイドさんの案内で、
樹林の中ゆるい下り道を歩くと、湿原の中に木道が観えた。

あたり一帯は葦(よし)の枯れた中、木道を歩いていたら、
微風が吹くと、葦の穂はいっせいに首を傾げたようになり、風は通り過ぎていった・・。

『風情ある情景だね・・』と私は家内に軽口をたたいた。
家内は笑い、ガイドさんも微笑んでいた・・。

ガイドさんは、葦の穂を指して、
昔は葦(アシ)と呼ばれていた頃もあったが、あしきこと・・悪き事・・なので、
葦(ヨシ)・・好し・・の方となった。

こうした解説は、私にとっては心の最良の薬となり、
ガイドさんの発露するセンスの好さの言葉に魅了された。

葦の一帯の下草が枯れて、朱色、黄色、薄緑色に染められて、草紅葉となったいた。

そして、この葦の一帯に、落葉を終えた榛の木(ハンノキ)が所々に観られた。

その昔、本州に於いても開墾前はこのような状況で、
たまたま温暖な本州の一部で開墾がすすめられ、水田になったり、
やがて田畑になったりした。
この釧路あたりは余りの寒さで長い歳月放置された結果、
こうした残った・・・。

とガイドさんは教示してくれた。

こうした解説を聴くと、私は目をこらし、日本の原風景を観た・・。

長い歳月・・縄文の頃かしら・・或いは・・と日本のたどってきた風土に思いを馳せた・・。

私は釧路湿原のこうした原風景に魅了された。

帰路、ゆるい昇り坂の脇に、朱色の実を数多くつけた野生の果樹が柔らかな陽射しのあびて、ひっそりとしていた。

『何気なく・・ありますが・・情感を秘めた樹ですね・・』
と私はガイドさんに言った。

『マユミ・・という樹です・・』
とガイドさんは微笑んで言った。


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