ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

アメリカ政府の経済対策

2008-09-22 10:12:22 | 経済
アメリカ政府が金融機関から不良資産を買い取る発表をしたことで安心感が広がって株価は戻している。しかし、このまま安定状態に入るかどうかはまだしばらく推移を見極める必要があるだろう。

ベアスターンズ救済から始まる一連のアメリカ政府の対応に対して場当たり的だという批判が多いようだが、私はリーマンを救済しなかったことを含めて的確だと思っている。日本政府ではこうはいかなかっただろうな、とも思う。アメリカの場合には問題は自国にはとどまらず世界的規模になる。世界の中央銀行と連携しての動きには底力を感じる。

私が、今回の対応で注目しているのは不良資産買い取りよりも、「空売り」規制である。先に書いたように私は「空売り」が今回の問題に大きく影響していると思うので、この方が安定化には効果があると思っている。規制すると全体の取引額が減少するので株式市場にとっては全体としてマイナスに働くだろうが、安定化には大きな効果があると思う。

そもそも、持っていないものを「売る」というのは変な話である。私には投機をあおっているとしか思えない。2月17日の記事で書いたが、このような投機的動きには規制をかけるべきだと思っている。いきなり禁止すると影響が大きいので投機で得た利益に対しては税率を高くするのが適当であると思っている。

ある会社に投資してその会社が何年も後で成功して株価が上がったという利益と、持ってもいない株を売って値段を下げ、買い戻して得た利益とは同じ株の売買による利益でも性格が違うと思う。2月17日の記事では一日のような短期の売買に対して税率を上げてはどうかと書いたが、空売りによる利益も同様に税率を上げるべきであると思う