ウィトラのつぶやき

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小泉元首長、国会議員を引退と発表

2008-09-26 15:51:10 | 社会
元首相の小泉純一郎氏が国会議員を今期限りで引退し、次回の総選挙には出馬しない意向を漏らしたというニュースが流れている。

今朝の新聞でも大きく取り上げられていた。通常、この種のニュースが流れるとその人の業績を簡単に振り返るものだが、毎日新聞の記事を見て失望するというよりむしろ呆れてしまった。

小泉氏の業績としてあげられていたのは、郵政解散の大勝利、刺客、靖国神社の参拝、北朝鮮の拉致問題対応、劇場型パフォーマンスであり、申し訳程度に郵政民営化や、アメリカ型の経済を目指したと付いている。要はその人の総理の時代が日本に何をもたらしたかにはほとんど興味がなく、ニュースになるイベントだけに興味があるという、日本のマスコミ特有の記事であると感じた。

私自身は小泉元総理を高く評価している。小泉氏の行動は一見乱暴なような面もあるがその行動にはきちんと筋が通っていたと思う。小泉氏の目指したのはアメリカ型の透明な環境での競争原理を軸とした社会である。

そのために始めたのが政治家、官僚、企業が癒着して出来上がっていた既得権とそれに伴う収益の構造を壊して透明性のある社会を作ることである。最も大きいのは郵貯と道路族関係だが小泉氏は郵貯に眼をつけた。これをやると自民党の収益源を断つことにもなるので、彼が言っていた「自民党をぶっ壊す」は本音であったろうと思っている。 経済的スタンスとしてはアメリカの共和党スタイルなので、アメリカと仲良くして中国を敵視するような態度で一貫していた。

自らの資金源を断つ、というのは大変難しいことである。小泉氏自身は郵政族の資金は受けていなかったとしても、自民党の財政基盤が揺らぐような改革を行ったのは「このままでは日本は世界と戦えなくなる」という危機感からだったろうと思っている。おそらくマスコミは郵便局が減ってお年寄りが不便になる、位の認識しかなかったのだろうが。

現在の自民党は昔の構造に戻そうとする勢力が勢いを増している。しかし、いったん崩れたものは元には戻らず、徐々にあるべき姿に進んでいくだろうと思う。麻生総理も逆戻りするところまではやらないと思う。

私は最近、デイ・トレーダーとか空売りで儲けた利益には高い税金をかけるべきだとか言っているが、これは納得性は得られても実行に移すのは極めて難しいだろうと思っている。それはこういうことを決める立場にある人たちが、実際にはこのような投機で利益を上げているだろうと思うからである。

小泉元首相のような政治家の資金源に踏み込むような人はこれから何十年も現れないのではないかと思っている