相場格言集をピックアップしました。そのPart 4(た行編)です。
「株は安く買って、高く売る。」に限ります。そうした投資のヒントが掴めたら
と思います。
迷ったり/悩んだり/困った時に、「道しるべ」として、お役立て下さい。
4.た行
【辰巳(たつみ)天井、午(うま)しり下がり、未(ひつじ)辛抱・・・】
「辰巳(たつみ)天井、午(うま)しり下がり、未(ひつじ)辛抱、申酉(さるとり)騒ぐ。
戌(いぬ)は笑い、亥(い)固まる、子(ね)は繁栄、丑(うし)はつまずき、寅(とら)
千里を走り、卯(うさぎ)は跳ねる」という有名な文句の一部。「戌亥の借金、辰己で返せ」
という格言もあり、戌亥の年は底値になりやすく、辰巳の年は天井になりやすいという
経験則からでた格言。ただ、実際には当てはまる年とそうでない年があり、この格言が
ぴたりと当てはまるとは言えないようです。
【卵は一つの篭に盛るな】
壊れやすい卵を一つの容物に入て落としたら全部、割れてだめになるという有名な
格言。株も1銘柄に資金を集中すると、値下がりに見舞われた時、損失が大きくなり
ますよという教え。
この考えから、機関投資家の投資スタンスは、一国への集中投資や特定の業種、
銘柄への偏った投資を避け分散投資を主流としている。投資信託もこの方針だが、
運用成績が良くないので、個人投資家の中に危険は覚悟で1つの篭に盛って大きな
リターンを狙う人もいる。その場合、勉強が通常以上に大切な事は言うまでもない。
【保合い相場の対応で天国にも地獄にもなる】
相場の中でなにが一番難しいかといえば保合い相場でしょう。「保合いにはつけ」、
「保合いは大相場の前兆」といった強気の格言もあるが「保合いは下げの前兆」や、
「保合いは売っておけ」といったものもあり、完全に分かれています。
筆者の好きなチャートも、保合いに弱いのが苦しいところです。相場では売り方と
買い方が、大事なお金をかけて戦っている訳ですが、両者の力が均衡したところが
保合いです。ちょうど川中島の戦いのように睨み合った状態です。天がどちらに味方
するか、保合いは運命的なものが含まれているのではないでしょうか。
大きく上げた後の局面で保合いか、下げた後の保合いかによって変わってきます。
92年から2001年半ば迄保合った相場は底入れとみられていましたが、下放れて
1万円を割ってしまったのですから、位置だけで判断するのも危険です。
まさに保合いを制することが、儲けの大事な要素になっているといえます。
【ついた値段は正しい】
そのまま表現すれば、市場で売り手と買い手によって、取引きが成立した株価は、
正しいものである、ということですが、現在と以前とではかなり意味合いが違うよう
です。
かつて、仕手筋と呼ばれる人達が、かなり強引な取引で1株利益が5、6円程度の
株をカラ売りを誘って人気化させ、1000円を超す相場に持っていくということは
結構、頻繁にありました。カラ売りした人からみれば理屈に合ない値段であっても、
売方・買方の力関係で決まった以上、その株価は正しいということです。現在は、
仕手筋がすっかり影を潜め、代わって、優秀なアナリストが分析の結果、提示した
株価は理論的に正しいということです。
かつての「力関係」での株価が良かったのか、現在のように「理論的分析」の株価が
いいのか、面白みということでは違いがありそうですが、今も昔も、取引所で、成立
した値段を信じて受け入れないと、市場主義の基本が揺るいでしまいます。
【月の8日にもの買うな】
給料の入った月初は、気持ちが明るくなって、よく考えないで物を買うことが多い
ため、浮かれた気持ちを戒めた言葉です。各証券会社の営業も月初ハッパが掛り
ますので、月初が相場の天井となっているケ-スは、多々あります。
【強気相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中で育ち、
楽観と共に成熟し、幸福のうちに消えて行く】
アメリカの著名投資家ジョン・テンプルトンの言葉。
大きな相場は、市場参加者が弱気になっているときに始まるもので、その多くが
強気に転じた時には、すでにその終わりは近い、という意味。
テンプルトン自身、株価が割安な時に買う逆張り投資に徹してました。60年代には
当時低迷していた日本株への投資を進めたことでも知られています。
【電気が消えるとお化けが出る】
昭和40年代に盛んに使われた言葉です。日本の得意とする産業は電機。
その電気株が不振となると、マーケットは電気が消えたように淋しくなってお化けが
出るくらいだというわけです。ただ、ここでいうお化けとは、もうひとつの意味が
あって、化学株ポストの薬品株を指し、電気株がだめになると代わって薬品株が動く
ということです。電気は輸出株の代表、薬品は内需株の代表で、為替の動きなどを
映して交互に動くのが普通です。電気が点いているのにお化けが出る時は、天井が
近いと読むこともできるでしょう。
【天井売らず底買わず】
どちらかというと、1円でも安く買物をしたいという女性投資家の方に当てはまり
そうです。投資経験豊富な人でも最高値、最安値を的中させることは不可能です。
こだわりすぎると、投資と利食いのチャンスを失ってしまいます。
【天井3日、底値100日】
外国人投資家など、いいと思った銘柄を仕込むのに大体3ヶ月から6ヶ月を目安に
しています。反対に人気化して商いが増えると、一気に売り逃げます。
株価は底値圏は長いが、天井形成は非常に早いという経験則を表したもの。
【天井も底値も大衆がつける】
残念なことですが、われわれ大衆は、自分ではいくら強い意志を持っているとは
いっても社会の影響を受けやすいのです。
景気において個人消費は、機械受注、半導体在庫の先行指標に対し遅れて表れ、
個人消費が絶好調なら景気の天井が近く、個人消費不振なら景気のボトムが近い
と見ることができます。株式相場でも、証券会社の店頭に個人投資家が増えると
ピークになる事が多く、反対に下げ相場で処分を我慢していた個人がたまらず投げ
売りしたところが底となるケースが目立ちます。
景気も相場も大衆の動きは遅行指標という格言です。
【天まで届く相場はない】
相場の勢いが非常に強く、弱気は一切無用という相場が時には起こります。
1989年のバブル相場では、全ての投資家が青天井相場といって熱狂しましたし、
2000年1月のIT相場では、ネット株が天井知らずの勢いでした。弱気を口に
することが恥ずかしい雰囲気でした。童話のジャックと豆の木に出てくる話と同じ
です。天までは届くことはできないのです。
青空相場といった言葉が流れはじめたら、この格言を思い出して下さい。
【投資家は、投機失敗のなれの果て】
目先きの利益を狙った売買で、失敗した人を皮肉った川柳。本当の投資家は、企業
分析を十分にやって、企業価値の将来向上を見込んで2、3年単位で買うのに対し、
投機家は相場の勢いで買うため高値を掴む場合が多く、仕方なく長期保有せざるを
えなくなります。
個人「投資家」といわれる人の多くは、このように投機の失敗で、やむなく投資家
に身を変えているのではないでしょうか。投機は決して悪くはありませんが、高値
掴みの場合は処分売りの決断が重要です。格言としても十分、参考となる言葉です。
【遠くて知らないものには手を出すな】
大事なお金だから、知らない銘柄より身近で馴染みのある銘柄に投資しなさい、と
いう教えです。
企業のホームページが充実して、昔ほど情報不足ということはなくなりましたが、
遠隔地の企業に投資するよりも、地元企業の方が経営者の顔を見るケースも多く、
馴染みがあって内容が分かりやすいです。ジャスダック市場まで含めると上場企業
数が、4000社近くになっている今日、わざわざ内容の分からない企業よりも、
自分の好みに合った銘柄を選ぶことは可能です。それだけ企業にとって、投資化に
内容を理解してもらうIR(証券広報)が大切といえます。
【掉尾の一振(とうびのいっしん)】
年末に起きる株高のこと。年内最後の取引日である大納会に向けて株価が上昇
すること。「掉尾」は「尾をふるう」の意。物事や文章などが最終局面で勢いを増す
ことをいいます。
年末に株が高くなる現象は、アノマリーとしても知られています。考えられる原因は
いくつかあります。年末の節税対策売りが一巡して売り圧力が減少する、新年相場
への期待感、機関投資家による期末のドレッシング買いなど。年末は高い、という
アノマリー自体が投資家心理を強気にする側面もあるかもしれません。
【年の前半と後半では相場の主役が変わる】
株は常に先々を読み、先取りしながら動きます。庶民のレベルでは、明日のことより
日々の生活が重要でも、株式投資で、生活に余裕のある資金が多く含まれています
から、終わったことや今日明日のことにはまったく関心なく、将来がどうなるかが
最大の関心事です。
特に、儲かった人も、損した人も、「来年はどういう相場展開となるか」「来年は
どういうテーマが中心となるのか」「来年はどんな銘柄が活躍するのか」など、その
年の後半になると先取りの期待が膨らみ、活躍するとみられる銘柄が買われ始めます。
そして、年末年始になるとアンケート上位銘柄に人気が高まります。大体、そうした
銘柄は4月頃にピークをつけ、6月頃にかけ出遅れ株が買われ前半相場が終わり、
また、来年を期待する展開となります。
【鳥は古巣に帰り、相場も古巣に戻る】
鳥にとっても、人間にとっても、昼間、大いに動き回り活躍しても、夜になると、
居心地のいい自分の寝ぐらに帰ります。相場も何かの理由で実体からみて割高と
思われるような活躍をすることがありますが、しかし、いずれ、人気が衰退すると
内容に見合った居心地のいい元の水準まで戻るという格言。
いくら人気化しても、PER等からみて明らかに割高な場合は、長続きしないので
深追いは禁物という教え。
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