クレジット業界の一部で、少額の現金を借り入れた1ヶ月後に、一括返済する 所謂
キャッシングの取り扱いを廃止、縮小する動きが相次いでいるようです。
7/4読売新聞8面でも 「キャッシング廃止 相次ぐ」で取り上げています。
何故、廃止するのか?
これは、ノンバンクから借入総額を、利用者年収の1/3以下に抑える総量規制が
来年6月迄に導入され、信用情報機関に対する情報照会等のコスト増が見込まれる
ためだと解説しています。
そもそも、この法改正は、大きく社会問題化した多重債務者問題に歯止めをかける
ためのもの。
改正貸金業法の最大の目的は、出資法の上限金利(年29.2%)と利息制限法の
上限金利(年15~20%)間の「グレーゾーン金利」をなくし、返済能力を超えた貸し
付けを禁じる点にあります。
来年6月迄に出資法の上限金利は引き下げられます。利用者の借入総額を原則、
年収の1/3以下とする総量規制を導入するため、利用者の年収や借入総額を
把握する「指定信用情報機関制度」も 始まります。
一方、消費者金融大手4社の09年/3月期連結決算は、過去に取りすぎた利息の
返還額が、計約3500億円に達した。 出資法の上限金利が引き下げられるのを、
見越して貸出金利を引き下げて、貸し金業者の業績は悪化し、業者数は09/3末
6178社と、06/12月の改正貸金業法公布前の半分以下に減っています。
消費者金融業界は貸し倒れを防ぐため、融資審査を厳しくしています。
新規の申込みに対して融資が実行された比率を示す成約率は、大手4社平均で、
改正貸金業法施行前の05年度の63.8%から、08年度は、34.5%にほぼ半減
しました。
東京情報大 堂下準教授の調査によると、消費者金融で希望通り借りられない人の
16.5%が、違法金利で貸す、無登録の「ヤミ金融」に依存していると言う。
規制強化で、ヤミ金融に流れる利用者が増える懸念もあるため、警察の取り締りの
強化も必要となる。
日本貸金業協会によると、消費者金融の利用者の44%が総量規制に抵触すると
いう。
一部自治体等が実施している「セーフティネット(安全網)貸し付け」の拡充を求める
声も多い。 (参考:読売新聞09/6/18)
消費者金融業界は、どこも、最期の生き残りに必至で、水面下で金融庁とバトルを
してる様ですが、「総量規制」の導入 → 借りたくても借りられない人達が増加 →
「ヤミ金融」に依存する人達が増加 → 多重債務問題は解決されない。 という業界
主張は、ロジックのすりかえ、詭弁に聞こえます。
よって、株式の信用売り長であっても、この専門業界に投資する気になりません。
改正貸金業法の規制強化スケジュール
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年 月 規制強化の概要
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09/6 貸金業者の最低純資産額を300万~500万 → 2000万に
引き上げ
資金業務取扱主任者(国家資格)の試験制度スタート
指定信用情報機関制度スタート
09/8 貸金業務取扱主任者の第1回試験実施
09/秋? 日本信用情報機構とシー・アイ・シーを信用情報機関に指定
10/6迄 貸金業者の融資総額を債務者の年収の1/3以下とする総量規制
スタート
貸金業者の貸出金利の上限を15~20%に。
貸金業者の最低純資産額を5000万円に引き上げ。
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ただ、最大の問題はお金が必要な時に借りられずに医者に行けなかったり学校に入れなかったりという問題が起きることですね。就職活動のために借りることもできなくなるし、親の援助を期待できない家庭では厳しいですよ。
さりとてなんでもかんでも税金をつぎ込むわけにもいかないし、庶民には暗い時代になりそうです。
頑張っている中小企業を支援する金融機関が、もっと増えれば、
いいと思っています。賛否両論あるけど、亀井金融相提唱の中小
企業金融円滑化法は、過度の貸し渋りや貸しはがしの盾になる
かもしれません。
個人について、各地方自治体ハローワークで、就職相談/住宅
相談/生活相談の手続きを1つにまとめたワンストップサービス
を始めています。
「冬来たりなば、春遠からじ」で、デフレを勝ち抜きましょう。