宝塚仁川/山田歯科エクセレンスクリニック 歯科医師・山田忠生
「バークリー予防歯科医業」の概要
○序文
多くの歯科医師が口をそろえて語るように、予防歯科医学は新しいものではない。つい最近に至るまで、予防的な医療の伝統的概念は、社会の(必要にではない)諸要求に、多かれ少なかれうまく対処してきたと言える。しかしながら今日では、歯科医学がその健康管理に携わるよう要求している社会層は非常に拡大した。このことは、多少とも適切な管理を始めて受ける何百万人かの人々にとって福音となるものである一方、増大した多数の人々に進んだ管理を供給しようとする仕事に関わりをもつ種々の機関、組織、そして保険会社のみならず、歯科医師やその患者にとっても悲惨な結果をもたらし得るような諸問題を提示しているのである。
社会の諸要求が歯科医師という職業を低下させ、並みのものとしてしまう場合、すべての人々がどのような損害を受けることになるかということを示すよい実例が、諸外国にみられる。英国で高く評価されている歯科医師は、あるときに著者と交わした会話の中で、英国における歯科医師健康管理状況を次のように評した。「ある壮大な理想の欠如」であると。 全世界的基盤において、この普通への低下との衝突を避けることができるのは、社会のあらゆるレベルにおける歯科医療に関する、まったく新しい健康中心の考え方なのである。