宝塚仁川/山田歯科エクセレンスクリニック 歯科医師・山田忠生
青年ペックは立ちあがり、直立不動の姿勢をとっていた。「いつから出勤いたしましょうか。」とスキナー氏にたずねた。
「君の都合のよいときからいつでも。」スキナー氏は冷たく笑みをうかべて答えた。ペック氏は安物の時計をながめ、「今は12時ですね。」とつぶやいた。「少し出かけてきます。そして食事をとって、1時から職場に出向きます。そうすれば半日のお給料もいただけますから。」彼はカピー・リックスをちらりと見て、次のような一節を引用した。
“沈み行く太陽が、名誉に向けた代価と喜びのための仕事とを見出す、
その日を見失ったことを考えよ。”
このような軽率な行為に仕事を中断され、スキナー氏は平静さを保つこともできず、なおも頑なな姿勢をしたまま退室した。背後でドアの閉まる音を聞いたペック氏は、眉毛をあげて心配そうにしている様子をみせた。