宝塚仁川/山田歯科エクセレンスクリニック 歯科医師・山田忠生
歯医者からすれば、あくまでも機械的な歯ブラシによるブラッシングが、予防手段の主役であり、歯磨剤(さまざまな種類のペースト類)には重きはおかない。プラック、プラーク、バイオフィルム、そして歯垢と、すべて基本的には同じものを表現していると考えて差し支えないが、そのプラックが「ムシ歯」や「歯周病」の主な原因といわれている。
このことは、今ではご存じの方も多いはずだ。しかし、そのプラックを除去するためのケアとして、プラックコントロールが重要視され、声高に言われだして、まだ20年程度だろうか。
プラックコントロールが、機会的なブラッシングだけで十分であることは、歯ブラシを歯磨剤の使用する器具として販売している歯磨剤メーカーにとっては、歯ブラシも歯磨剤も売りたいわけで、そのテレビコマーシャルなどを見ると、明らかに矛盾した訴えをしていることがある。
企業の立場から、痛し痒しということなのだろうが、これが一般の人々に大きな誤解を招いていることを、もっと自覚していただきたい。