極東アジアの真実 Truth in Far East Asia

I am grateful that I can freely write my daily thoughts

日本の幸福度は、本当に世界18位か?

2018-03-27 19:46:09 | 日本社会

以下文は、世界各国連携の研究組織Gallup International Associationの年末恒例の世界の幸福度・調査結果(2018.1、6)、ウィキペディア等々を参考としています。2018年3月14日、国連が発表した世界幸福度ランキングとは違います。雑文、日記です。

誰もが一度は悩む、幸福(Happiness・心が満ち足りていること、幸せとも。)とは・・・この世に生を受けたので自分なりに幸福になりたいと思うでしょう。

以下文には2018・世界の幸福度ランキングがありますが、だからと言って、幸福度ランキング1位のフィージーに一生住みたいと思う日本人の方は少ないと思います。やはり多くの日本人の方は日本に生まれ、住んでて良かったと実感していると思います。

以下の幸福度ランキングは全ての幸福度ではなく、一部分の幸福度だと理解すべきで、時には冷めた目で幸福度ランキングを見ることも必要だと思います。世界から見たら日本ほど恵まれた国は存在しないとも言われていますし、見方によっては幸福となり得る多くのものが日本には溢れているかも知れません。

 

今日、世界で三大幸福論と言えば、アラン(1891年)、ヒルティ(1925年)、ラッセル(1930年)の幸福論を指すとも言われています。

アランの幸福論(1868~1951)・・・パリの名門校などフランス各地の高校で、哲学教師として生涯を貫いた人です。本名はエミール・シャルチエ、健全な身体によって心の平静を得ることを強調、すべての不運やつまらぬ物事に対して上機嫌にふるまうこと。また社会的礼節の重要性を説いています。

ラッセルの幸福論(1872~1970)数学者、論理学者として出発し、哲学者、教育者、政治活動家、己の関心を外部に向け、活動的に生きることを勧めています。

ヒルティの幸福論(1833~1909):スイスの下院議員を務め、法学者、著名な文筆家としても知られています。神のそば近くあることが永続的な幸福を約束するとする宗教的幸福論を述べています。

これらの幸せへの問いは、経済的に豊かな国であるほど切実な問題となる傾向があると言われています。経済的・物質的にも豊かな国の人々ほど大きな空虚感、心のむなしさにさいなまれている人の数が増えるとも言われています。

アブラハム・マズロー(1908~1970・アメリカ合衆国の心理学者)は、人間は基本的欲求のすべてを満たして、ようやく自己実現の欲求といった高次欲求に移ると述べています。

豊かな社会は基本的欲求を満たしやすい社会で高次の欲求が発現しやすく、それが満たされない苦しみにさいなまれやすいという面があると言われています人生で、これらの命題が人の心を捉える時期は3つあり思春期、中年期、老年期と言われています。思春期を過ぎた多くは、その段階なりの解答を持つと言われています。

中年期にもこのような問いが心を捉えることがあると言われています。これは中年期の危機等とも言われています。

深層心理学者・ユング(1875~1961・スイスの精神科医・心理学者)は、このような中年期の危機の問題に早くから関心を抱いています。

傍から見ると特に何の問題もない人、むしろ財産・地位・家族などについては恵まれた状態の人にこのような問いで悩む人が多くいると言われています。

財産・地位・家族などを手に入れれば幸福になれるに違いないと思い込み、一生懸命に頑張って実際にこれらを手に入れてみると、幸福という実感は無く自分の人生に大切な何かが欠けていると言う気がしてしまい、人生の空しさを痛感する人も多いと言われています・・・

この段階で、あらためて残された人生で、私は何をすることを求められているのだろうか?

自分の人生を意義、意味あるものにするためには、今後どう生きて行けばいいのだろうか?と言う、問いに真正面から向き合うことになり、そして老年期にもこのような問いが心を捉えることがあると諸富祥彦氏(日本の心理学者、博士、明治大学文学部教授、専攻は、カウンセリング心理学、心理療法、臨床心理学、学校カウンセリング、教師のサポート等)は述べられています。

 

神谷美恵子(大正3年~昭和54年・日本の精神科医、哲学書・文学書の翻訳やエッセイの著者としても知られる。)は以下のことを指摘しています。

自分の存在は何かのため、または誰のために必要であるかと言う問いに肯定的に答えられれば、それだけでも充分生きがいを認めると言う人は多い。

老年期の悲哀の大きな部分は、この問いに充分確信をもって答えられなくなることにあろう。

よって老人に生きがい感を与えるには、老人にできる何らかの役割を分担してもらうほうがよい。また、愛情の関係としても老人の存在がこちらにとって必要なのだ、と感じてもらうことが大切であるとしています。

これらの問いには、そもそも自身の価値観の決定、態度決定に関する問いであるので学問や科学は、この問いに対する解答を与えてくれはしないとマックス・ウェーバーは述べています。この問いに対する回答は宗教、哲学の中に見出すことが出来、あるいはそれらを表現した文学や音楽などの芸術作品の内にも見出すことが出来るとしています。

 

世界幸福度調査2018

(世界各国連携の研究組織・Gallup International Associationの調査結果で2018年3月14日、国連が発表した世界幸福度ランキングとは違います。)

カッコ内の数字は純粋幸福度で、「幸福を感じている人の比率」-「不幸を感じている人の比率」)です。

調査は5段階評価です。

5・とても幸せ、4・幸せ、3・幸せでも不幸でもない、2・不幸、1・とても不幸としています。5又は4を選択した人の割合から、2又は1を選択した人の割合を引いたものが純粋幸福度です。

調査対象国は55カ国で、純粋幸福度の平均値は48ポイント、前回は59ポイントでしたので、世界の幸福度は20%程度下がってしまいました。

調査で唯一90ポイント以上獲得はフィジーで、前年も1位、その前が2位、その前は1位。直近の4年間で3回も1位を獲得している幸福先進国です。

フィジーの幸福度は、世界平均が20%近くも下がっている中で、前回の89ポイントから92ポイントへと高めています。

 

幸福度・順位

1位 フィジー(92)

2位 コロンビア(87)

3位 フィリピン(84)

4位 メキシコ(82)

5位 ベトナム(77)

6位 カザフスタン(74)

6位 パプアニューギニア(74)

8位 インドネシア(68)

9位 インド(64)

9位 アルゼンチン(64)

9位 オランダ(64)

 

主要国の幸福度

18位 日本(54) ※昨年は25位

25位 アメリカ、ロシア(50)

35位 フランス(43)

37位 イギリス、イタリア、韓国(42)

41位 ドイツ(38)

日本は前回の55ポイントから1ポイント下げましたが、18位です。他の経済先進国のランキングは真ん中から下位あたりとなります。

 

幸福度・ワースト3

53位 ウクライナ(8)

54位 イラク(7)

55位 イラン(5)

 

世界三大幸福論者、アラン談・・・幸せであることは、他人に対する義務である。何故なら、不幸せ、退屈、憂鬱といったよどんだ空気を浄化する必要があるからだとアランは説明しています。

フィージーの人達は幸せである義務に関していえば、世界でいちばん真面目に果たしていると言うことになります。

幸福度上位、10%の人達の共通点は社会との結びつきが強いようです。日本人は人に迷惑をかけてはいけないという精神が強く、依頼苦手、なるべく自分の力で解決しようとします。だからと言って日本人はフィージーのように他人に頼ることを進める必要は無いと思います。

フィージーの人達は人を頼ること、依存し合うことによって、つながりを強化していると言えそうです。

 

湯浅誠氏(1969年~、日本の社会活動家、反貧困ネットワーク事務局長、元内閣府参与「緊急雇用対策本部貧困・困窮者支援チーム事務局長、内閣官房震災ボランティア連携室長、内閣官房社会的包摂推進室長」)の言葉

「貧困とはお金だけでなく、頼れる人間関係もなく精神的にも疲弊、自信を失い、自分の尊厳を守れなくなってしまう状態」

フィージー人は経済的には満たされていませんが、人間関係は豊か、貧乏だけど貧困ではない。

今、この瞬間々、恵まれていなくてもプラス思考で幸せと思う時が、幸福と言えると思いますが・・・

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« もう忘れ去られた・・・拉致問題 | トップ | ゲームと子供達 »
最新の画像もっと見る

日本社会」カテゴリの最新記事