水島コンビナートの海底トンネル工事で不幸な事故が発生した。
私も約40年前、公害問題華やかなりし頃、当地に勤務していたことがあるだけに、とても気になる事故である。
当時は、大気汚染が激しく、近海の魚は、異臭がして食べられないといった状況であったが、今では、コンビナートの夜景クルーズが人気があるという。変わったものだ。
コンビナートは多くの企業がパイプラインで結ばれ、機能しているので、海底のパイプラインは珍しくない。
当時は、日本鉱業と三菱石油とそれぞれ独立会社であったが、時を経て、合併し、JX日鉱日石エネルギーとなり、当然のことながら、一体運営による合理化効果の為には、海底トンネルによるより一層の連結が必須となる。
在任中の1974年12月、三菱石油の重油タンク事故が発生し、重油が海上に流れ出し、瀬戸内海を汚染し、収拾に長期間を要したことを思い出す。重油が丸いボールのようになって、ポカポカと浮いて海上を埋め尽くし、不思議に思ったが、ミナス重油だと教えられた。
報道によると、海底工事の前に地盤の再調査を省略したとのことであるが、地震で地盤の変動が起こっているにも係わらず、あまりにも無責任と言わざるを得ない。
福島原発の事故の実態が明らかになるにつれ、人災といえる事象が色々あることがはっきりしてきた。
シールド工法自体は、完成された技術であり、ここにも、安全に対する慢心が感じられる。
大飯原発のストレス・テストの結果、安全との結果が示されるようであるが、100%安全というものはあり得ない。
リスクはあらゆるところに存在するのであり、むしろ、それを前提に考え、対応することの方が現実的であろう。
今日は建国記念日だが、気にする人は少ないようだ。梅の花がほころび始めている。