とにかく、「時間は存在しない」のつづき

2021-07-19 02:39:04 | 「二元論」

とにかく、「時間は存在しない」のつづき

 

アインシュタインもこう言ってます、

「わたしたちのように物理を信じている者にとって、過去と現在と

未来の違いはしつこく続く幻でしかありません」と。

 またカルロ・ロヴェッリも、彼は人間が知り得る限りの最小単位

の物質である量子の研究者ですが、「事物のミクロな状況を観察す

ると、過去と未来の違いは消えてしまう」と言い、そして「過去と

未来が違うのは、ひとえにこの世界を見ているわたしたち自身の視

界が曖昧だからである。」と言う。つまり、時間とはわれわれ人間

が勝手に創り出した概念であって、誕生以来無限に広がる宇宙空間

に絶対的な時間が流れているなどということはありえない。だとす

れば、ハイデガーの言う「存在とは時間である」という定義も、人

間の「時間性」の下で了解された《存在》が時間へと転換される、

ということになる。そもそも時間とはニュートンが唱えるように宇

宙空間に脈々と流れているものだという固定観念がわざわいして、

「存在とは時間である」がなかなか理解できなかったが、どうにか

時間化した人間の仲介によって転換されることが理解できた。つま

り、それは「人間にとっての存在とは時間である」ということなの

だ。

                (つづく)そのうち繋ぎます


「あほリズム」(843)

2021-07-18 08:53:35 | アフォリズム(箴言)ではありません

「あほリズム」

 

 (843)

 

 前回の東京オリンピックでは、閉会式の入場行進の際には終わ

ってしまうことを惜しんだ選手たちが、国を超えて見知らぬ者同

士が腕を組んで行進して満員の観客に友好をアピールするという

感動的なシーンも見られたが、さて、今回の東京オリンピックは、

コロナ禍による緊急事態宣言が発令される中で無観客での開催が

決められたが、すでに関係者は始まる前から何事もなくただただ

早く終わってくれることを願っているに違いない。何と前回のオ

リンピックと対称的であることか。そもそも感染を気にしながら

開催することにいったいどれほどの意義があるのだろうか?


「あほリズム」(842)

2021-07-15 00:33:46 | アフォリズム(箴言)ではありません

  「あほリズム」(842)

 

 これまでのコロナ禍の経緯を振り返れば、新型コロナウイルスの

感染は毎年寒冷期に流行する「カゼ」のようなものだからこれまで

通り経済活動は続けるべきだいう継続派と、感染拡大は抑えるべき

だとする自粛派の意見が対立しているが、ここにきて感染力の強い

インド型(デルタ型)変異株の猛威が伝えられている。寒冷期に流行る

インフルエンザであれば、冬が過ぎれば沈静化してもよさそうなも

のだが梅雨が明けても感染拡大は勢いを増している。そもそもこれ

までカゼとは無縁のはずの熱帯の国インドで変異したデルタ型コロ

ナウイルスを、もちろん一概には言えないが、ただのカゼと同等に

考えるのは誤った見解ではないか。もはやインド型変異株コロナウ

イルスは「ただのカゼ」とは違う、のではないか。 


再び「時間は存在しない」のつづきの続き

2021-07-12 01:39:27 | 「二元論」

 再び「時間は存在しない」のつづきの続き

 

 ところで、カルロ・ロヴェッリは、そもそも共通する「現在」と

いう瞬間は起こり得ないと言う。それは「時間の流れは、山では速

く、低地では遅い」、或は「動いている時の方が静止している時よ

りも時間がゆっくり進む」とすれば、物体の重力に影響される時間

は、厳密に言えば違う場所との同時性は起こり得ない。ただ、その

誤差は無視できる範囲なのでわれわれは瞬間を共有していると思い

込んでいるだけであると言うのだ。おおよそ地球規模の範囲内であ

れば「現在」を共有することができるが、しかし、たとえば約四光

年離れた太陽系外の恒星の回りを公転する惑星とはもはや離れ過ぎ

ていて地球上の「今」を共有することはできない。地球上の我々が

「今」と言った時にその言葉が惑星に届くまでに光速で四年掛かり

、そしてその惑星からの返信にも四年掛かり、我々が惑星からの「

今」を受信するのは八年後になる。こうして、「宇宙全体で定義で

きる“同じ瞬間 ”なんて存在しない」(カルロ・ロヴェッリ)のであれ

ば、つまり、共通の「現在」が定義できないとすれば、当然「現在

」を起点とする過去も未来も存在しないことにならないだろうか?

「その通り!」

アインシュタインもこう言ってます、

「わたしたちのように物理を信じている者にとって、過去と現在と

未来の違いはしつこく続く幻でしかありません」と。

                      しつこく(つづく)


再び「時間は存在しない」のつづき

2021-07-11 06:24:35 | 「二元論」

   再び「時間は存在しない」のつづき


 物理学者カルロ・ロヴェッリは「宇宙全体で定義できる“ 同じ瞬

間 ”なんて存在しない」と言う。だとすれば、〈存在〉が現われる

前に時間だけが刻々と流れる世界というのは、それは科学者ニュー

トンが主張した絶対時間のことだが、あり得ないことになり、時間

は存在のあとから派生したことになる。では、時間はなぜ存在のあ

とから派生したのかといえば、存在が変化するからである。そして

、存在の変化はいったい誰が認識するのかと言えば、客観な視点か

ら世界の変化を観察することができるのは人間以外に存在しない。

つまり、「時間」とは存在の変化を記号化した人間によって作られ

、人間だけが認識する概念である。そして「存在とは時間である」

(ハイデガー)とすれば、時間とは変化を表す変数であるから、「存

在とは変化である」ということになり、存在の変化とは「生成」の

ことにほかならないので、「存在とは生成である」ということにな

る。つまり、ハイデガーが「存在とは時間である」と言うのは「存

在とは生成である」と言っていることと同じなのだ。

 

                         (つづく)