再び「時間は存在しない」のつづきの続き

2021-07-12 01:39:27 | 「二元論」

 再び「時間は存在しない」のつづきの続き

 

 ところで、カルロ・ロヴェッリは、そもそも共通する「現在」と

いう瞬間は起こり得ないと言う。それは「時間の流れは、山では速

く、低地では遅い」、或は「動いている時の方が静止している時よ

りも時間がゆっくり進む」とすれば、物体の重力に影響される時間

は、厳密に言えば違う場所との同時性は起こり得ない。ただ、その

誤差は無視できる範囲なのでわれわれは瞬間を共有していると思い

込んでいるだけであると言うのだ。おおよそ地球規模の範囲内であ

れば「現在」を共有することができるが、しかし、たとえば約四光

年離れた太陽系外の恒星の回りを公転する惑星とはもはや離れ過ぎ

ていて地球上の「今」を共有することはできない。地球上の我々が

「今」と言った時にその言葉が惑星に届くまでに光速で四年掛かり

、そしてその惑星からの返信にも四年掛かり、我々が惑星からの「

今」を受信するのは八年後になる。こうして、「宇宙全体で定義で

きる“同じ瞬間 ”なんて存在しない」(カルロ・ロヴェッリ)のであれ

ば、つまり、共通の「現在」が定義できないとすれば、当然「現在

」を起点とする過去も未来も存在しないことにならないだろうか?

「その通り!」

アインシュタインもこう言ってます、

「わたしたちのように物理を信じている者にとって、過去と現在と

未来の違いはしつこく続く幻でしかありません」と。

                      しつこく(つづく)