今日は時間切れで画像をアップ出来なかったが米陸軍用 BC-652-A/SCR-506 に取り掛かった。
とは云っても44年前にAWC のメンバーH さんが電源部の改造を行った物なので多分動作するの
では無いかと想われたが残念ながらそう簡単には行かなかった。 この種の受信機の修理、改造
に付きましてはこちらの HP https://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ からお問い合わせ下さい。
この機種はRF1-IF3のAM用受信機で、周波数帯は2.0-3.5と3.5-6.0Mcの2バンド、11球。
本来電源は14V又は28Vのダイナモが本体後部にマウントされるのだが、それの代わりに電源
トランスが組み込まれていた。(回路図上は14/28Vとなっているが実機には12Vとなっていた)
当初音声出力も無く出力管を診たところヒーターが点灯していなかった。 底板を外しヒーターの
端子で電圧を診てみたが問題無く、出力管6Y6を再度挿し通電したところ音声出力が出始めた。
3月19日 SONY, ICF-SW55 の修理に手間取って仕舞い、結局想定した時間の1.5倍程を要して
仕舞ったが夕方から昨日の続きに取り掛かった。 先ず局発が動作して無い様な感じだったの
で確かめたみたが上の画像に見られる様、問題無く動作していた。
周波数変換12K8のg1にアンテナを繋ぐと動作していたので、アンテナ入力に繋いだ結果動作した。
裏面の画像を撮って無いが、アンテナ入力は後付けされた箱に繋がっていた。 最初この箱の
目的が不明だったので中を見てみた。
水晶の周波数は46MHzで、どうも50MHz用のクリスタル・コンバーターの様だった。
なるほどこれでは短波帯の受信は出来無い。 外付けでSGから50MHzの信号を加え出力を診て
みた。 この後予想外の問題に幾つか遭遇することになったが、最も解せないのは50MHzの信号
を加えたにも関わらず、5MHzで受信出来た。 50-46=4のハズなのだが? 因みに5MHzはイメー
ジでは無く、これらは周波数カウンター等で確認したのだが? (単なる勘違いと後で分かった)
3月24日 感度がイマイチなのでIFの調整を行ってみた。 調整には上の部分を外す必要が有る。
Hさんが44年程前に作られた電源部を先ず外した。
元々上の部分にはダイナモと周波数校正用の200KHzを原発信とする100KHzと20KHzの分周器
が在るのだが100KHzは無論分かるが、20KHzは単なる分周器で得られるのか?
全てのIFTを診てみたが問題は無く、各真空管のプレートとスクリーンの電圧も問題無かった、
次いで50MHz用クリスタル・コンバーターの調整も行ってみたが余り変化は診られなかった。
基板にはXC-21と記されていたが RF2-Mix.-IF1と云う構成だった。 使われている668CUと
記されたトランジスタのスペックが不明。
コンバーターは若干動作が不安定で一寸したことで発振して仕舞った。 何とかだましだまし発振
しない様調整し、手元に在ったBCL受信機 RF-2800で動作を確かめてみたがマアマア使えそうだ
った。 ところでこの際の感度と BC-652-A のそれとを比べてみたが感じとして30~40dB 低い様
でまた音量も少なかったのでまだまだ難航しそうだが明日は修理品が数台届くので先になるかも。
3月25日 音声出力が少ない原因を探してみたが低周波出力の入力回路と前段間は約3分の1に
分圧される回路となっていた。 他に出力インピーダンスが定かでは無く、勝手に600Ωを想定した
がもう少し大きいことも考えられるので出力トランスを高インピーダンスの物に換えてみた。 結果
可也音量は増したのでここはこのままとし、時間が出来たら感度の点を探ってみよう。
3月26日 夕方時間が出来たので高周波部に取り掛かった。 周波数変換12K8のグリッドキャップ
に信号を加えた際の感度とアンテナ入力に加えた際では優に40dB以上差が有ると感じられた。
先日と同様上の部分を外しANT.とRFユニット(上の画像)のトリマで調整を試みたが全く変化が無く
特にRFユニットではローターとステーターが短絡している様だった。 こうなると分解するしか無い。
上の画像に見られる様、予想通りRFユニット内のトリマー (V/C) は見事に短絡していた。
RFユニット内のトリマーは2個共短絡しておりここをどうするか? 同じ物が在れば簡単なのだが。
次いでANT.ユニットに移ったが、こちらは特に問題は無さそうで単体でのB2コイルの共振周波
数 (トリマー Max.) は約7.2MHzだった。
3月27日 シャフトを固定している円柱状の金具を如何にして固定させるか迷った結果半田付け
したが一つ目はスンナリ上手く行った。
続いて二つ目に取り掛かったが若干取り付け位置に問題が有ったので一度外そうとしたところ勢
い余って金具が飛んで仕舞い探したが見付からず、仕方なく4mmのナットを削って代わりとした。
何とか二つとも良好となったので組み込み実際に動作させてみた。 RFユニット側はスンナリ結果
が出たがAnt.ユニット側は非常にブロードで、指定されている5.7 MHzでピークを出しても低い周
波数では可也ゲインが落ちて仕舞った。 仕方なくパラに47pFを添えたがこれは本来の形では無
く何ともトラッキングに問題が有る様だが昨日までの感度と比較するとドラスティックに増加した。
最後にBFOが機能してないことが気になり発振を担っている12K8の各部の電圧を診てみたがカソ
ードの電圧が0.4V程しか無く、定格2.2Vの1/5程しか無い。 ここも使われているV/Cが怪しい。
3月28日 BFOを担っている12K8周りを細かく診てみたが問題は無さそうだった。 駄目元でシ-
ルドケースを外してみた。
上の画像に見られる様ローターが一つズレかつステーターと短絡していた、これでは発振しない。
BFO回路のV/Cで3つ目となったが何故シャフトを固定していた金具が緩んで仕舞うのか? ここ
を半田付けし組み込んだところ上手く動作し始めSSBを聴くことが出来る様になった。
Ant. Unit 内のB2用コイルの共振周波数が気になり再度取り出してみた。 メインV/Cは236pFで
パラに40pFが加えられているので略同じ値の固定コンデンサを添え共振周波数を診てみたが約
4MHzだった(本来は3.5MHz)。 感じとしてはインダクタンスが若干不足している様だが一部巻線
がほどかれたとも想えないのだが?