今日お預かりしたのは昨年7月に修理を手掛けた Beomaster 1900 で修理は終了しご依頼主もそ
れを確認した後仕舞っていたが先頃通電したところ機能しないとのことでお送り頂いた。 この種
の機器の修理のご依頼はこちらの ホームページ http://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ にお願い致します。
このところ満杯状態が続いており直ぐには取り掛かれ無いが近々診させて頂こう。
5月1日 先ずは動作を診てみようと通電したが最初 FM1 で受信した気がしたが勘違いか?
FM5 に換え全く受信していなかったので裏蓋を開けた。
前回弱いながらも局発は機能し、問題無く受信出来ていたので10ケ月程で受信出来無くなると云う
のが何とも解せない。 (受信周波数も略ダイアル通りだった)
局発のトランジスタの各電位は可笑しく無かったが、何とも理解し難い回路なので困った。
仕方なく局発の代わりに SG から信号を加え幾つかの局を受信したが感度が可成り低く、また受信
周波数が何とも可笑しかった。 今日は2時間しか取り組めず時間切れとなったので続きは明日。
上の画像では見難いが一応 STEREO 表示が点灯している。
5月3日 昨日も1時間半程取り組んだが好結果を得られなかった。 どうも局発の停止だけで無く
RF Amp.の共振点は下に数MHzズレている様だった。 ここで諦めるかとも考えたが高周波の測
定器の設計を永らく手掛けていたメンバーの一人Mさんに相談した結果診て貰えることになった。
ただMさんは大型の物は扱え無いとのことでフロント・エンド部分だけを外し送ることにした。
昨年手掛けた際確か若干改造した記憶が有ったが部品面を見てそれを思い出した。
5月4日 昨日送っておいた M さんから帰宅しようと用意していた時に電話で中間報告が有った。
局発のトランジスタの hfe は低く、また元々の高周波特性も余り高く無さそうとのことでアレコ
レ試みてみるとのお話だった。
5月6日 M さんから2度目の中間報告が有った。 一応帰還回路の定数をいじり発振は為される
様にはなったが周波数の変化量が 7MHz程しか無く、局発のコイルにパラに繋がっている 10pF
を外したとのことだった。 ただ一度電源を切って再投入しても発振は開始しなかったとのお話
も有った。 また周波数が突然 100MHz以上になることも有り、共振回路周り(基板)を洗浄し
てみる必要が有るかも知れないとのことだった。 可成り重症そう!
5月7日 M さんから吉報が届いた、原因は局発の電子同調回路の一部を形成しているコンデンサ
C27 (270pF) が内部で接触不良をおこしている様で容量がゼロになることが有るそうだった。
ここを交換し局発は現在良好に機能しているが2日程ランニングしてみるとのお話だった。 他に
混合段の FET に若干の発振が診られたが実際の受信には影響は無いとのことだった。
5月10日 M さんから修理後のフロントエンドが届いた。 昨日夕方何時もの部品屋さんを訪ねた
時に店長から M さんから丸二日掛かって仕舞ったが幸い上手く直ったそうと聞いた。 しかし M
さんの粘り強さには脱帽するしか無い!
早速組み込み動作を確認した。 下端は約 81MHzだった。
電界強度は左程低くは無いのだが 81.3MHz (J Wave) でステレオ表示が為される時(下)とそうで
無い時(上)が有った。
微調整を行い下端を 76MHz、上端を 90MHz 程にした。
前面パネルを被せタッチパンルの様に上の面から制御したが一部が機能せず何度かやり直し5回目
で何とか制御出来る様にはなったが疲れた。 この構造には毎回泣かされる!
ところで左端に Power ON-OFF のスイッチが在るが機能していなかった。(電源は切れない)