
今日鎌倉の T さんからお預かりしたのは Ducati, RR 3404 でイタリアから購入されたとのお話だ
った。(T さんからは以前ホンダ S 800 用のカーラジオをお預かりしたことが有った様だった)。
この種のラジオの修理、改造のご依頼はこちらの HP https://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ からお願
い致します。




カバレッジは中波以外に 2バンドが用意されているが細かくは見ていない。

上の面ではダイアル糸が切れて(外れて)いた。


内部では電源の平滑用ブロック・コンデンサと0.05μFのペーパー・コンデンサ 2個が外れていた。


フィールド・スピーカー部分には端子が 5個在り左の二つは半田付けされて無かったのでボイスコ
イルの様だった。 右の 3つがハッキリしないが抵抗値から左が平滑回路、右が出力用と想像した。

先日入手した今回の物の回路図とは異なっていたが電圧設定を110Vに変えた。


スピーカーのコーンは可也酷い状態だが何とか使えることを祈るばかりだ。

通電し暫くした時に内部から白煙が上った。 電源の平滑用ブロック・コンデンサがパンクした。

電圧は 350Vの様なので不足はしていないと想うが耐圧以外の問題が在ったか?

一時的に 22μF/350V の物に換え先に進んだ。

テストオシレータから IF=468KHzを加えて行ったが検波を担っている 6B8 の2極管部に加えると
音声出力が出たが他では出ず明日 IFT 等を診てみよう。6V6 はベースのピンの所で接触不良が在
る様だったので各ピン内部に細い錫メッキ線を添え半田付けしこの問題を回避した。

使われている真空管の gm 等を診てみたが 6A8G, 6K7G の gm に問題は無かったが、6B8G のgm と
ダイオード x2 の特性は最低値を大きく下回っていた(国産の 6B8 は確か戦中の物が有ったハズ)。

5月18日 IFT の特性を診て見た。

第一 IFT の共振周波数は 436KHz で本来の 468KHz から 31KHz低かった。

次いで第二 IFT を診てみたがこちらは 445KHz と 23KHz 低かった。

一度分解する必要が有りそうで可成り道のりは遠そうだった。

5月20日 IFT の分解に取り掛かった。 ナットの下に在るスプリング・ワッシャが外れない。

困ったことに IFT を固定しているネジが2本共途中で折れて仕舞った。しかしこの様なことは初めて。



何とか表に出したが使われている部品の信頼性が低く困った。 心配していたダストコアは一応回せ
たので明日にも共振特性を確認してみよう。しかし取り付けのビスが2本共折れて仕舞い如何に固定
するか? 通常必要の無い問題で悩むことになった!

5月22日 第二 IFT の周波数特性を診て見た。

当初二次側の共振周波数は 446.2KHz程度だった。

本来の共振周波数 468KHz とすることは並列に繋がれたコンデンサ(150pF)を小さい物に換えなけれ
ばならず近年一般的な 455KHzとすることにした。

一次側も 455KHzとした。

5月23日 折れた金具を外し別の固定方法を採ることにした。


20mm 程の 3mm のプラスネジの頭部を削った。

エポキシ系の接着剤で固定し放置した。

2本を使うとシャーシに開けられた穴を加工する必要があるので先ずは1本を接着した。

5月27日 第二IFTは一度回路から外し測定したが固定の為のビスが折れて仕舞い固定に難航したの
で第一IFTは外さず周波数特性を診てみた。 上は1次側で約439KHz、下は2次側で約443KHzだった。


これら二つを445KHzに調整した。 (実は455kHzとしたつもりだったが視力の低下は否めない)


第二IFTを組み込み全体の周波数特性を診てみようと組み込んだが何かの拍子にシャーシが倒れそう
になり慌てて掴んだのが第一IFTで困ったことに固定のビスが折れて仕舞った。 参った!


しかしこのひ弱なビスの材質は何なのか、感じでは亜鉛の様だったが製造時の強度は十分だった
のだろうか? ガックリ落ち込んで仕舞ったが何とか3mmのビスを削り半田付けしてみた。

何とか二つの IFT を組み込み総合的なIF周波数特性を診てみようとしたが6K7のg1に加えた455KHz
は残念ながら通過していなかった。 サテ暗礁に乗り上げて仕舞った感じだがこの後どう攻めるか?

5月28日 改めて第一 IFT を 455KHz に調整した。


しかし残念ながら 6A8 や 6K7 のプレートに 455KHzを加えてみたが出力は得られなかった。基本に
立ち返り各電極の電位を診て見たが、上の 6B8 のプレートは約171Vだったが、スクリーン(6番ピン)
には何も繋がっておらず電位は約 0.9V (取説上は30V) しか無かった。 まさかとは想うが最初から動
作していなかった?

6B8 は 8E で Sg は6番ピンで間違い無いのだが何とも解せない。

5月29日 気になった 6B8 の Sg (6番ピン)に取り掛かった。 しかし上の画像に見られる様全く
半田付けの跡は無い(青く塗った部分)

回路図通り 0.1μ でグランドに落とし+B と1MΩ で繋いだ。(電圧を実測したが+Bと同一で電流は
流れて無い様だった。 ピン内部で引き出し線が切れているのか?)その後ここをグランドに落と
してみたが動作に変化は無かった。 通常 Sgの電位で動作は大きく変わりそうだが?

ドラステックに動作が変わるかと想像していたが殆ど変化は無かった。

どうも局発が発振していない様だったので調べ始めたが発振部に +B を加えている 30KΩが断線
していた。


局発が動作し始め上は短波2バンドの内の上のバンド、下は中波の発振波形。


良好に受信し出し連続運転に取り掛かったが問題は 6V6, 6B8 等がソケット部分で接触不良を起こす。
特に 6V6 はヒーターが点灯しなくなる。 真空管のピンは可成り磨いたのだが?

作業台に置いている限りは良好に動作していたが矢張り 6V6, 6B8 辺りはソケットの部分が不安定
だった。 明日は M さんが来て呉れるので彼に診て貰おう。 ダイアル糸を何とか張った。


ダイアル面のガラスの汚れが気になったので一度外し磨いた。

文字盤部分の汚れは殆ど落とせなかった。 中波以外は波長26~50m (6~11.5MHz)と15~26m
(11.5~20MHz ) の様だった。

組み立て右のランプが無くなっているのが気になり何とか加えた。

5月30日 スピーカーの取り付けに取り掛かった。 止めネジ4本の内の2本が折れており固定は難
しそうだった。 取付板が外せ無いかと止めネジ4本を外してみたが接着されており無理だった。

スピーカーはフィールドタイプで可成りの重量が有る。

組み込み止めネジ2本でも何とか固定出来、念の為底部をダンボールで押さえた。


真空管 6B8G のベース内のピンの接続が気になったので各ピンの内部に半田を添えた。

良好に動作し出したので連続運転に取り掛かった。 イヤハヤ想定した時間を可成り超えて仕舞った。
