今日の2台目は Zenith の 1950年代と想われるモデルで、修理の終わった Philco, H3410 と松下
TR-603A を引き取りにいらした J.L.さんがお持ちになった。 この種のテレビの修理のご依頼は
こちらの ホームページ http://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ にお願い致します。
裏面に貼られたラベルのモデル・ナンバーの所には何も記されて無かった。
CRT の型番からモデル・ナンバーを探してみよう。
11月17日 動作確認に取り掛かった。 徐々に一次側の電圧を上げた。
CRT は 17AVP4A
シャーシー No.は 16X20 と分かりモデルNo.は X1816E, G. L. R の何れかの様だった。 また
Riders Vol.17 に網羅されているので多分1956年のモデルと想われる。
11月27日 分解に取り掛かった、何せ初めての機種で且つ立体構造なので時間を要する。
シャーシ内部を見て国産の部品が多かった。 (テッキリ米国から購入した物と考えていた)
CRT はメタルバックの物かと想像していたがイオントラップが使われていた。
水平偏向出力には東芝の 12BQ6A が使われていた。
電源回路のケミコンは ELNA の物が使われており、他にもニッポンケミコンの物が多かった。
11月28日 昨日回路図を持ち帰り動作をチェックすべき部品等の目星を付けた。上のケミコン
10μF/450WV (x3) は VIF 増幅 2段目 (3CB6) の Sgに繋がれているが回路図に記載は無い。
コイル類の導通に問題は診られなかったので一部のコンデンサの容量/絶縁を診て交換した。
一応水平発振は為される様になりラスターが出だしたが周波数が可成り低い。 水平発振段のプレート
H.Hold の可変抵抗の接触不良が激しかった。
H.Hold の可変抵抗の後ろに端子が在って外せ無かった。
何とかぶつかっていた端子を短くして可変抵抗を外した。
内部の炭素被膜面を洗浄し、接触子の表面等を研磨した。
結果 H.Hold はスムーズに変えられる様にはなったが水平の周波数は殆ど変化しなかった。
回路図からは水平の安定コイル L9 が在るので調整を加えた。
結果望ましい周波数に持って行けたので明日は実際に信号を加え動作を診てみよう。
しかし日本国内で多くの手が加わっていたが果たして日本バンドなのか?
11月29日 米国チャンネルと想像しテストを開始した。
垂直振幅を若干増やした。 百点満点では無いが略実用レベルとなった。
今回使用したビデオコンバーター(中々の優れものだった)。
11月30日 昨日連続運転を行っていた際に激しいスパーク音と共に映像が一瞬消えた。 不定期で
この現象が発生し直ぐに復帰はするが精神衛生上好ましくないのでご依頼主に相談し、電源回路に
つかわれている電解コンデンサを全て交換することにした。 ついでに輝度調整の VR も換えよう。
12月5日 電源回路等に使われている全電解コンデンサの交換に取り掛かった。
謎の10μF/450WV (x3) はそのままだが全ての電解コンデンサを交換した(予想より時間を要した)
明日は輝度調整の VR を交換し組み込んでみよう。
12月6日 イヤハヤ75歳となって仕舞った。 全電解コンデンサの交換を終え輝度調整の VR の
交換に取り掛かった。
ツマミの内部に段差が在ってツマミを奥に挿入できないのでシャフトに少しテーパーを付けた。
連続運転に取り掛かった。 以前診られたスパーク? 電源ラインの短絡?は無くなった。
センタリングを調整し画像を少し上に移動させた。
1月3日 電源周波数を 60Hzにしてどう変化するか確認してみた。
期待通り水平の細かい揺らぎは見事に払拭された。
1月4日 昨日の結果は若干 S/N が低下し、輝度も落ちた様感じたので電源に 115V の昇圧トラン
スを加えたのが上の画像。