久々にネットオークションでSONYのICR-100が落札されたので出荷前の連続試験
を始めた。 レストア後数ヶ月が経つが久し振りに電源を入れたところ動作せず焦っ
たが原因は電池の電圧の低下でほっと一息。 サテ2-3日は連続して動作させたい
ところなので落札頂いた方には少しお待ち頂こう。 この種のラジオの修理に付きま
してはこちらのホームページからお問い合わせ下さい。
通常こちらで受信可能な7局の内最も電界強度の低い文化放送を選び、また他のことをしな
がらでも異常を把握出来る様元々のスピーカーでは無く、4インチ程の物で音量を最大にして
連続運転を行った。 通電後4時間程は問題無く過ぎたがやがて歪みを感じる様になったの
で一度電源を切り、30分程放置し再度通電したところ歪みは感じなかった。 歪みの原因は
不明だが感じとしては出力のSEPPを構成しているトランジスタの動作点が温度に依って変っ
た様だがサテ、細かく診てみることにしよう。 音量最大では無理が有るのか?
2月12日 最初の固体(基板)の歪みの原因はICのドライバ出力の様なので諦め別の固体
(基板)に取り組んだ。 感度が非常に高く、音質にも問題は無かったが電界強度が低い場
合には問題無いが極一般的な電界強度では発振する様な現象が見られた。 感じとしては
AGCが上手く機能してない様想われた(しかし問題の多い機種で泣かされる)。 サテ何時
までもお待ち頂く訳にもいかないがどうするか!
これまで余り真剣に見る事が無かった回路図をしげしげと眺めてみた。(ここで使われている
ICのブロック・ダイアグラムでも在れば話しは早いのだが) 結果AGCに関係してそうな部分
が見付かったので近々確かめてみることにした。 しかしSONYさんの最初のIC、CX901には
3つの定数(外付けの抵抗)に対して10、12、12種の値が与えられており組合せの合計は何
と1,440.種となる、他にも調整抵抗が有りサテ何とも扱い難いICなのであります!
2月13日 今日は自分が主宰しているラジオコレクターの集まりがあったので参加メンバー
(現在国内メーカーで回路の設計、開発をしているメンバー)にもICR-100の回路を見て貰い
自分ではAGC回路と想像した部分をどう想うか聞いてみた。 結果半々でそうかも知れない
と、単にベースバイアスでは無いかに意見は割れたがその後立ち寄った仕事場で古い【IC
活用字典】を探したところ多分開発中のナンバーSONY、1A1に関する記述が見付かりそれに
依ると予想は当っておりAGC(リバースAGC)がIF入力の(IFT2次側の)コールド側に掛かっ
ていることがハッキリした。 少し光明が見えて来たが改善出来る事を祈るばかりであります。
2月14日 長いことお待たせして仕舞っており休んでもいられないので今日は久々に
休日出勤となった。 サテ、昨日机上で調べておいたAGC回路に取り掛かった。
予想は的中し良好に動作してくれ一安心。 下は容量抜けを起した1μFの代わりに
外付けしたケミコンで連続試験を開始したところ。 良かった!
2月16日 二日間の連続試験結果が良好だったので組込に取り掛かった。
先日ケミコンを外付けし好結果を得たので本来のタンタルコンを外し容量計で実測したところ
1.04μFと問題は無さそうに見えた。 半田付けの熱に依り状態が変化した可能性が有り兎に
角別のタンタルコンに交換し既に3時間程のランニングを行った。 しかしこれまでに可也の数
のICR-100を手掛けたがタンタルコンに問題が有ったことは無く始めての経験となった。 サテ
明日はいよいよ本体えの組み込みに取り掛ろう(またまた寿命が縮まる気がする!)
2月17日 朝から覚悟を決め本体えの組み込みに取り掛った。
ここまで終えたところで動作確認を行ったが何故か動作しない。 調べたところアンテナコイル
の二次側のコールド側が断線していた。 細いリッツ線なのでこの種のトラブルは日常茶飯事
と云える。 アンテナコイルを接続し組み込みを続けた。
動作に問題は見られなかったので電池も組み込みイヨイヨ裏蓋に取り掛った。
組み込みを終え、充電器の動作確認を行い終わりとした。 歳と共に拡大鏡の使用頻度が
上がり時間を費やす様になったが満足の行く結果が得られ一安心。
このブログを見たオーストリアのラジオコレクターから日本語では読めないので英訳
してくれないかとの希望が寄せられたが只でさえ忙しく英訳はご勘弁願いたい。