今日お預かりした2台目は Racal の RA-1217 で(以前こちらで手掛けたドレークの SW-4A、コリンズ 51S-1
は今も良好に動作しているとのお話も頂いた) SメータはCAL.で動くが、全く受信出来ないとのお話だった。
この種の受信機の修理に付きましてはこちらのホームページ http://www2.odn.ne.jp/~cac55760/ からお問
い合わせ下さい。
これまでにも Wadley Loop を採用した受信機は何台か手掛けたが八重洲、トリオ、ドレーク等何れもアマチュ
ア向けの物で殆どの回路がメイン基板上に展開されておりチェックし易い構造だったが今回の物は流石プロ
用で各ユニットがシールド・ケースに収まっており正直回路を当たるのが困難となるが、一部のエッジ・コネク
タを使った構造に比べればエクステンダーも不要なので贅沢は云えないが。
外部にバッファー出力の有る2nd VFOの出力を診てみた。 ここは3.6-4.6MHzの範囲内の出力が得られ
るハズなのだが上の波形に診られる様スイープ・オシレータの様に周波数が時間と共に変化していた。
暫く診ていたところ周波数の掃引は止まり、単一の周波数に落ち着いた。 チト解せないが先ずは先に進む
どうも1st VFO が怪しかったのでここの出力を診たが、予想通り出力が出ていなかった。
先ずは電源を診てみたが本来は-16Vのハズだが電圧は加わって無かった。
上はMHzオーダーがMin.の00となる位置での1st VFO のバリコンの状態だがここは容量Max.なのでは?
バリコンの容量Max.でのMHzオーダーの指示値は14MHzだったがこれで良いのか?
MHzオーダーのシャフトにカム(レバー)が付けられておりマイクロ・スイッチを駆動している様だった。
見た目周波数は66MHz程度までカバーしている様だが? (そんな訳は無いハズだが)
1st VFO, 1st Mix.用の-16Vが何故加わって無いのかこの時点では不明だったが強制的に加えた結果
1st VFO が機能し始めたのが上の画像で周波数は約40MHzだった。 周波数を実測してみたところ下
の画像に見られる様約39MHzだった。 シールドケースを外した状態なので少し条件が異なるが本来
の周波数は40.5MHz (ただこの機種のカバレッッジは1-30MHzなので1MHzでは41.5MHzとなる)。
周波数は滅茶苦茶だが日本放送 (1,242KHz) を受信した。
次いで短波帯で放送を受信したが(多分中国か韓国の放送と想われる)プリセレクターを調整した結果
可也のゲインとなり歪んで仕舞ったのでアッテネータで絞ってみた(画像はアッテネータを入れる前)。
Sメーターは振り切れている。 MHzシャフトのところのマイクロ・スイッチは1MHz以下と1~29MHzの切り
替えを行っている物と分かった。 つまり1MHz以上ではONとならなければならないところが機械的な問
題でONとならない為 1st VFO, 1st Mix.に電源電圧が加わらなかったと分かった。 他にMHzオーダーの
大きな周波数ズレ(多分KHzオーダーも)、1st VFO のバリコンに診られるローターステーター間の部分
的な短絡の問題等未だ解決しなければならない問題は多い。
1月25日 MHz設定とバリコンの位置関係が可笑しかったので直した。
ジョイント部分には可成りガタ(緩み)が診られた。
1月26日 昨日周波数も可笑しくない値となり(上は6,055KHz ラジオ日経受信時)、バリコンの短絡の
問題にも手を加え良好となった。 (マイクロ・スイッチに依るLF-RF切換はRF側固定とした)
近くの JORF (1,422KHz) を確認し終わりとした。