今日お預かりしたのは Hallicrafters の S-38B でこれまでに何度か手掛けたモデルだが一部
S-38C で使われ始めた部品も使われていた。 この種の受信機の修理、改造に付きましては
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電源のケミコンだけは近年の物に交換されていた。
検波、低周波増幅にはコンデンサ4つを纏めた複合部品が使われているがこれは S-38C で使い
始められた物と想うが、IFには12SK7が使われておりこれからは S-38B の様だが、これら二つの
間に位置するのかも知れない。 周波数は少なからずズレており下は6,055KHz、ラジオ日経受信
時。 バンド切換えスイッチの接触にも問題が診られた。
先ずは絶縁の劣化が想像出来るペーパー・コンデンサの交換に取り掛かった。
次いでソリッド抵抗の抵抗値を確認してみたが一部本来の1.5倍以上の物が診られた。
この後使われている真空管全てのgm或いはエミッションを測定してみたが全て良好だった。
7月1日 今日は抵抗値が高化して仕舞った抵抗に補正用の物を加え本来の抵抗値とした(ソリ
ッド抵抗には60年程で2倍近くの抵抗値を示す物が時にみられるが今後の変化は余り無さそう
に想われた)。 その後トラッキング調整に取り掛かり2時間程を掛け、一応全てのバンドの調整
を試みたがこの機種では各バンド毎に行うキャパシタンスの調整のみで、インダクタンスの調整
は用意されておらず (例えばバンド4では30MHzでのみ調整を行うことになっている)局発用の
V/Cが理想的な容量変化をするなら話は別だが可也妥協した特性しか得られそうになかった。
7月2日 トラッキングと云うには少し問題が有るが各バンドをどの周波数で調整するかを迷った
結果、この機種のマニュアル通りとした。 つまりバンド4は30MHz、同3は14MHz、同2は5MHz
同1は1,500KHz+600KHz 。 また電源電圧も定格の115Vを採用した。