テレビ修理-頑固親父の修理日記

古いテレビ、ラジオ、カーラジオ、アンプ、プレーヤ、電話機の修理のご案内です。古い物でしたら何処の国の物でも略OKです

●GRECOM SX3200 通信型受信機

2007-10-31 23:09:54 | Weblog

今日お預かりしたのは20年程前の物と伺った㈱ゼネラル リサーチ オブ エレクトロニックス製の通信
型受信機 SX3200でカバレッジは10KHzから30MHzの物で取説にはトリプルコンバージョン シンセ
サイザー方式と謳われている全波受信機で特に10KHzと云う超長波からを実現している。  お話しで
は周波数がズレているとのことであったが実測したところズレは見られなかった?  動作上のおかし
な点としては1,422KHzを受信した場合、デジタル周波数表示が1.422MHzとなる位置よりも0.422MHz
と1MHz低い表示の位置の方が遥かに感度が高かった。  ブロック図も回路図も無いが多分(間違い
無く)構成はワードレーループと想われるがサテ、上手く直せるか?  この種の受信機の修理に関し
ましてはこちらのホームページからお問い合わせ下さい。

11月1日 昨夜帰る道すがら各バンドの下端が110KHzだったことを思い出した。 確か10KHzから
受信出来るのだとするとこれは何としてもおかしい。今朝から取り組んだがラジオ日経の6,055KHz
がやはり受信出来ない。つまり6MHz帯での下端は6,110KHzで全てのバンドが同様の症状を示す。 
せめて回路の構成が分かれば何処を攻めれば良いのか分かるのだがそれが叶わずこうなると勘が
頼りとなった。1,422KHzが0.422MHzで良好に受信出来るのは多分ハーモニックスを選択する共振
回路の問題と予想し、それと想われる個所を調整してみた。 上手く行った!次に110KHzまでしか
落ちないのは多分、中間周波用の局発の問題ではないかとこれまたそれらしいところを調整してみ
た結果上手く行った。 こう書くとやけに簡単に見えるがお預かりした物を万が一にも壊す訳には行
かず【それらしいところ】の見極めは実は簡単では無い。

画像からは見えないがSメーターは9+10dB程を示している。 (修理前は7.5程でした)

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●戦前の4球再生式(0-V-2)ラジオ

2007-10-28 21:44:15 | Weblog

今日の午後お預かりしたのは国産の昭和10年代製と想われる4球再生式でラインナップは57-56-12A
-112B。 スピーカーはマグネチックで、コイルはスパイダー・コイルでした。 近年修理が加えられた様
でペーパー・コンデンサは最近の物に替えられておりました。 電源回路の抵抗の半田付けが1ヶ所取
れており、それを繋ぎ一応動作しましたが、再生回路の帰還量が多過ぎこのままでは使い物になりそ
うもありません。 これの原因かと想うのが同調コイルと同一巻枠に巻かれた再生コイルでこれでは帰
還量が多過ぎる様想われます。 絶対ではありませんが、別の巻枠に巻かれたアンテナ・コイルが本
来の再生コイルでは無いかと想像しました(最初この別の巻枠に巻かれたコイルが再生用とばかり想
っておりました) サテ、最近の部品ではやはり違和感が拭えません、せめてアキシャル・リードのコン
デンサ位は使いたいところです。 この種のラジオの修理に関しましてはこちらのホームページからお
問い合わせ下さい。

中々しっかりした作りのキャビネットでしたが天板部分に(乾燥に依るものか)ヒビ割れが見られる。

シャーシーも木製で余り関心しないがこのまま進めるか? アルミ・シャーシーに代える
となるとシャーシーとの絶縁が問題になるところが出てくる。

幸いマグネチック・スピーカーは良好だった。 裏蓋がクラフトテープで止めてあったが
ニス塗り部分に粘着力の強い(特に紙の)テープは禁物である!

スパイダー・コイルとバリコンのどちらかが標準より大きい様でカバレッジが下は
500Kcより下の辺りから始まっており、上が1,400Kcまで達しているか疑問。

10月29日 ご依頼頂いた方からゴーサインが出たので明日から作業に取掛かることに致しましょう。
先ずはオリジナルの木製シャーシーを活かてみて、問題が有った場合はその時また考えると致しま
しょう。 一番にアンテナ・コイルと再生コイルを逆にして帰還量が適当となるかを見極めねば。 
スムーズな再生が掛かるか否かにこの受信方式の鍵がかかっているのであります!

10月30日 先ずは使われている部品を全て外してみた。 殆どのネジは鉄製の木ネジなので当然
真っ赤に錆びており外すだけで一苦労だった。 画像に在るコイル用L金具を固定していたネジが最
も難航したが撮影後ヤット外れた。 どうも木製(ベニヤ)製のシャーシーを使うのは酷な気がするの
でご依頼主に伺ってみよう。 チョークはまだしもトランスの周りの錆びが気になるのでこれらは再塗
装することに決めた。 

先人が苦労して作った物なのでチト忍びないがこのシャーシーではきびしそう。

トランスの底が激しく錆びているがピッチできちんとシールされていたのか巻線に異常は無かった。 
バリコンも出来れば全て分解し洗いたいところだが、サテどうするか?

10月31日 ご依頼主からはアルミシャーシーでと言って頂けたが、既存のキャビネットに合わせねば
ならず丁度良いアルミシャーシーが既成で有るか? 無論特注も出来るがそこまではやりたく無い気
がする。 近々秋葉原で探してみよう。  (一昔前は電車に乗ってしまえば30分も掛からなかったが
今は1時間半でもきつくなって仕舞い勢い腰が重くなってしまった!)

11月3日 久し振りの秋葉原で見つけたアルミシャーシーは元の木製シャーシーとは縦横高さとも数
mmしか違わず略ピッタリのものでした。 良かった!  仕事場に戻りトランス、チョークの錆びをワイ
ヤーブラシで落し、黒のマフラー用塗料を吹き付け今日は時間切れとなった。 

11月4日 昔はアルミシャーシの加工も頻繁にやっていたので穴あけの為のシャーシーパンチやリー
マーも揃っていたがこの30年近く遠ざかっていたので最早手元にあるのはハンドニブラーとヤスリだ
けで結果可也いびつな丸穴になってしまったが一応殆どの穴あけを終了したので部品を取り付けて
みた。 もう少しあける穴があり、また修正を加えた後配線に取り掛かろう。

11月5日 キャビネットの補修とシャーシーの修正を終え、いよいよ配線を開始した。 サテ出来
上がるのは何時になるか? 

11月6日 行ったり来たりしながら何とか配線を終え、通電してみたがやはり帰還量の多さが原因と
想われる発振が凄く到底使い物にはなりそうも無い。 当初考えた様アンテナコイルと再生コイルを
逆にしてみた。 やはり予想は的中し、最初それでも帰還量が多かったがコイル間の距離を2mm程
離した結果スムーズな再生が掛かる様になった。  NHK第一、594KHzからラジオ日本1,422KHz迄
豆コンの調整で上手く再生が掛かる事を確認しキャビネットに入れ連続試験を始めた。 ところが間
もなくして全く音が出なくなった。  何故だろうと調べた結果マグネチックスピーカーがオープンとなっ
ており、先人が多分昭和10年代に組立ててはみたものの今日までまともには動作しなかったであ
ろう物が2時間程で半ば息絶えた感がある。 マグネチックスピーカーのコイルとなると0.08φ程の非
常に細いエナメル線を気が遠くなる程巻かねばならず現実的ではないので適当なダイナミックスピ
ーカーに交換するのが無難とは想うが誠に残念だ。 しかしこの種のラジオの故障原因では上位に
位置する故障なので仕方ないと諦めることにしよう!

手前のスパイダーコイル(小さい方)が元々はアンテナコイルとして使われていた。 今回これを再生
用のコイルとして好結果を得たが、配線具合からして最初にこのラジオが組立てられた時からズット
その状態だったので半世紀以上使えない状態が続いていたと想像出来る。

11月12日 別のところで記した様、断線していたマグネチック・スピーカーも上手く直り今日はキャビ
ネットに組み込んで実際に受信した際の目盛や再生量の最良点を記録した。

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●Blaupunkt Verona (Mt管6球)

2007-10-28 21:13:35 | Weblog

今日午前中にお預かりしたのはドイツBlaupunktのMt管6球Veronaでした。 電気的には左程問題は
見られず、FMの日本バンドえの変更も問題は無いのですが、機構部分の問題は可也大きなものでし
た。 FM、AM共に選局ツマミが重く、またポインターが動きません。 原因は減速機構部分とダイアル
糸に在りそうです。 ダイアル糸は普通の物と大きく異なり、芯にピアノ線の様なスチール・ワイヤーを
使い、その周りを布で覆った物で画像からお分かり頂けるか周りの布の部分が破れ、塊になっており
プーリーに巻き付けることが出来なくなっております。 また回転を受けるシャフトの軸受けのダイキャ
ストが膨張したか?シャフトの回転が非常に重くなっておりました。 この種のラジオの修理に関しまし
てはこちらのホームページからお問い合わせ下さい。

ラインナップはECC85-ECH81-EF89-EABC80-EL84-EM84で多分1960年頃の製品と想われる。
FM+中波+短波で短波に切換えた際、いきなりモスクワ放送が飛び込んで来たのには驚いた!

ピアノ線?だけが引っ張られていて布の部分が小さなプーリーのところでヘビ
の様に膨らんだ状態になっている。 

10月31日 ダイアル糸の糸掛け等はご依頼主ご自身で為さるとのことで電気的な修理と、改造に
取り掛かるが  サテ、上手く使えそうなダイアル糸は手に入るか秋葉原に行ったときにでも探して
みよう。

11月1日 コンデンサを調べてみたが予想以上に劣化しており略全数14個を交換した、明日は
FMのカバレッジの変更に取り掛かろう。

11月2日 FMのカバレッジの変更は特に問題なく済んだが何とも感度が悪くマジック・アイは殆ど
閉じなかった。 珍しくIFTが離調している様でこれらを再調整し十分な感度が得られ終わりとした。

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●VW Model 1J0035182 (SONY MDX-5V101R) MDプレーヤ

2007-10-26 23:40:29 | Weblog

昨日、今日と手掛けた松下のカーラジオCR-112AYがきっかけとなったかも知れないのですが、以前
「全く動作しないが良かったら」と頂いたVWゴルフ用の純正カーラジオ+MDプレーヤ (SONY MDX-5V101R) の修理にダメ元で挑戦してみた。  確かに電源入力のところで既に短絡状態だったので最
早修復は無理かとも想われた。  これがアナログ・タイプの物なら左程大きな問題では無いのですが
今回の機種は完全なデジタル機でおまけにマイクロ・プロセッサが使われており単純な故障以外は
直せそうもありません。 後部の電源+出力ユニットを外して発熱に依る変色が無いか、或いはケミコン
に異常がないか見てみたが全く異常は無く、変色も見当らない。  打つ手は無いかと諦め掛け外した
ユニットを組み立て直しフト作業台に目をやったがそこに小さな、5mm程の細いメッキ線が落ちていた。
  今回の物に使われている部品は全て表面実装の物でリード線の付いた物は使われて無いが何処
からか紛れ込んだのだろう。 恐る恐る電源を投入してみたが短絡は直っており多分この小さなメッキ
線が故障の元凶だったと想われる。 いやはや何事も諦めてはなりませぬ! FMもAMも可也S/Nが
良く、またMDプレーヤも良好に動作してくれヤッターと云う感じで終わらせることが出来ました。 

イルミネーションをONにしていないので大人しいディスプレイに見えるが一度ONにすると中央の
LCD部分は紫がかった青、周りの各押しボタン部分には赤いバックライトと可也賑やかになる!

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●Blaupunkt, Derby 1960年代初頭のピクニック・ラジオ

2007-10-25 23:31:41 | Weblog

今日カナダから届いたBlaupunktのDerbyは1962-3年頃に作られた、FM+中波+短波x2の4バンドトラン
ジスタラジオです。 現在はどうか知らないのですが自分のシトロエンもそうでしたがカーラジオは多くの
場合オプションで最初から付いているケースは僅かです。  その車のメーカーが推奨する物を選ぶか、
今回のラジオの様にカーラジオとしても、また外して車外でも使えるラジオを選ぶかですが後者を一般に
ピクニックラジオと呼びます。 早速レストアに掛かり、またFMを日本バンドに改造しました。 本来は専用
のマウント(ケージ)を使い車内では車のバッテリーを電源とし、またカーアンテナ用のジャックも用意され
ているのですがそれは叶いませんので何かカーアンテナ用のコネクタを工夫するつもりです。 十分実用
となりますのでヤフーのオークションに出品しましたのでご興味のある方は覗いてみて下さい。 またこの
種のラジオの修理に付きましてはこちらのホームページからお問い合わせ下さい。

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●松下 CR-112AY

2007-10-25 22:55:57 | Weblog

昨日古いVWのバスに乗っている方から日立製のカーラジオを修理出来るかと云うお問い合わせを頂
き現品が早速届いた。 サテ、何が悪いのだろうとアレコレ調べてみたが問題は見付からず直し様が
無い! 困った。

10月26日 ご本人のお話に依ると購入時動作はしないけれど一応取り付けておくと云われ、まさか
動作する物とは想って無かったとのことでした。 なるほど! 将来のことを考え劣化しそうな部品を
交換して欲しいとのご依頼を頂いたのでケミコンを全数交換しました。 内部を見ずに多分4-5個だろ
うと考えていたのですが実際はOTL回路で倍近くの9個となって仕舞いました。 先に確認せねば! 
この種のカーラジオの修理はこちらのホームページからお問い合わせ下さい。

 

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●Grundig WKC2830VD (M/B 190E純正カーラジオ)

2007-10-24 23:16:56 | Weblog

我々のクラブメンバーの一人で電気自動車の世界で著名なO氏のBecker製カーラジオを修理した際に
お礼として貰ったこのドイツGrundig製ラジオはベンツの190Eに使われていた物でPLLシンセサイザを使
ったデジタル機だった為FMを日本バンドに改造出来ず棚に上げたまま埃をかぶっていた。  先日探し物
をしていた時に以前買ったカーラジオ用の周波数コンバータが出て来たのでこのコンバータの改造も含
め挑戦してみた。 カーラジオにはICが多く使われておりFMの感度は普通だったがAMは可也感度が低
く感じた。 回路図も無く個々の症状に到底追い付けないが、動作に付いては11個の押しボタンの半数
が故障しており押しても戻ってこない。 押しボタンユニットは一体になっており残念ながら修理を諦めた。
次ぎに周波数コンバータは元々入力94-104MHz、出力76-86MHzと云う輸出された日本車を海外で使
う際のコンバータで、これを入力76-86MHz、出力94-104MHzに改造した。 入出力共非同調なので余
りゲインは期待出来ないと考えていたが結構実用となるレベルでした(最もバンド内でフラットと云う感じ
では無く低域で可也感度が下がった)。 画像で98MHzの表示となっているが実際は80MHz(東京FM)を
受信している。 操作を工夫すれば何とか使えるのでヤフーのオークションに出品したのでご興味の有る
方はご覧下さい。 またこの種のカーラジオの修理に関してはこちらのホームページからお問い合わせ
下さい。

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●Constant (富士高周波) 6T-170

2007-10-21 01:09:22 | Weblog

二昔前は日に10台位は当たり前にラジオやTVを買っていたがこのところは週に1台がやっととなった。
そんな中、以前から欲しいと思っていた富士高周波の6石ラジオ、Constant 6T-170をやっと手に入れ
今日現物が届き早速動作を確かめてみた。 バリコンのローター部分に接触不良が有る様だが一応
動作してくれ、簡単に外の汚れを落として撮影してみた。  明日以降バリコンを分解して見よう。 この
種のラジオの修理に関しましてはこちらのホームページからお問い合わせ下さい。

想っていたより小ぶりで約85x60x32mm、昭和30年代中頃のラジオ雑誌には決まって登場している。

裏蓋やスピーカーの後ろに持ち主の名前や住所が記されている。 出来れば購入年月日
も記して欲しかった! 小さなクラックは有ったが可也良い状態で残っていた。

10月21日 バリコンを分解してみたところ予想通りローターの後側の軸受けの部分が変形しており
接触不良があった。 変形を直し組み立てる際ワッシャーの一つを落して仕舞い探したが見付から
ずラグ板を加工して作ったが0.1mm程厚くなって仕舞ったが結果が良好だったので由としよう。 
ところで修理しながらツマミの間に在るアンテナ用ジャック(画像1枚目をご参照あれ)がオリジナル
では無く後から誰かが付け加えたことがハッキリした。 全てオリジナルと想っていたがガッカリ!

上の画像ではワッシャーは2個有るが組み立て時一つを落して仕舞い仕方なく自分で作った。
(ポリエチレンフィルムの厚さより少し厚くなって仕舞った) 取り扱いは常に慎重に!

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●Becker, Europa MU

2007-10-19 23:21:16 | Weblog

今日お預かりしたのはメルセデスのSL専門のショップからの物で選局ツマミが滑って仕舞い選局出来
ないと云う症状でした。 これは簡単に直って仕舞うので特に詳細は記しませんがこの種のカーラジオ
の修理に関しましてはこちらのホームページからお問い合わせ下さい。

これまでにも5台程Beckerのカーラジオを修理をしたショップなので直ぐに取り掛かれる
様ツマミや前面パネルは外してお持ち頂いた。 

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●SONY 8-301

2007-10-16 23:57:48 | Weblog

以前泣く泣くコレクションの中から昭和28-29年の7インチ(スター、富士製作所製)と17インチのゼネラ
ルのテレビを大阪の博物館に収めた。 自分で持っているより多くの方に見て貰えるのだからと自分を
宥めていたが実のところ近くに置いておきたかった2台であった。 閑話休題、先頃この博物館の紹介
で展示品を専門に扱っていると云う会社の方から展示用にSONYの8-301を用意して欲しいと云うご依
頼を頂戴した。 しかし手元に在る数台の8-301シリーズは何れも一部部品が欠けていたり、オリジナ
ルで無い物が付いていたりの不完全な物ばかりでどうするか悩んでいたが幸い先週出物が見付かり
今日それが届いたので早速レストアに取り掛かった。 多分今日の物と他の1-2台程で可也完全な1台
を仕上げられると期待している。 この種のテレビの修理、販売に関してはこちらのホームページからお
問い合わせ下さい。

裏面のツマミが1個、またサンバイザー部分固定の飾りネジが欠損している。 他にサイドトリム固定
用のネジや一部のネジがオリジナルでは無かったり欠損していたがこれらは仕方ないと云える範囲
と諦めることにしよう。 

垂直振幅がやけに大きく、また輝度は可也低かった。 映像は不安定ながらも一応同期が掛かり
寧ろ驚いた。 今日の物が8-301では無く、改良型の8-301Jなのでこうなったのかも知れない!

調整穴から垂直振幅と直線性のトリマを調整してみたが振幅は小さくなったが直線性は
殆ど改善されず明日以降レストアに取り掛かろう。

上の画像では見えないが一部のケミコンは液漏れを起こしており、また一部は可也前に交換され
ていた。 CRTの輝度はエミッションの低下か?高圧が低いのか? 後者なら良いのだが!

10月17日 昨日から始めたブロック型を除くケミコンの交換は終わり通電して見たが左程変化は見
られなかった。 画像のサイズがやけに大きく、また輝度が低いことから倍電圧整流回路の半分が
死んでいるのではと高圧整流管を当ってみたが問題は無かった。 次ぎに気になった映像出力とC
RT間のマイラーコンデンサ0.2μF/60Vを外し、容量計で測ってみたが0.29μFを示し、若干リークが
有る程度の値だったが念の為交換したところ輝度はガーンと増した! どうも外した直後の温度が
高い状態では良かったものの常温に近付くにつれ絶縁は怪しくなり電源9Vのテスターでは略短絡
を示した。 上の画像の左の基板の下の方に見えている緑色のコンデンサが問題のマイラーコンデ
ンサで、部品の良否の判断は慎重になさねば! *今日はスマートメディアを家に忘れて仕舞い画
像は撮影出来ず。

輝度は十分高くなったが水平振幅が少し不足しており、垂直は下が少し縮んでいる
(垂直出力のバイアス調整で若干改善されたが)。

10月22日 難航したPhilco, Predicta H3408の修理が終わり今日は8-301に戻ったが先週Becker
のカーラジオ Europa MU を修理したベンツのSLタイプ専門のショップから別の Becker のラジオの
修理をお願いしたいのでこれから行くとのことで280SLから Becker のEuropa MUを外したり、直した
りまた取り付けたりと時間を取られて仕舞い、チューナーの修理と偏向回路の修理で今日は終わっ
て仕舞った。 偏向回路の方は別の8-301の物で先日CRTの輝度が低く、また映像が出なかった
為一時棚上げした基板です。 結果からお話しするとフライバック・トランスのタップから取り出した
電圧を整流し+250Vを得る回路のシリコンダイオードが短絡し、これが負荷となって高圧が下がって
いた様でした。 ただ映像増幅用の電源は別回路なのですがチト解せません。

右側の基板の中央に置いたのが短絡していた+250V回路のシリコン・ダイオード。

10月23日 回路のレストアは済んだので外装のレストアに取り掛かった。 これまで8-301と8-301J
を同時に扱うことが無かったので左程違わないと考えていた外観だがこれら2機種を並べてみると多
くの違いに気付かされた。 サテ、状態の良い8-301Jを採るか、最初の8-301にするか?

左が8-301J,右が8-301(後期). 8-301Jに使われているアルミ製の名板がネジ止めなら直ぐに
交換も出来るのですが何と接着剤でしっかり貼り付けられているのであります。

10月29日 キャビネット等機構部品の研磨やクリーニングも終わり組み立てに取り掛かった。 ところ
がオープンな状態では振幅等に問題が無かったものが組み立てた後は少し様子が違って仕舞い再
度中身を取り出すこととなった。

やれやれやっと終わったと組み込んだのですが何と上が詰まっており不合格!やり直しなのです。

実は他にもブラウン管の裏側に塗られたアクアダックが剥がれ前面のアクリルカバーの所に挟まっ
ていた為再度分解したので二度目ですが、この機種を分解されたことの有る方はご存知の様に分
解には ツマミ合計7個、サイドトリム2個、下のスイッチ+スピーカーユニット、止めネジ9(11)個を全
て外さねばならず結構しんどい作業となります!

再々度組み直し、何とか合格点を得られました、疲れた!

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●Blaupunkt, New Yorker (1968-1969)

2007-10-15 22:57:51 | Weblog

今日お預かりしたのはポルシェ356SCに使っていると云うBlaupunktのNew Yokerでした。 この3年で
3台目となりますが、どうもこの機種はアレコレ問題がある様でこれまでにまともに動いた物を見ており
ません。  (Blaupunktの場合Frankfurtに代表される様、同一型名で1950年代から1970年代末まで
営々と続くモデルもありますが、このNew Yorkerに関しては短期間で終わっており何か設計に無理が
有ったのでは無いかと想像して仕舞います) 今回の物もFMの感度、音量が共に不足しており、また
中波はバンドの下の方で発振しておりました。 この様なことから折角の自動選局機能も動作しておら
ず暗雲が立ち込めている感じです。 これまでもサービス・マニュアルをドイツから取り寄せるか迷った
のですが何とか他の機種のそれで代用して来ましたがサテ今回もそれで済むか? 帰路バスと電車
の中で回路図を眺めながら戻って参りましたが明日以降頑張って見ましょう!  この種のカーラジオの
修理、改造に付きましてはこちらのホームページからお問い合わせ下さい。

10月16日 昨夜回路図上でシミュレートしたことを実践に移した。 FM用のIFをフロントエンド側か
ら一つ一つ追って行ったが各段とも普通に動作している様だったが、最後のレシオ検波の出力が
無く、ダイオードの片方(+出力側)に問題が有りそうで外してみたが半田を溶かす際の熱でポイン
ト・コンタクトは正常に戻って仕舞った様であった。 先ず間違い無くこのダイオードが原因と考え両
Geダイオードを1N60に交換した。 結果感度、音量共大幅に増加し、日本バンドえの改造に取り掛
かった。 また発振ぎみだった中波も一部のIFTを若干離調し、好結果を得た(発振で全く使えない
より少し感度を落としても安定に聴ける方を採った)。 念の為低周波部のケミコンも全数交換した
が期待した様な変化は見られなかったがこれで先行き安心してお使い頂ける。

回路図内のレシオ検波部の上のダイオードが開放になっていたのが原因。 他にプリントパターン
の断線も有りチェック・ポイントに電圧が出なかった問題も在った。 見えている抵抗はテスト用。

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●同期型バイブレーター

2007-10-14 18:32:04 | Weblog

以前にもバイブレーターの修理に関することを記しましたがそれらは全て非同期型バイブレーターで
した。 今日の物は今春修理依頼を頂いた昭和30年代中頃のダットサンに搭載されていたクラリオン
(帝国電波)製のカーラジオに使われていたバイブレーターです。 バイブレーターその物も壊れ、また
電源トランスもレアーショートしておりました。 半導体バイブレーターえの交換も考えたのですが先ず
は手元に在った米国製の非同期型に交換し、整流回路も加えました。 お収めし喜んで頂けたのです
が数日後また壊れたの連絡を頂き直ぐ送り返して頂きました。 何故か未使用だったバイブレーター
が死んでおり別の物に替え、その後問題無くお使い頂いている様です。 
サテ、先ず上の米国製バイブレーターの問題点ですが、分解したところ何とリードと呼ばれる振動板
が真中で割れておりました。 このリードは通電中115Hzで常に振動しており特に材質が重要な部品
で、選ばれたバネ鋼が使われますが割れていたのは初めての経験でした。  次ぎに日進電波製の
同期型バイブレーターですが、これは更に駆動接点の無いタイプでこれまた始めての経験でした。
多くのバイブレーターが駆動接点を持ち、この接点と電磁石で振動を起こしている訳ですがそれが無
いとなると如何にして振動するのか最初分からず昨日は帰る電車の中で頭をひねっておりました。 
分ってしまえばコロンブスの卵でどうということは無いのですが! 今日はそれを踏まえて接点の微調
整を行い、またトランスの2次側に入れるタイミング・キャパシターの重要性(リードの振動のスムーズ
さ、一次側の電流、出力波形)を思い知らされました。 非同期型のバイブレーターでしたらここまでで
良く、後は上手く振動する様注意しながらケースに収めて終わりとなるのですが今回は同期型、つま
り一次側をON-OFFする接点以外にもう1組、1次側と機械的に同期して2次側をON-OFFする接点
(self-rectifying contacts)が在り、これが同期型の同期型たる所以で整流管も整流器も使わずに+B
を得られる画期的な構造なのですが、今回の実験に使った100V:0-4-8Vのヒータートランスでは残
念ながら同期型整流回路の動作試験は行えず、2次側に200Vx2程度の巻線の有るトランスを先ず
用意致しましょう。 この種の物の修理、改造に関するお問合わせはこちらのホームページからお願
い致します。

左がリードが割れていた米国製の非同期型。 右が日進電波の駆動接点無しの同期型。

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●SONY TFM-110 (Solid State 11)

2007-10-13 23:35:01 | Weblog

今日お預かりしたのはSONYのTFM-110、FM+中波+短波の3バンドラジオです。 お話しでは先頃電源
が入らなくなったとのことでテッキリ電源スイッチに問題が在るのだろうと考えていてスイッチ部分を取り
出すことにやっきになっておりましたが、スイッチ部分を外したところ原因は別の電源入力コネクタに在り
可也遠回りをして仕舞いました。 この種のラジオの修理に付きましてはこちらのホームページからお問
い合わせ下さい。

右上が何とか分解したスイッチ部分。 しかし原因は反対側に在る電源入力コネクターでした!

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●Philco H3408 Predicta Debutante

2007-10-13 00:02:12 | Weblog

米PhilcoのH3408, Debutante は Predictaシリーズ中では最も廉価な17インチモデルで1960年頃
に発売されました。 (余談ですがPhilcoが倒産しFORDの傘下に組み込まれる少し前の製品です)。
サテ、今日は付合いの長い横浜のショップからH3408が届き、裏面パネルを見てビックリ、何と10年?
程前に修理を手掛けた物でした。 記憶が定かではないのですが確か米国から購入し、修理後どなた
か(今日のショップでは無く)にお売りした物だと思うのですがハッキリ致しません。 画像からご覧頂
ける様、垂直振幅が不足しておりまた直線性も悪く、高圧のレギュレーションが非常に悪くなっており、
輝度を上げると表示サイズが大きくなり、やがて消えて仕舞います。 修理以外にステレオ対応のRF
モジュレータの製作依頼が有り明日以降取り掛かることに致しましょう。 この種のテレビの修理、改
造に関しましてはこちらのホームページからお問い合わせ頂くか○○tezuka@pop16.odn.ne.jp宛てお
問い合わせ下さい。 *左の○○の部分には n- とお入れ下さい。 つまり n-tezuka@....という様に
なります(スパムメールが毎日非常に多く参りますのでお手数ですが宜しくお願い致します)。

中程度の輝度は得られるがこれが限界で高圧整流管エミ減の典型的な症状を呈している。 
また垂直は上が伸び、下が詰まっており垂直出力管も交換が必要かも知れない。

10月13日 予想通り高圧整流管を交換した結果輝度は十分高くなりレギュレーションも良くなった
が垂直振幅と直線性は真空管の交換では変化が無く、垂直関連のコンデンサ類の交換を要する
様である。 サテ、ご予算内に収まるか心配になって来た。

高圧のケージは手前に在り直ぐに交換出来るので助かる。 高圧整流管1B3はPhilco
ブランドの物で製造時、1960年頃からのオリジナルの物だった可能性が高い。

輝度は十分高くなったが垂直振幅が不足しており、また直線性が悪い。 垂直発振/出力の
6DR7を交換してみたが変化は無く、可也前に米国で交換されたコンデンサ類を再度交換する
必要がありそうだ。

加えて若干左下がりのローテーションが見られる。

10月18日 垂直偏向関連のコンデンサは可也前に交換されたと想われるスプラーグのオレンジド
ロップで一つ一つ容量計で当ってみたが全く異常は見られなかった。

ブースト用のケミコンも疑われたが調べたところ以前自分で交換していた。 次ぎに垂直出力のカソ
ードのパスコンに200μFを並列に加えたところ可也改善された。 (未だ水平振幅が不足している)

ローテーションを直し、水平/垂直の振幅も調整し終えた。 定格117Vでは問題は無いが110V
辺りが下限で其れを下回ると黒みが出て仕舞う。 明日はRFモジュレータに取り掛かろう。

 10月19日 RFモジュレータが完成しDVDから信号を加えてみたがお借りしたDVDでは可也帰線?
の様な信号が出てしまった。 多分帰線期間に何か情報が書き込まれているのではないかと想像
した。 次ぎに以前テレビ東京で自分のことが紹介された番組をDVDに記録したもので確かめたと
ころ上の(垂直の)帰線の様な問題は無くなった。 それとジックリ見た結果電源のリップルが気に
なったので明日電源のブロック型ケミコンを交換してみよう。

 10月20日 この機種の場合使われているケミコンは全部で9個、内-側を共通に出来ない倍電圧整
流回路の1個を除く8個は4個づつ2個のブロック型に収まっている。 数は少ないが何せ固定はリベ
ットやツイストロックが使われており外すだけで一苦労させられる。 何とか交換し好結果が得られた
がもう少し早く問題が表面化すると良かったのだが今更修理費を増やして欲しいとは言えない!

新しいケミコン(ブロック型x2、アキシャル型3個)に交換した。 左下の物が元々の物で全く使えない
訳では無く少し容量が減った位と想像する。 早く容量計キットを組み立て1,000μF程度まではキチン
ト測れる様にしなければ!  

10月21日 今日もアレコレ動作させながら幾つか気付いた点を直したが、帰線期間に現れる信号は
ヒョットするとコピーガード用の信号かも知れない(この辺に明るい友人に聞いてみよう)。 そんなこ
んなでRFモジュレータも作り直しヤット出荷出来るレベルとなった。

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●1950年代のドイツ製カーラジオ用 3 in 1 VR

2007-10-12 23:15:42 | Weblog

今回はBlaupunktのFrankfurt Trに使われているボリュームですがこの時期のBecker製にも同様の物
が使われております。 ON-OFFスイッチ+ボリュームと云う組み合わせの物は何処にでもあるのですが
ドイツのこの時期のカーラジオ用は電源のON-OFF、音量、音質の制御を1本のシャフトで行おうと云う
優れものです。 具体的にはシャフトを押す毎にON、OFFを繰り返し、デフォルト位置で回転させると音
量が変化し、手前に引き回転させると音質が変ると云う構造です。 特にスイッチ部分が壊れ易く、同
じ物が手に入るなら何の問題も無いのですがそうは行かず、また最近の物に同一構造の物が無く変えるに変えられず勢い何とかしようと頑張ることになります。  この種のカーラジオの修理に関してはこちらのホームページからお問い合わせ頂くか、○○tezuka@pop16.odn.ne.jpまでお問い合わせ下さい。
*上のメールアドレスの○○のところにはn-と入れて下さい。 つまり n-tezuka@......となります。

たかがボリューム一つの取外しですが合計30点程の部品を外さねばなりません。

外す際外した線材、抵抗、コンデンサをメモっておかないと大変なことになる!

右上がスイッチ部分で、左のシャフト+音質調整用VRに挟まれた中央の部品が音量調整用VRを構
成する部品です。 画像が小さく見えませんが突起の在る小さな円盤と、谷型に凹んだ小さな円盤
が噛み合い回転を伝えていますがその部分が少し磨耗して仕舞ったのが故障の原因の様でした。
今回の物の場合リベットでは無く、ネジが使われていたので未だ助かった。 後年の物はリベットで
かしめるタイプとなり一層困難なものとなる。

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