今日お預かりしたのは Becker の Europa MU で多分1970年代末頃の物と想われる。 使われな
くなって久しいとのお話だったが、これまでに手掛けたカーラジオの中で最も多く手掛けた機
種なので修理に特に問題は無いと想う。 この種のカーラジオの修理、改造にに付きましては
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早速通電してみたが電源が入らない。 仕方なく強制的に電源を加えてみたが音声出力が無い。
最も怪しかった出力段のトランジスタを診てみたが問題は無かった。 次いで徐々に前段のトラ
ンジスタを診て行ったが結局原因はトランジスタでは無い様だった。
回路図から見られる様、低周波回路は全てDC結合となっている為チト面倒なことになる。
使われている電解コンデンサの一部も念の為交換してみたが片方は容量抜けを起こしていた。
交換後、再度各部の電圧を診たところ当初の値と可也異なっていたので実際に音を出してみた
が良好に機能する様になった。 途中一部のトランジスタの足が折れている様な感触が有った
がこれが原因だったのかも知れない。 その後可也ランニングしてみたが問題は出ていない。
次いでFMの改造に取り組み好結果を得た。 最近始まったワイドFMまでカバー出来た。
FMのフロントエンドは1970年代末から採用された方式で、何度やっても組立時に神経を使う。
i Podアダプタの増設に取り掛かったが急に音声が出なくなり調べたところ Din コネクタのピンの
一部が折れていた。 破断面の状態から金属疲労が原因と想われるが初めての経験となった。
最後にランプが切れていたので交換に取り掛かったが初めて見る構造で梃子摺った。
前面のクローム・トリムがキチント嵌ってないので、何とかならないかといじっている内にフロントパ
ネルの一部(ボタンの両側)が割れたり、クラックが入って仕舞った。 多く手掛けて来たEuropaだが
初めての経験となった。 上の画像はその後に撮ったもので左程目立ちはしないが責任は有る。
ところで電源スイッチの問題は奥の手を使わせて頂き良好に機能する様になった。 またAMも切り
換えスイッチに問題が在った様だったが何とか直った。 永年放置されるとどうしても接点部分が酸
化して仕舞いこの様な問題を起こす。