今日お預かりしたのは R-390A で 1/8A のヒューズが飛んで仕舞うとのお話だった。 自分で知っている
R-390A には電源1次側の 3A のヒューズしか無いので R-390A 以外のモデルでは無いかと想像してい
たが確かに名板は R-390A/URR となっていた。 この種の受信機の修理に付きましてはこちらのホーム
ページ http://www2.odn.ne.jp/~cac55760/ からお問い合わせ下さい。
ヒューズは左がB+ 1/4A、中央がAC 3A、右がB+ 1/8Aで、お話では1/8Aが飛ぶとの
ことだったが実際は1/4A の物が飛んでいた。
どうも標準的な R-390A とは異なる様想えるが、S/Nが65と云うのもそれを物語っている様想われる。
整流管26Z5(x2)はダイオードに置きかえられていた。
飛んでいた1/4Aヒューズ部分の電流を実測してみた、通電当初115V入力では約230mAだった。
暫く通電した後の電流は約190mAとなりこれなら1/4Aヒューズは飛びそうも無い。 但しAF、3rd IF、
BFOは機能していたがアンテナに入力を加えても受信はしなかった。 (ブレークインの動作が不明)
10月27日 昨夜回路図から目星を付けておいたチェック・ポイントを順次確かめて行った。 2nd Osc 、
3rd Osc 共に異常は診られなかった(下の画像は3rd Osc (PTO) の出力波形)。
3rd IF (455KHz) のゲインはまあまあだったが、1st IF 及び 2nd IFのゲインは辛うじて有るだけでこれ
では動作は無理だろうと想われるものだった。 この部分に使われている Mix 用の 6C4 のgmを測定
したところ 3rd Mix の物はミニマム・バリューを可也下回っていた。 6C4 の買い置きも在ったと想うが
探し出すのは可也苦労することになる。 ここで少し頭を冷やすことにしよう。
気を取り直し6C4を探してみたがついに見付からず仕方なく V203 と V204 逆にしてみたが変化は無か
った。 しかし V204えの局発の注入レベルに問題は無さそうだったし、各電極の電位にも問題は診られ
無かったが何とも解せない。 知人が同じ機種を持っているのでT/Mを持っていないか聞いたところ持っ
ているとのことで来週早々借りる事にした。
10月29日 昨夜これまでのことを振り返ってみた。 局発の注入レベルは十分と想えるレベルだったし、各
電極の電位にも可笑しなところは無かった。 となるとヒョットして周波数が大幅にズレているのでは無いか
と云う思いが頭をもたげた。 (終にこの辺りの夢を見て、夢の中では外した3本のリードの元々の接続箇所
が分からなくなり苦労していた) それと云うのもご依頼主からの修理依頼のメモに ヒューズが切れて受
信出来ないことと、デジタル・カウンターの補正 が記されていた為で、受信出来ないなら周波数のズレがど
うして分かったのかが疑問だった。 伺った経緯ではPTOの固定が不完全だった為、ここを直した際可也シ
ャフトを回して仕舞った為とのお話を思い出した。 今朝一番でPTOの出力周波数を当ってみたが予想通り
周波数500kHz設定時の周波数が3,389.8KHzと本来の周波数2,955KHzより434.8KHzも高かった。
PTOの周波数を本来の周波数にし、組み込んだがそれだけで可也ズレて仕舞い、可也の時間を要したが
略満足出来る周波数に持って行けたので、最後は水晶発振ユニットを使い周波数を確実なものにした。
下の画像はラジオ日経(6,055KHz)を実際に受信した様子。 R-390Aで期待出来る感度は得られた。
10月30日 使われている真空管の各gmを測定した。 結果交換を要するのは V203(6C4)、V504(6AK6)。
出来れば交換した方が良さそうと云う V603(6AK6) の3本だった。