明日届く予定の Continental, J6/XJ6 は先日修理のお問い合わせを頂いた際、メーカーは
不明だがラインナップ 12SA7-12SK7-12SQ7-35Z5-50L6 から米国製と想われるとのことだ
ったが、他にメタルチューブの様な BT-1000 と云う物が刺さっていると伺いうかつにも冷陰
極整流管では無いかと想像した(通常整流管はラインナップの最後に記すのが一般的な為
見逃した)。 ご依頼主から整流は35Z5で為されていると指摘され自分のミスに気付いたが、
このBT-1000 のことが気になり、伺ったラインナップと2バンドでフィールド・タイプのスピーカ
ーが使われていたと云うことから1940年に的を絞り調査を開始した。
伺ったラインナップでかつフィールドタイプのスピーカーを使った2バンドモデルは数社に見ら
れ各社数機種が見付かったが件の BT-1000 を使った物は Continental のJ6又はXJ6のみ
でこの内 XJ6 はFloating Groundが採用されており、ULも取得しているモデルだった。
サテ、明日いよいよ対面することになり今から楽しみだが、お話では短波は機能するものの
中波が全く機能しないとのことだった。 この種のラジオの修理、改造に付きましてはこちらの
ホームページ http://www2.odn.ne.jp/~cac55760/ からお問い合わせ下さい。
若干紛らわしいが上の画像に見られる Radio Corp. of America (RCA) は、飽くまでRCAの特許
の使用許諾を得ていると云うことで、直接RCAとは関係は無い。
フィールド・スピーカーは通常のダイナミック・スピーカーに換えられていた。
上が件の BT-1000 で途中 BT は Ballast Tube の略では無いかと想像したがその通りだった。
因みにこのバラスト・チューブはパイロット・ランプ(47)のドロッパーで、多分1,000Ωなのだろう。
可成り手が加えられておりコンデンサの殆どが交換されていた。
ループ・アンテナ部分に型番 J6 (J-6) がプリントされていた。 修理の際、何方かかの手が加
わった物は困難を伴うことが多い。 今回の問題点も(後から分かったことだが)下の画像で赤
と黄色のリード線が一つに纏っているが、これら2本は本来ループ・アンテナ(コイル)の両端に
繋がるものでこれでは中波は動作せず、またループの片端に短波用アンテナが繋がっていた
為、短波も何とか辛うじて動作すると云うものだった。
当初ループ・アンテナの断線を想像したがここに問題は無かった。
分かって仕舞えばループ・アンテナ部分の誤配線で中波も動作し出したが感度が低くトラッキン
グとIFの調整を行った結果実用上十分な物となった。(多くの抵抗器の値は大きく異なっていた)
ゴーサインを頂いたので第二IFTの調整に取り掛かったが肝心のトリマーを回す部分が銅のテー
プで塞がれていた為一度外し分解した。
一次側は非同調だった、銅テープを外し調整を加えた。 しかし何故銅テープで調整穴を塞い
だのかは不明。 余談だがこのIFTの固定にも米国製民生用機器に時々見られる鉄板をプレ
ス加工し、一山だけ噛むナットが使われていたが、このナットが曲者でツバが付いた物はまだ
しもツバが無い物は、ボックスドライバ内で傾いて仕舞い、たかだかナットを締めるだけで10
分以上を要して仕舞う。 好結果が得られたので終わりとした。