久しぶりの Beocenter 9500 でカセットが機能しないとのお話だった。 この種の機器の修理の
ご依頼はこちらの ホームページ http://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ にお願い致します。
補修用にとゴムベルトも添えて頂いた。
包んであった布を外した時に上面手前のガラス板(コントロール・パネル)が外れて慌てた。
そのパネルを何とか元の形に戻し動作させてみた。 Load CD は機能していた。
ところが実際に CD を演奏しようとすると数秒回転した後、止まって蓋が開いて仕舞った。
ご依頼主に伺ったところ CD 部分は動作していたとのことだった。
カセットの Load も出来たがこちらはお話の通りテープが全く動かなかった。
3月29日 ご依頼主が雪の中引き取りにいらしたがお話ではもう1台同じモデルを持っているとのこと
で CD ヘッドを近々移植してみることにした。
CD ヘッドは CDM-4/57 と云うモデルだった、もう1台の物が同じだと良いのだが!
3月30日 以前同じモデルを手掛けた際にレーザーに流れる電流を調整出来たことを思い出した。
回路からはレーザーダイオードに直列に入っている R3101 (12Ω) 両端に発生する電圧から電流を推し
量る様だが一体どれ位の電流にすべきなのかが記されて無い。 サービスマニュアルをD/L要。
後年の CDM-12 等に比べると何ともスッキリしている。
レーザー電流を測る R3101 は上の画像で青い線を引いた部分 (緑の印を付けた抵抗)。
光学ヘッドのところのレンズにゴミ?が付着していたので取り除いた。
以前この機種のサービスマニュアルをD/Lした際に忘れていたのかと再度ネットで見直してみたが
以前D/Lしたもの以外は無かった。 (別のところに Laser Current は R3102 両端の電圧を測ると云
う説明が有ったが意味が良く分からない)
どうも CD ヘッドを本体内に組み込まないとシステムとして機能しない様だった。 B&O製品の
多くはこれと同様一連のシーケンスが全て機能しないと次に進めない物が殆どでやり難い。
3月31日 サービスマニュアルを読み直した結果 Laser Current は発光をモニターしているフォト
ダイオードの電流を診ている様で R3102 (4.7KΩ) 両端の電圧を測定する様だった。
R3101 と R3102 各両端の電圧を測定すべくリード線を加えた・
上は R3101 両端の電圧で約430mV/12Ω なのでレザーダイオードに流れているのは約35.8mA。
下は R3102 両端の電圧で約76mV/4.7KΩなので電流は約16.17μA。 マニュアルでは電圧は45mV
+5mVとなっていた。
4月1日 ご依頼主が欧州仕様のドナー用の 9500 を持って来てくれた。 早速診させて頂こう。
CD 部分の蓋も辛うじて開け閉め出来たが半分程しか開かなかった。 一応閉め動作させてみたが
再生には至らなかった。
カセットデッキ部分も全くテープは動いていなかった。
CD ヘッドの取り外しに取り掛かった。 蓋の裏のグリースが少し付着していた。
ドナー側(青い印を付した)に型番が無かったが同一の物と想われたので先に進んだ。
サテ祈る気持ちで蓋を閉め再生をスタートした。 上手く動いていた! ヤッタ
連続運転を開始した。 今も横で動いている。
午後カセット・デッキの修理に取り掛かった。
先ずは上の画像に見える細いベルトが溶けていた。
添えて頂いた予備のベルトで最も小さな物(左)でも大き過ぎ、また太過ぎた。
メインのベルトは溶けて一部はフライホイールに巻き付いていた。
溶けたベルトの殆どはドライブ・プーリーに巻き付いていた。 両手は溶けたベルトでベタベタ!
何とか苦労の末駆動側の白いプーリーとアルミ製のフライホイールを綺麗にした。
ベルトの引き回し方が不明だが、多分ベルトは下の黒いプーリーの所も通るのでは無いか?
添えて頂いた予備のベルトに適当な長さの物が無い。(上に出てくる細い、小さな物も無い)
添えて頂いたベルトで一番長い物(長すぎる)と、次のサイズの物(これでは短すぎる)。
念の為ドナーのカセットデッキ部分も分解してみた。
こちらは溶けたベルトが略全てドライブプーリーに巻き付いていてもっと分からなかった。
4月3日 ベルトのスレッディングが不明だったがご依頼主がアレコレ調べて呉れ一応分かった。
一応ご依頼主が調べて呉れたネットの情報に近いスレッディングを実施してみた。
ところが残念ながら好結果は得られなかった。
念の為第一プーリーと第二プーリー間のベルトをストックから探し交換してみた。
このベルトの交換が功を奏したのか若干疑問が残るが良好に機能し出した。 良かった!