![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/e2/fc56e1be591153efce13fc7a01b120e1.jpg)
今日お預かりしたのは数十年前に購入し、途中 IFT に問題が在ったのを修理したもののもう何
年も通電していないと伺っ R-390/URR (コリンズ製) です。 そこで電源電圧を 60V程から序々
に上げて行ったところ 100Vを超えた辺りからホワイトノイズの様な雑音が出始め、低周波は
何とか動作している様でしたがバンド切替時にクリック音は出るものの受信は出来ませんでし
た。そうこうする内に焦げ臭い匂いがし始め、やがて出所は分からないのですが煙が出て来て
慌てて電源を切りました。 この後音声出力も無くなり高圧側のヒューズが飛んでおりました。
ヒューズの代りにテスターを繋ぎ 300mAレンジで電流を見てみましたが直ぐに振り切れて仕
舞い、整流管 26Z5 のプレートは真っ赤に光っておりました。 また解せないのですが AF サブ
シャーシ内の真空管 5814、6AK6、6BH6 のヒーターは殆ど点灯しておりませんでした。
手元にR-390Aの回路図しか無く、先ずは本来の物を探さねばなりません。 この種の受信機
の修理に付きましてはこちらの HP https://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ からお問い合わせ下さい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/49/7418b0cbda8ed1d2cdf74d916ff1974f.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/8f/29245cd59d3b141f5db8dda1a2185c2a.jpg)
ハッキリはしないが煙は AF サブシャーシ内から出た様に想えたので細かく見てみたがそれら
しい形跡は見られなかった。 下の画像では途中交換されたと想われるマルコン製のコンデン
サが見えている。 しかし可也難航することが予想されるのであります!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/91/c9e68239e5862712109de3746d2e0fef.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/8d/8cbb7d8866339c08b9d68cfbbbd992f8.jpg)
11月11日 ご依頼主にR-390 の取り説をご用意頂く事になりその到着を待とうかとも想った
のですが+B電源ラインが気になり調べを進めました。 6082 パラの電圧安定化回路その物に
は異常は見られませんでしたが、やはり負荷を繋いだ状態では+180Vラインは+20V程度に
しか上がらずこのラインが短絡しているのは間違い無い様です。下の画像では約 200Ωを示し
ております(見難くて恐縮です)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6e/29/b161ea4c0581eec3cbf5f0d17ecb004d.jpg)
当初下の画像の束線がシャーシーに触れている部分を怪しんだのですが実際にはここではあり
ませんでした。 (しかしこの束線部分を動かすと+180Vラインが短絡したのは間違い無いの
ですが)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/13/a29a80d5d0e0b434c7c371f0ca1491f3.jpg)
アレコレ調べた結果ケースの一端 (下の画像右下) を持ち上げると短絡し、下げると直ることが
見付かりました。 調べを進めた結果 RF-IF サブシャーシー内に問題があることがハッキリし、
先ずプラスチック・ハンマーでシャーシーの要所要所を叩き変化をみたところ短絡は見られな
くなりました、想像ですが半田クズでも電源ラインとシャーシー間に挟まっていた様な感じで
す。その後暫く運転してみましたが問題は発生しませんでしたが今日は時間切れとなり家路に
つきました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/27/a86ba36fb92b512ff62f101e0c841ac3.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/5e/64b5dd46c821a1a8e815d4e21cb3cefa.jpg)
11月13日 RF サブシャーシーを何とか外そうと試みたがギアブロックも一体となっており、
うかつに外して周波数の設定が可笑しくなってはそれこそこれまでの努力が水の泡なので一
旦中止し、元に戻した。 少し頭を冷やし、覚悟を決めた上で再度取り組むことにしよう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/ee/8f195a5e1a8c4b706202e82ba673b1ca.jpg)
ついでと云ってはいけないかも知れないがギアトレインのグリスアップも行った。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/2c/f2ca641f429e3b6f8782279a3d611cd3.jpg)
11月15日 RF サブシャーシーを外した。 先日焦げた匂いがしたが再び同じ匂いがし
このシャーシー内に問題があったことが明らかになった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/31/f713b0cc1f96ea41796ae3b522471a14.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/f5/727d3b58aa0a69e3bb617a177f0dfd7a.jpg)
焦げている部品を探したところ下の画像の略中央、18KΩの上に見えているソリッド抵抗が焦げ
カラーコードが読めなくなっていた。 実測値は約 140Ωで、この抵抗の負荷側がグランドに落
ちるのが今回の問題の元凶のことは間違いないが、負荷側には容量不明のパスコンが在る以外
はコイル 6個に繋がっていた。 取り説が未だ届かず定かでは無いが、感じでは 2nd RF のプレ
ート側のコイルでは無いかと想像したがサテ 6個の内のどのコイルに問題があるのやら これを
見極めるのは可也しんどい作業になりそうだ! 何か妙案は無いものか。 +180Vラインがグラ
ンドに落ちた際、プラスチックハンマーで叩くとそれが直り、またケースにストレスを加える
と同様症状が出たり、直ったりと短絡部分は非常に狭い間隙で発生しているのでは無いかと想
像されるがサテ? それとテスターでは回路のオープンを確認してもその後に+180Vを加える
と短絡が発生したので試みに 500Vのメガーを当ててみたが短絡は発生しなかった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/fc/8f69850ecdbe0133f412833d6f30a023.jpg)
11月16日 焼け焦げていた抵抗を 100Ωの物に交換し、容量不明のパスコン
は 0.01μFだったのでこれも念の為交換した。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/a8/50b84cba85b99b776ca817d9df5dfe39.jpg)
この回路が繋がっている真空管のプレートとスクリーンを中心に調べを進めたがスクリーンの
パスコン (容量不明、多分 500pF程か?) が直ぐ横のシャフトに当っておりシャフトの色 (反射
具合)が変わっていた。(下の画像の略中央に在る、T型にぶつかっている横のシールドの少し
上) *また真空管ソケットの 5番ピン、プレートのところに長さ 1.9x1mm程の半田クズが見
付ったがこれが今回の問題の元凶だった可能性が高い。 既に1時間ランニングを行っているが
これまでに問題は発生していない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/11/3b142355ae3b3230c0adb5942edd7fc8.jpg)