先日諦めかけた機種だがフロントエンド部分のマニュアルが見付かり、またエクステンダーを作る為の
エッジ・コネクタのメス側(大分前に手掛けたアンリツ製の受信機の修理の際に加工した物)が見付か
り、基板も間もなく部品屋さんに届くハズなので準備を始めた。 この種の受信機の修理、改造に付き
ましてはこちらの ホームページ https://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ からお問い合わせ下さい。
上は20~80MHzバンド用のフロント・エンドで RF:3N200, Mix:3N128, Loc:2N2857(x2)。下は同80~250
MHz用で RF:3N200-2N5397-2N2857, Mix:3N200, Loc:2N2857 (下の画像には無いが Buff:2N2857(x2))
11月19日 今回の機種には デュアルゲートのFET を幾つか使うので今日お手伝い頂くMさんに、彼の家か
ら近い部品屋さんで買って来て貰うことにしたが、先週頼んでおいた基板がそろそろ届く頃なのでそれに
付いても聞いて貰える様頼んでおいた。彼が店を訪ねた際に丁度届いたとのことで何ともタイムリーだった。
最初エクステンダーのメス側を基板に固定するかとも考えたが、回路の当たり易さを考えるとフリーにして
おいた方が当り易いので固定しないことにした。 最初回路が発振して仕舞ったので配線をバラバラにした。
80-250MHzバンドのIF:21.4MHzの出力は十分なレベルと想われたが上の2nd Mix.で10MHzに変換された
出力レベルは可也小さかった。 スペアナが在れば信号レベル等の確認には困らないのだがこちらには
無く、別の友人から周波数が読める受信機を信号強度の確認用に借りておいた。
回路を細かく追った結果判明したのは、上の 2nd Mix.の回路と添えて頂いたマニュアルに在る2種類の回路
は違っていた。 また両バンドのフロント・エンド二つも新たに見付かったマニュアルの回路とは可也異な
っていた。 無論ある程度の参考にはなるが、これだけ複雑な機種で回路が違うと云うのは可也致命的な問
題と云える。 サテどう攻めるか? 因みに添えて頂いたマニュアルの回路では24.1MHzアンプ+34.1MHz水
晶発信回路+リング・モジュレータ?とトランジスタは2石なのだが、実際の回路には3石が使われている。
それと二つのフロント・エンドの動作を診た結果幾つか解せない点が診られた。 20-80MHzバンド用はマニ
ュアルでは4石が使われた比較的シンプルな回路構成だったが実際の回路はトランジスタ 8?石程の物で初段
より2段目?に信号を印加した方が20dB以上感度が上昇した(初段のデュアルゲートFETが破損?)。 また
80-250MHzバンドの物の方は回路の途中に信号を加えても殆ど受信出来なかった。 明日は基本に立ち返っ
てみよう!
11月20日 念の為 2nd Loc.の周波数 31.4MHz を確認してみた。 全く問題は診られずどうもこれと入力
21.4MHz の混合に問題が在る様に想えて来たが、サテ新たに回路を組み込むか?
11月21日 21.4/10MHzコンバータに使われているトランジスタの動作を診てみた。 Q1は2N2907A (PNP)
で各電圧は Ve:0 Vb:+1.80 Vc:-14.11、 Q2は CP643 (N Ch. FET) で Vs:-14.7 Vg:-4.7 Vd:+9.92両トラン
ジスタの用途が不明だがこの電圧では動かないのでは?
念の為 2N2907A を外して hfe を診てみたが約134と問題の無い値だった。 どうもAGCの動作が可笑しい。
回路図が在れば話は早いのだが Watkins Johnson は既に無く、後を引き継いだところから入手可能かどう
か聞いてみるかとも考えているがその前に今回の機種の部品を多数イスラエルの人が売りに出していたの
で彼にメールを送っておいたがサテどの様な返事がくるか?
早速イスラエルから返事が届いたがマニュアルは無いとのことだったが、動作する物が程度に依って$400.~
700.で在るので、それとの動作比較をすれば良いのではとの話だったが、サテ送料も別に必要となるが....
11月22日 仕方なく昨日から回路を追い始めた。 可成りギッシリ詰め込んだ両面基板なので梃子摺る。
11月23日 回路図を起こしてみた。 姉妹機種の21.4/10MHzコンバーターの回路とは大きく異なってお
り AGC は CP643 のドレイン電圧を変えている様だが、実測した電圧は+9.92~9.93Vと変化が少ない。
頑張って回路図を起こした甲斐がありM さんからも Q2 (CP643) の電位が可笑しいのでは無いかと指摘
を受けたので思い切って手元に在った FET (2SK125) に交換してみた。 結果ソースの電位が大きく変わ
り良好に機能し始めた。
これまで殆ど動作しなかった20-80MHzバンドも(バンドの上端からか感度はイマイチだった)動作した。
これまで受信不可能だった東京のFM局も問題無く受信出来、次いでエアバンドも聴いてみたが良好だった。