2台目は BRAUN, SK 5 でラジオが受信出来ず、外部入力にiPod等を繋いでも音量が少ないと
のお話だった。 この種の物の修理、改造はこちらの HP https://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ か
らお問い合わせ下さい。
トーンアームが固定されておらず驚いた。 先端の針は非常にデリケートな部分なので要注意。
細かいことだが上のアクリル製カバーが前後逆になっている、前に修理された方が誤った様だ。
早速通電してみたが長波のみ良好に機能したが中波は動作しないだけで無く所々で発振が診
られた。 FMは海外バンドだが一応低感度ながら機能していた。 次いでレコード・プレーヤの
動作を診たが最初ターンテーブルが回転せず裏面のスイッチを強制的にON とした結果動作し
出したが回転が遅かった。 今回では無く、以前ターンテーブル部にクラックが入った様だった。
実際に33と45回転で演奏してみたが回転が遅いだけで無く不安定だった。 外部入力にこち
らのデジタルプレーヤを繋いでみたが特に音量が少ないとは感じなかった。
その後内部を細かく診てみたところペーパー・コンデンサは既に交換されていた。 当時のまま
なら音量の低下、或いは歪みの発生、回路の発振等の問題が出ることが考えられるが交換さ
れているとなると諸々の問題の原因の究明は困難なものとなりそうだった。 この時期の欧州
製ラジオに多く使われる(ECH81に代表される)周波数変換用の真空管が無く不思議だったが
どうもFMのフロントエンドに使われているECC85の片方が局発として機能している様だった。
5月22日 優先順位を伺ったところレコード・プレーヤがトップだったのでこの部分に取り掛かった。
割れて仕舞っている部分を接着剤で接着した後、熱で溶かそうと考えたが溶けなかった。
レコード針の部分を診てみたがホコリは溜まっていたが特に問題は見られなかった。
外れていたバランス用のスプリングを本来の位置に止めた。
リムの外周をクリーニングし脂分を取り除いた。 組み込み動作を診てみたが良好だった。
ターンテーブルを支えているボールベアリングが無くなっていたので加えた。
キャビネットに組み込み再度テストを行い好結果を得た。 針を安全の為、中立にしておいた。
5月23日 FMの感度が低い問題に取り掛かった。
シャーシ内部を診たところ交換されて無いペーパー・コンデンサが在ったので先ず交換した。
低周波の入力回路に使われる大事な物だったが何故交換しなかったのか?
外観は可也綺麗だったがダイアル面は可也汚れていたので簡単に拭いておいた。
FMのフロントエンドに使われている真空管ECC85が怪しかったのでgmを診てみたが良好だった。
高周波増幅段のダストコアが割れており調整出来なかったがここに問題は無さそうだった。
余談だが、この頃のドイツのダスト・コアの強度は低く、十分注意しないと直ぐに割れる。
1段目のIFTの同調が可成りズレておりここの調整で感度は可成り増加した。 他のIFTも調整し
実用上問題無い感度となった(こちらで感度確認に使っている90.5MHzのTBSも良好だった)。
電源電圧のご希望を伺ったところ110Vとのことで設定をその様にした。