今日は大小5台をお預かりした、欲を言えばまとまってでは無く日をずらして少しずつ受け取りた
いところだが贅沢は云えない。
サテ、R-390は確か4台目となるが(R-390Aはもっと多い)、お話では電源は入るものの音声出力
が無いとのお話だった。 この種の受信機の修理、改造等に付きましてはこちらの ホームページ
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先ずは動作を確認してみた。 伺った状態とは異なり音声出力は有った、ただバンドに依って動作
するところとそうで無いところが有り8MHzバンドは機能したが6MHzバンドは辛うじて動作すると云
う程度だった。 念の為電源電圧を115Vに上げ10MHz以上の動作を診てみたが10-21MHzまで可
成り良好に機能していたが、連続運転をする内に感度が可成り低下して仕舞った。 全く音声出力
が無いと云うお話から単純な問題かと想像したが、実際の動作に診られる症状は簡単では無い。
他にSメーターは振れず、AGC-MGC の切換が為されてない様だった。 またAudio Responseスイ
ッチを切り替えると音声出力が出なくなる問題も診られた。 これは可成り難航しそうな気配がする。
安定化電源の出力が気になったので確認してみたが183Vと問題無い値だった。
5月25日 どうも動作の仕方から1st Loc. と 2nd Loc.に問題が在るのでは無いかと想像出来
たので各バンドでの周波数と出力レベルを診てみた。
結果上の画像に見られる様50mVp-p程しか無いバンド(9-10MHz)と、下の画像の様に3Vp-p
程の出力が有るバンドが診られた。 どうも1st Loc.の8MHz、2nd Loc.の10.5、11、12MHzに問
題が診られたのでこれらの水晶を交換してみたいところだ。 *周波数は概ね問題は無かった。
5月26日 水晶もだが先ずは基本的な真空管のgmを確認してみた。 結果1st RFの6AJ5が2/14
と全く使えないレベルだった。 2nd IFの6BJ6も37/48とMinimum Valueを可也下回っていた。
他にもSquelch-Local AF Amp.を担っている12AU7の片方が22/56と非常に劣化していた。
明日は水晶を交換する前に各共振回路を調整してみよう。 1st RFの6AJ5と1st Xtal Osc.の6AJ5
を交換した結果8MHzから上の殆どのバンドは可也良好に機能し始めたが、このままでは8MHz以
下が動作しないので6AJ5を入手する必要が有る。 (ヒーター電流が0.175Aな為6AG5等では置き
換えられない。 最も6AJ5、3本を直列に使ったヒーター回路に入っている35Ωを20Ωに変えれば
6AG5で代用出来るかも知れないが) AGCが余り効いて無い様で入力レベルが高いと音声が歪ん
だがLimitterを機能させるとこの問題は殆ど無くなった。 (*しかしこれは本来の動きでは無い)
5月27日 今日は友人のMさんにも手伝って貰い大いに作業は捗った。 先ずは1st Loc.の出力の
調整に取り組んだが予想外の問題が見付かった。 一昨日ここの周波数と出力レベルを診た際に
周波数のズレは各々2-3KHzだったが、バンド間で出力レベルに可也差が有り、ヒョットすると水晶
振動子その物に問題が有るのかも知れないと想像したが、幸いバンド毎の調整で略レベルを揃え
ることが出来た。 ただオシロで出力を確認している時にMさんがレベルの変動に気付いてくれ、直
流が重乗しており、そのレベルが変動していることが分かった。 カソードの抵抗2.2KΩで約20Vだ
ったので約9mAが流れていた。 ならばとチェック・ポイントE208、つまりグリッドの電位を診たところ
0.5MHzバンドでは約8V、1MHzバンドで約8-24V、2-3MHzバンドで約42V、4-7MHzバンドで約18V
と云う驚くべき電圧が診られた。 上の回路図からグリッドにはバンド(グループ)切り替えのロータ
リー・スイッチS209が在り、そこに繋がっている入力段とはACカップルで先の電圧が発生するのは
何とも解せない。 V203のソケット部分でプレートとグリッド間にリークが有るのだろうか? 一応
受信機能には問題が無かったので今回深追いはしないことにした。 しかし良好に機能している時
は良い(今日も夕方ラジオ・ニュージーランドを1時間近く聴いてみたが問題は診られなかったが)の
だが問題が起こると強力な入力の時にピークのクリッピングが起こり、どうもAGCに問題が在りそう
だが問題の究明には可也の時間を費やすことになるので今回はパスさせて頂いた。 他にSメータ
ー(Carrier Level)もメーターその物に問題が在ったので手を付けなかった。