海外から東大大学院に留学して2年目と伺った C さんからお預かりしたのは Philco, Briefcase 19
で海外のオークションで英国から購入したとのお話だった。 この種のテレビの修理、改造のご依
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最初電源電圧 100V で動作を診てみたが垂直振幅が不足していたのでその後 115V に変えた。
垂直同期が不完全だった。 また音声もコドラチュア検波が離調している様だった。
偶に垂直同期が取れている様な画像も撮影出来たが偶々撮れただけ。
サテこの機種のサービス・マニュアルは手に入るか?(型番が L3219 と読める記事が有った)
1時間程通電後の画像で垂直振幅が上に伸びた(垂直直線性が若干低下した)。
中に貼られていたラベルでは CRT は 17DRP4 と記されていたが実際の CRT は 19ABP4。(ラベル
は別の物のものと想われる)。IF 段も 4BZ6-4CB6-6HJ8 と一部異なっており、垂直偏向が 13DE7
に代わっていたがこれらは後から交換された物か? (モデル名 Briefcase 19 は 19"のハズ)
シャーシー No と想えるスタンプは 11J27? の様だった。 手持の Rider's 25 では 9H25、同26で
は10H25 しか近そうな物は無かった。 (11J27 は残念ながら手許には無い)。
何れにせよ部品の交換には内部を表に出す必要が有り分解に取り掛かった。
トランスレスの回路でシャーシは金属製なので内側のシャーシは外部とは絶縁されており構造が複雑。
先ずは垂直偏向回路のコンデンサを交換してみよう。 抵抗値が見えず偏向回路のホコリを落とした。
垂直偏向回路内で絶縁の劣化が想像出来るペーパーコンデンサを交換した。
組み込みに取り掛かろうとして配線が1本外れているのに気付いた。 多分コントラスト調整用
VR から外れた物と想像し巻き付けたが正解だった様で一安心。
しかし組み込みは想像以上に難航し、結局一度再度分解し2度目で好結果を得た。
垂直同期は略問題無く安定して取れる様になった。 音声の歪の問題も上手く直せた。
垂直振幅と直線性を調整した。 百点満点では無いが実用レベルとなった。
今回使った米国仕様のビデオ・コンバーターと昇圧トランス(もう少し容量の大きい物が望ましい)
さて使われる地域の電源電圧、周波数を確認しておく必要が有る。
4月2日 水平出力管辺りに接触不良が在る様だったので調べてみた。 どうも Sg (Pin4) の接触
に問題が在りそうだったのでソケット内部の金属部分を狭くした。 その後問題は出なかった。
4月3日 今日引き取りにいらしたが、電源電圧 100V でも問題無く使えそうだった。