昨日帰り際に受け取ったのは三洋の 14-H10 で、アチコチが断線しており部品の傷みも可成り激しかった。
この種のテレビの修理に付きましてはこちらのホームページ http://www2.odn.ne.jp/~cac55760/ からお問
い合わせ下さい。
再塗装がされており外観は綺麗だったが内部は可成りの惨状を呈していた。
ペーパー・コンデンサ、電解コンデンサは全て交換する必要が有りそうでフライバック・トランスにも一部
断線が診られた。 サテ、可成りの費用となりそうだがご依頼主にご予算を伺ってみよう。
4月16日 ゴーサイインを頂いたので先ずはペーパーコンとブロック型ケミコンの交換に取り掛かった。
4月17日 昨日に続きチューブラー型のケミコンを交換し、次いでセレンをシリコン・ダイオードに替えた。
高圧整流管のプレートに行くリードが外れていたので繋ぎ上からワックス状の物を溶かしシールしたがリー
ドが硬くなっており心配した通り折角繋いだ部分は外れて仕舞った。 代わりに近年の軟らかなリード線を使
い好結果を得た。
次に巻線抵抗やコイル類の導通を確認したところピーキング・コイルの一つが断線していたので修理した。
チューナーの接点を磨いておこうとカバーを外してビックリ、何と1-5,11の計6チャンネル分しか無かった。
ヒーター回路のチェックに移ったが回路は繋がっていなかった。 調べたところ珍しいことに垂直用の12BH7
が断線しており、他にも音声出力4MP12と映像増幅12BY7Aがソケットのところで接触不良を起こしていた。
それでも中々高圧が出ず、オシロで診たところ水平が約30KHzで発振していた。 ここを何とか直し高圧が出
たのが上の画像。 未だ垂直は出てなかったが、ヤット垂直も出始め(同期は取れてない)たのが下の画像。
垂直同期のツマミが外れていたのでシャーシーを取り出し(サテ今日は何度出入れしたか)ツマミを取り付け
組み込んだところヒーターが点灯しない。 ソケットのところで問題を起こしていた4MP12か12BY7Aの問題か
と動かしてみたが変化は無く再度シャーシ-を取り出し見付かったのは下の巻線抵抗7Ωの断線で、これは
ヒーター回路中でパイロット・ランプ用の電圧を作っているがここが切れた為にパイロット・ランプも断線した。
イヤハヤ納めてから問題が出るよりこちらに在る内に問題が出た方が良いには決まっているが、今日には終
らせることが出来るのではと想像していたが、想定した時間を可也超えて仕舞った。 今日は時間切れで明
日また取組んでみよう、間もなく午後10:40となる。
4月18日 断線した抵抗とパイロット・ランプを交換し通電したが、昨日水平同期は取れていたのが何故
か取れず、再度調整し同期は取れ暫く動作させたが水平、垂直両同期が取れなくなり同期分離と増幅を
行なっている12BH7Aを交換し、チャンネル毎の微調整を行ったのち連続運転に取り掛かった。
百点満点では無いが十分実用になるレベルとなった。
4月22日 先日納めた物の水平同期が取れないとのことで先日部品単位でチェックした際のことを見直し
てみた。 ペーパー・コンは全て交換したので診ておらず、またチタ・コンもこれまでに問題となったことが無
いのでチェックしなかった。 サテこちらの連続運転では問題は診られなかったが可成り難航しそうだ。
4月23日 実際に通電してみた。 垂直の直線性には問題が有ったが水平同期は取れていた。
垂直の直線性を調整し暫く連続運転してみたが問題は診られなかった。
AFCの掛かり方に問題が有りそうだったのでAFCの機能を殺し、グリッドの300pFも念の為交換して動作
(フリーラン)させてみた。 これらにも特に問題は感じられなかった。
水平のブロッキング・トランスが怪しかったので別の物に交換してみた。
別のブロッキンヅ・トランスを仮り付けし2時間程連続運転を行ったが問題は診られなかった。 明日
朝再度通電した際どう動くか診てみよう。 しかしこのトランスを実際に使うには回路の改造を要する。
4月24日 昨日午後3時頃に電源を切り、今朝9時半に通電したので18時間半程が経過しているが
水平同期に問題は全く診られなかった。
サテ、問題は元々の水平ブロッキング・トランスは上の画像中央に見えているが、ダスト・コアを固定してい
る3mmのネジを回転させ水平同期の調整を行なっているが、今回使ったトランスはその構造にはなってお
らずどうするか?
4月25日 昨日も午後3時頃まで連続運転を行った後に電源を切り、今朝9時半頃に通電したのが
上の画像。 水平同期にも問題は全く診られなかった。
水平のブロッキング・トランスを交換することも考えたが、そのままでは外からの水平同期調整が出来な
くなるので本来の回路で何とかならないかと再度試みた。 使われていた12BH7Aの gm が約 31-39/30
だったので手元に在った物の中で最も高かった約72-70/30 の物に交換し、グリッドのコンデンサは温度
係数ゼロの150pF(x2)に交換した。
5月5日 水平同期の調整幅を広げる方法として位相弁別管V111(12BH7A)の左側のプレート回路
を回路図下部に書き添えた様に改造してみると良さそうだった。 R601、R602を50KΩに替え、間に
100KΩのボリュームを挿入し、このボリュームで水平同期を調整する。