今日お預かりしたヒノデの2Chプロポーショナル用送信機は27MHz帯の物ですがこれを
40MHz帯に改造したいと云うご依頼でした。 この種のラジコン用送/受信機の修理、改
造に付きましてはこちらのホームページからお問い合わせ下さい。
改造に先立ち回路を調べて行って気付いたのはレベルメーターが単なる電圧計で電池の
電圧を計っているだけだった。 (テッキリ送信出力を示すメーターかと想っていた)
5月16日 昨日水晶を手に入れたので周波数の変更に取り掛かった。 改造前の27
MHzでの出力は(電源電圧9.6V、60Ω終端)約6Vp-p=約0.07W(下の画像)でした。
周波数を40MHzに変え、調整を済ませた結果は約12Vp-pと大幅に増加し約0.3Wとなった。
しかし今回水晶の購入に当ってインターネットで数ヶ所を探し金額を聞いてみたが最初の大阪
の店からは代引き料金525.、送料は通常料金との何とも用を為さない回答が寄せられた。
通常料金とは幾等なのか再び聞いたところ、何と1,050.との回答を得た。 今回の物は10g程
の物で郵便でもメール便でも80.で送れるし、同じ金額で宅急便なら80cmサイズ 5Kgまで送
れる。 事務処理を簡素化する為なのかも知れないが余りにも高く当然ながらこの店は避けた。
そんなこんなで当初想定した金額は超えて仕舞ったが買って帰れる秋葉原の店で購入した。
充電器用のジャックを取り付け最終的な試験を行ったが送信出力に変調が掛かって無い
ことが分かった。 下の画像は変調出力2SC735のベースの信号波形だがコレクタはグラ
ンド電位のままでこのトランジスタのE-C間が短絡している様だった。
交換後コレクタの波形(出力)も正常となった。 下は交換した2SC735。
5月17日 昨日途中まで梱包し終えていたがどうも先日のシンクロの画像が気になった。 確
かに元の27MHzと比べれば周波数は高くはなっていたが変化量が少ない気がしたのでもう一
度開き周波数計で測定した。 何と約30MHzで、40MHzでは無い! 発振回路の定数をアレコ
レ20通り程変えたりして4時間程格闘したが埒があかず使っているトランジスタのfTの問題かも
知れないと下のバラックを組み調べてみたが変らなかった。 念の為受信用(多分-455KHz)の
40.355MHzの水晶に替えてみたところこちらはスンナリ発振してくれた。 夕方近くに(本来最初
にお願いするつもりでいた)水晶屋さんに電話をしてこの疑問は一瞬にして氷解した。 つまり今
回使用したFM用の水晶はデビエーションを稼ぐ為、原発を10MHz台としており、それを4逓倍して
いるのでありました。 これでは3倍オーバートーンの30MHzは得られても40MHzは出て来ない
のであります! 1960年代中頃の知識のままではこの様な凡ミスを犯してしまうのでありました
最近のラジコンのことをご存知の方には笑われて仕舞う結果でした。(穴を掘らねばなりませぬ)
5月20日 40.810.MHz(3rd over tone)の水晶を水晶屋さんに注文した後、ラジコンメーカー
大手にも在庫が在ることが分かりもう少し早く分ければ1月待たなくとも良かったのにと悔しが
っておりました。 閑話休題 後から送って頂いた受信機の改造に取り掛かった。
上の画像の左のコイルをアンテナコイルと局発用のコイルかと想っていたが、実際は2個共
アンテナコイルで複同調となっており局発は非同調となっていた。 コイルを各3t解き、30pF
を18pFに替えた。 一つ気になったのは最初のコイルで1mのリード線がアンテナとなってい
るがこのアンテナの浮遊容量も共振周波数に関係してくるのでアンテナ用の巻き線を1-2t
加えた方が良さそうだった。
5月24日 先日発注した水晶屋さんから受注の確認の書き物と一緒に多くのメモを
受け取った。 先日電話でこちらのブログのことをお話しておいたところ早速ご覧頂
いたそうで何でも気付いたら4時間半が経過していたとのことで大OMから過分なお
言葉を頂いて仕舞った(左程大したことをしている訳ではございません!)。 それと
このところの外形の呼称が誤っておりHC-50Uはソケット挿入タイプとのことで、正し
くはHC-49U(リード線半田付けタイプ)でした。 失礼致しました。
6月15日 頼んでおいた水晶が届き早速送信機の調整を行った。
良好に動作してくれたが60Ω終端では8Vp-pだったがもう少し出力が出ても良いのでは
無いかと感じた(最も最初の27MHzの時は6Vp-pだったことからするとこれ位が妥当かも)
6月16日 受信機の検波出力を確認したのが下の画像。 アンテナがこれまで複同調
回路の初段のホット側に繋がれていたがこれではストレイ・キャパシタの影響をもろに
受けて仕舞うので3/4ターン程のコイルを加えた。