今日福島の方からお預かりしたのは Philco の Predicta H3408, Debutante でこちらも久し振
りに通電したところ全く動作しなかったと云うお話でした。 この種のテレビの修理に付きま
してはこちらの HP https://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ からお問い合わせ下さい。
動作を確認すべく内部を先ず診てみた。下の画像に診られる様、水平出力管 6DQ6
が割れているのか空気が入って仕舞った様で頭頂部のゲッターが白濁していた。
6DQ6 交換後高圧が出始め、部屋を暗くしたところ垂直、水平共に振幅は小さいがラスター
が出た。ただ音声出力も無く、内部から油が焦げる様な臭いもしていた。何より回路はオリ
ジナルのままの様なので永く使うにはコンデンサ類の交換が先決だが何処までやるかご依頼
主からの電話をお待ちしよう。 (電源スイッチ部分は米国で手が加えられていた)
11月1日 ゴーサインを頂いたのでコンデンサの交換に取り掛かった。
半世紀を経ており当然と云えば当然だが埃が積もっており部品の値も読めない。
先ずは掃除に取り掛かり、一部交換したところで今日は時間切れとなった。
11月2日 昨日に引き続きコンデンサの交換を行を行い交換を終えた。
使われている真空管は一部を除きオリジナルのままだったので先ずは
チューブ・チェッカーで調べてみよう。
チューナーのファイン・チューニング機構を構成しているプラスチック部品が割れ
ていた。 これでは当然ファイン・チューニングは機能しないので何とかせねば。
キャビネット内部の埃も可也酷かったのでシャーシーを取り出し掃除を行った。
11月3日 個々の真空管のチェックを始めた。 数本交換した方が良さそうな物が有った。
ファイン・チューニング用のプラスチック部品を修復したがもう少し破片が残って
いてくれれば簡単なのだが。 何か工夫する必要がある。
ツマミのクリーニングを行い、次いで電源スイッチ部分を診てみようかと汚れを取った。
11月4日 ファイン・チューニング機構の問題は何とか上手く直せた。
切れていたパイロットランプを交換し、昨日一度諦めた電源スイッチ部分の修理に再度挑
戦してみたが残念ながら好結果は得られなかった。どうも左から二つ目の風車の様な金具
の先端部分が無くなっていることと、その右の金具との結合が完全で無い事が原因かも?
各部分の修理が終わったのでシャーシーを組み込み通電した。ラスターが出始めヨシヨシと
構えていたが、何処からか煙が出始め慌てて電源を切った。 何処から煙が出たのか確認す
る為再度シャーシーを表に出し隅から隅まで見てみたが発熱の形跡は診られなかった。
何とも不思議なので再度通電したところ、どうも高圧のケージ内から漏れ出ている様だった。
直ぐにこの煙は止まったが、上下の画像に見られる様左端に若干の折り返しと、垂直成分が
混入した様な画像となっていた。 長年テレビと付き合って来たが今回の様な症状は初めて
の経験となった。 煙が出たと想われるフライバック・トランスを交換してみたいが予備は持
っておらずどうするか! しかし何とも不思議な症状で理解出来ない。