ブログのお友達で奈良県にお住いのmirapapaさんが、ブログの中で
「チシャとたけのこの味噌和え」というお料理を紹介されていました。
こちらです。
ここで、問題にぶつかります。
私は「チシャ」と言ったら、レタスの和名であり、
レタスの総称だとずっと思っていました。
例えば、おなじみの玉レタス。
これは、「玉チシャ」とも言われます。
しかし、mirapapaさんのブログを拝見しても、どれがレタスなのかわからなかった…。
そこで、「チシャ」で検索してみると、
サニーレタスのことを方言で「チシャ」と呼ぶ地域があることが判明。
でも、どう見てもサニーレタスらしきものの姿はありません。
思い切って、mirapapaさんにお尋ねしてみると、
「サニーレタスとは別物で、もっとアクが強く、えぐみもあります。
ずっと田舎で食べられてきた野菜だと思います。
食べられるようにするまでにも手間がかかるし、
スーパーで売っているのを見たことがありません。」
と、教えてくださり、
こちらの記事にそのチシャのお写真まで載せてくださいました。
【畑のチシャ mirapapaさんのブログより画像お借りしました】
こうなると、ますます「チシャ」が気になります。
mirapapaさんのお言葉から推測すると、ひょっとして奈良県の在来野菜では!?
そう思って調べてみると、「大和の伝統野菜」や「大和のこだわり野菜」のように、
奈良県が認定したものではありませんが、
「大和在来野菜」の中に「チシャ」の名前を発見!!
下から葉を掻き取って食べるレタスの一種と書かれています。
【大和在来野菜チシャ 画像お借りしました】【直売所で売られているチシャ 画像お借りしました】
こうなったら、レタスが日本に伝来したあたりから調べ直さなくては!!
で、レタスの来歴を読み返してみたのですよ。
●レタスの生まれ故郷は
レタスの野生種は、地中海沿岸から西アジアに広く分布しています。
そして、エジプトでは紀元前4500年頃から用いられ、
古代ギリシャやローマでも健康と安眠をもたらす野菜として
紀元前から食べられていましたが、
当時のレタスは結球していないタイプのものでした。
●中国へ伝来
7世紀頃に中国に伝来し、茎チシャが生まれます。
【茎チシャの画像お借りしました】
●日本への伝来
日本には中国から奈良時代に「チシャ」として伝わりました。
平安時代に編纂された日本最古の薬物図鑑「本草和名」に
「白苣・知佐(両方ともチサと読みます)」と記載されていることからも
それは明らかです。
しかし、当時のチシャは、結球しておらず、
下の方から掻き取りながら食べる「掻きチシャ」というものでした。
↑
奈良時代に伝わった「掻きチシャ」!!
これは、まさに今、奈良県で食べられている「チシャ」と同じ形状ではありませんか!!
日本に伝わった当時と、今、奈良県で食べられている「チシャ」が
全く同じものかどうかはわかりません。
(長い年月の間に、少しずつ変化があったかもしれません。)
でも、mirapapaさんのブログを通じて知った大和在来野菜「チシャ」が、
こんなに歴史のあるものだったとは!!
そして、中国から伝わった「掻きチシャ」は、
日本では茹でてごま和えや酢味噌和えで、早春の野菜の少ない時期に食べていました。
また、大和では「チシャとたけのこはあいくち(相性が良い)」と言って、
郷土料理に「チシャとたけのこのおあえ(ごま味噌和え)」「チシャとたけのこの木の芽和え」
をはじめ、「チシャのはりはり」「チシャ寿司」などがあり、
古くから親しまれてきた野菜である・・・との記述も。
たけのことの組み合わせは、まさにmirapapaさんが紹介されていたお料理です。
私は、このチシャを食べたこともなく、実物も見たことはありませんが、
こうやって調べることで、ものすごく身近に感じられました。
生産者様も少なく、食べるまでに時間も手間もかかる大和在来野菜「チシャ」。
どうか、食べ繋ぐことで守っていってください。
素晴らしい野菜のことを知ることができました。
ありがとうございました。
毎年作って食べておきながら、全く知りませんでした😅
ありがとうございます♪😊
勉強になりました!
そうそう、チシャとタケノコのお和えには、木の芽をたっぷり入れますねぇ。
叔母が「煮物で食べる」とも言ってました。
なんだか、一つの歴史を背負って食べている気がしてきました「笑)
毎年、苗をくださる隣の畑のおじさんにも、お礼を言いたくなってきました😆
奈良県の貴重な在来野菜「チシャ」について学ぶことができました。
本当に感謝、感謝です。
畑の野菜が少なくなる今の時期、たけのこのような山菜と
チシャを組み合わせて食べることは先人たちから受け継いだ知恵ですよね。
ぜひ、これからも「チシャ」を守り続けてください。(^-^)
ありがとうございました。
イメージは巻かないレタス😆
ちょっとえぐみ(苦味⁉︎)があって、生食ではなく、さっと茹でて酢味噌和えにして食べてた覚えが・・
レタスミックスに入ってた“サラダ菜”みたいな感じだったような・・
今は、サンチュもサニーレタスもサラダ菜も、生で梅味噌かけて食べてるよ😋
ぷ~ちゃんが子供の頃に食べていたものは、まさに在来野菜の「チシャ」だよね。
山口にも同じような野菜があるので、関西・中国地方に広がっていったのかなぁ。
一度、酢味噌和え食べてみたいです。(^-^)
だいぶ前の投稿へのコメントで大変恐縮ですが、以前そちらのブログで「チシャ」について書かれていたのを拝見し、ずっと心に残っておりました。現在も栽培を続けていらっしゃるでしょうか?
私は日本古来の「掻きチシャ」を探し続けており、以前は野口種苗さんで「白チシャ」が販売されていたものの、現在は絶版となって入手できなくなりました。
近年では、チマサンチュやサニーレタスなど近代品種との混同が進み、かつて全国にあった在来の掻きチシャが姿を消しつつあると聞いております。このままでは古いチシャが絶滅してしまうのではないかという危機感から、不安でいても立ってもいられない思いです。
そのような中、こちらのブログで拝見したチシャの姿が、私の思い描く姿にとても近く、深く感動いたしました。
ご無理を申し上げて恐縮ですが、もし現在も栽培されていて、ほんの少しでも種を分けていただけるようでしたら、ご検討いただけますと大変ありがたく存じます。
突然のお願いとなり申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
>はじめまして。福島県で在来の野菜を育てながら、自家採種による種の保存と継承を生き... への返信
渡辺さま、私はmirapapaさんという奈良県にお住まいの方のブログを通じて、
この「チシャ」という奈良県の在来野菜のことを知りました。
来歴がどうしても知りたくなり、色々調べたものを記事にしました。
私自身、在来野菜に興味はあり、イベントにも参加してきましたが、
自分で栽培しているわけではありません。
mirapapaさんに、お問合せしてみたところ、
mirapapaさんもご近所から種をいただき、育てているので、
ご自身で種をお持ちではないとのことです。
JA奈良県にお問合せしてみたら…とアドバイスをいただきました。
どうぞよろしくお願いいたします。
mirapapaさんの記事で、畑のチシャの様子がわかるものはこちらになります。
https://blog.goo.ne.jp/mirapapa/e/f9d33e754aad5b5f28c45c07c35ff2d9