解体した潮かつおの頭でだしを取ってみました。
普通、生の魚の骨でだしを取る時は、
炙って臭みをとってから行います。
でも、これは塩漬けして干した魚だから…と思って、
そのまま弱火でことこと煮出していたら、
家じゅうがとんでもないにおいに!!(@_@。
魚臭いとか海臭いなんてモンじゃないのですよ。
子供の頃、三保の海水浴場に行くために乗った舟の甲板のにおいがします。
海のにおいと舟の油のにおいが混じったあのにおい。
実は、11月に潮かつおづくり体験で西伊豆に行った時、
お昼に地元の食堂で潮かつおうどんをいただきました。
この時、私は潮かつおをおいしいものだとは思えませんでした。
「油のにおいがする・・・。
何の油のにおいなんだろう?
どこかの工場の機械の油?」
そう思ったのです。
ここまでひどい感想を持ったのは私くらいで、
皆さんは「おいしい!」と感動されていましたから、
なぜ私だけが「油のにおい」を感じるのだろうと不思議に思っていました。
この時感じた油のにおいが、
潮かつおの頭でだしをとった時に再び・・・。(>_<)
小さな舟の油と海のにおいが混じった甲板のにおいです。
「とんでもないだしをとってしまった!!」と後悔。
しかし、野菜、お豆腐、豚肉と一緒に、みぞれ鍋のだしに使ってみたら、
奇跡が起きました!!
あの臭みは一気に消え、芳醇なだしの味に変わりました!!
まるで大量のかつお節を投入した贅沢なだしのようです。
だし素材も保存食です。
1.塩漬けにして、干しただけの潮かつお
2.煮て干しただけの煮干し
3.煮て、焙乾したかつおの荒節
4.煮て、焙乾し、カビ付けをして、天日干しを繰り返したかつおの枯節
番号が若いものほど、生の魚に近い状態になります。
それだけ、力強く、魚臭さもあります。
それが、番号が増えるごとに、保存性は高まり、
魚臭さは消え、上品な味になっていきます。
今回の「潮かつおの頭のだし」を通じて、
魚の保存法に手間が加えられていく過程で、
だしの味が徐々に洗練されていったことを改めて実感しました。
潮かつおが「だしの原形」「かつお節の原形」と言われる理由が
やっとわかりました。
野菜、肉、魚、色々な食材と合わせることで、潮かつおは輝きます。
これからも、色々な食べ方を工夫していこうと思います。
※本日のブログは、誤解されることを恐れずに
失礼なことも書かせていただきました。m(__)m
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます