”農”と言える!?

元・食推おばさんのソムリエ日記

だしの原形、かつお節の原形

2020-01-07 15:05:37 | だし

解体した潮かつおの頭でだしを取ってみました。

  

  

普通、生の魚の骨でだしを取る時は、

炙って臭みをとってから行います。

でも、これは塩漬けして干した魚だから…と思って、

そのまま弱火でことこと煮出していたら、

家じゅうがとんでもないにおいに!!(@_@。

  

魚臭いとか海臭いなんてモンじゃないのですよ。

子供の頃、三保の海水浴場に行くために乗った舟の甲板のにおいがします。

海のにおいと舟の油のにおいが混じったあのにおい。

 

   

実は、11月に潮かつおづくり体験で西伊豆に行った時、

お昼に地元の食堂で潮かつおうどんをいただきました。

  

 

この時、私は潮かつおをおいしいものだとは思えませんでした。

「油のにおいがする・・・。

 何の油のにおいなんだろう?

 どこかの工場の機械の油?」

そう思ったのです。

  

ここまでひどい感想を持ったのは私くらいで、

皆さんは「おいしい!」と感動されていましたから、

なぜ私だけが「油のにおい」を感じるのだろうと不思議に思っていました。

   

この時感じた油のにおいが、

潮かつおの頭でだしをとった時に再び・・・。(>_<)

小さな舟の油と海のにおいが混じった甲板のにおいです。

 

  

「とんでもないだしをとってしまった!!」と後悔。

しかし、野菜、お豆腐、豚肉と一緒に、みぞれ鍋のだしに使ってみたら、

奇跡が起きました!!

  

 

あの臭みは一気に消え、芳醇なだしの味に変わりました!!

まるで大量のかつお節を投入した贅沢なだしのようです。

    

 

だし素材も保存食です。

1.塩漬けにして、干しただけの潮かつお

2.煮て干しただけの煮干し

3.煮て、焙乾したかつおの荒節

4.煮て、焙乾し、カビ付けをして、天日干しを繰り返したかつおの枯節

 

番号が若いものほど、生の魚に近い状態になります。

それだけ、力強く、魚臭さもあります。

それが、番号が増えるごとに、保存性は高まり、

魚臭さは消え、上品な味になっていきます。

   

今回の「潮かつおの頭のだし」を通じて、

魚の保存法に手間が加えられていく過程で、

だしの味が徐々に洗練されていったことを改めて実感しました。

  

潮かつおが「だしの原形」「かつお節の原形」と言われる理由が

やっとわかりました。

野菜、肉、魚、色々な食材と合わせることで、潮かつおは輝きます。

これからも、色々な食べ方を工夫していこうと思います。

 

※本日のブログは、誤解されることを恐れずに

 失礼なことも書かせていただきました。m(__)m

 


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