”農”と言える!?

元・食推おばさんのソムリエ日記

女工さんを支えた大根

2015-12-16 09:46:43 | 在来種 伝統野菜

先日、江戸東京野菜の東光寺大根について

記事を書かせていただきました。

  

実は、この東光寺大根と同じ南多摩地区に

もうひとつ、江戸東京野菜に認定された大根があります。

八王子市高倉町で栽培されている高倉大根です。

  

  

  

東光寺大根と比較してみましょう。

 

  【上が東光寺大根 下が高倉大根】

  

どちらも長さは60cmほど。

そして、首はきゅっとしまっています。

高倉大根の方が、ちょっとずんぐりしているかしら?

スマートな三浦大根という印象を受けました。(^^)

  

高倉大根は、大正10年頃、篤農家の原善助氏が

「みの早生(と思われる)」を「練馬尻細」の間に

一作おきに混作し、自然交配でできたものを

選抜したと言われています。

正式に品種登録されたのは昭和22年ですが、

その歴史は古いですね。

 

  

高倉大根も東光寺大根同様に、

たくあん漬けなど漬物に向く品種と言われています。

  

今回も、丸ごと1本干したものを送っていただいたので、

 

  

ビール漬けにしてみました。

 

  

 

  

 

それにしても東光寺大根も高倉大根も漬物用品種。

元となった練馬大根が漬物に向く品種だったとはいえ、

どうして、さほど距離の離れていない地域で、

そんなに栽培されてきたのでしょうか?

  

それは、この地がかつて繊維工業で栄えたことに関係しています。

織物工場で働く女工さんの食事に

たくあんが必要とされていたのです。

  

繊維工業を地面の中からしっかりと支えていた

東光寺大根と高倉大根。

もしその時代に、「サラメシ」が放送されていたら、

女工さんが元気よくたくあんをかじる音が

テレビから流れてきたことでしょうね。(*^_^*)

 

コメント
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