先日、江戸東京野菜の東光寺大根について
記事を書かせていただきました。
実は、この東光寺大根と同じ南多摩地区に
もうひとつ、江戸東京野菜に認定された大根があります。
八王子市高倉町で栽培されている高倉大根です。
東光寺大根と比較してみましょう。
【上が東光寺大根 下が高倉大根】
どちらも長さは60cmほど。
そして、首はきゅっとしまっています。
高倉大根の方が、ちょっとずんぐりしているかしら?
スマートな三浦大根という印象を受けました。(^^)
高倉大根は、大正10年頃、篤農家の原善助氏が
「みの早生(と思われる)」を「練馬尻細」の間に
一作おきに混作し、自然交配でできたものを
選抜したと言われています。
正式に品種登録されたのは昭和22年ですが、
その歴史は古いですね。
高倉大根も東光寺大根同様に、
たくあん漬けなど漬物に向く品種と言われています。
今回も、丸ごと1本干したものを送っていただいたので、
ビール漬けにしてみました。
それにしても東光寺大根も高倉大根も漬物用品種。
元となった練馬大根が漬物に向く品種だったとはいえ、
どうして、さほど距離の離れていない地域で、
そんなに栽培されてきたのでしょうか?
それは、この地がかつて繊維工業で栄えたことに関係しています。
織物工場で働く女工さんの食事に
たくあんが必要とされていたのです。
繊維工業を地面の中からしっかりと支えていた
東光寺大根と高倉大根。
もしその時代に、「サラメシ」が放送されていたら、
女工さんが元気よくたくあんをかじる音が
テレビから流れてきたことでしょうね。(*^_^*)