だしについて勉強していると、
切っても切り離せないものとして
「うま味」という言葉が出てきます。
「うま味」を発見したのは、日本人の研究者たち。
1908年、池田菊苗氏が昆布だしのおいしさの正体が
グルタミン酸であることを発見したのをきっかけに、
かつお節、乾しいたけのうま味成分も発見されていきます。
そして、今では国際的にも学術用語として
「UMAMI」が使われるようになっています。
ここで、いつもこんな疑問にぶつかります。
・西洋料理や中国料理でも、野菜や肉を煮込んで
「だしをとる」という作業はしているのに、
どうして「うま味」に相当する言葉がなかったのだろう?
・なぜ、日本人が「うま味」を発見できたのだろうか?
これは、あくまでも想像の域を超えていませんが、
食文化の違いではないかと考えます。
日本は長い間、淡白な味のお米を主食として、
それに合わせる副菜も、うま味成分が少ない植物性のもの・・・
という食生活を続けてきました。
そこで、古来から昆布や干した魚、きのこなどからだしをとって、
「うま味」を加え、おいしく食べる工夫をしてきました。
一方、肉や乳製品を多く摂り、
さらに保存性を高めるためにスモークしてハムにしたり、
発酵させてチーズにするなどの工夫をしてきた国では、
普段からうま味成分がたっぷり含まれた食材を口にしてきました。
「うま味」がすでに含まれているものを食べてきた国々と、
「うま味」を加える工夫をしてきた日本。
その差が、「うま味」という言葉につながり、
「うま味」の発見につながったのではないかと
昨夜、生ハムやチーズを食べながら考えたのでありました。 (*^_^*)