遠州地方で、郷土料理についての討論会を行うと、
一番盛り上がる話題が「芋汁」です。
自然薯のとろろ汁のことですね。
遠州地方では、さばだしで味噌味・・・というのが一般的。
ところが、この「さばだし」の部分も
各家庭により、こだわりがあります。
さばの削り節でだしを取る家庭、
生魚のさばを煮て、その身もとろろ汁に加える家庭、
缶詰のさば缶を使う家庭・・・などなど。 (*^_^*)
私は、静岡市の生まれなので、
とろろ汁は、かつおだしで醤油味というのが慣れ親しんだ味。
今でも、このやり方で作っています。
外食でとろろ汁をいただく場合は、
●さばだしで味噌味
●椎茸だしで醤油味
のどちらかを選べるお店があるので、
いつも椎茸だしの方を選んでいました。
先日、静岡市の友人が遊びに来てくれた時も、
このお店に伺ったのですが
「たまには、さばだしで食べてみよう。」ということになりました。
ご飯にかけていただくと
決して上品な味とかすっきりした味ではないのですが、
力強さとコクを感じます。
遠州地方の方が、
「芋汁は、家族全員で作れる唯一の料理なんだよ。
秋の大切な行事のひとつ。」
と言っていたのを思い出しました。
おじいちゃんが自然薯を掘ってくる。
おばあちゃんとおかあさんは、だしを準備し、
掘ってきた自然薯を丁寧に洗う。
おとうさんが、すりおろす。
子供たちは、すり鉢を押さえる係り。
というように役割分担が決まっているらしい・・・。(*^_^*)
さばだし、味噌味のとろろ汁からは、
そんな家族の温かさと賑やかな笑い声が伝わってきました。