今の時期、出荷されているレタスは包装されているのに、
夏のレタスはそのままの状態で店頭に並びます。
「そういえば『長野産レタス』というパッケージを見たことがない!」
そのことに気づいた私は、いつもの悪い癖で
どうしてもその理由を探りたくなりました。
そこで、まず森町産のレタスが消費地に届くまで
どのくらい時間がかかるのか調べてみました。
【1日目】
朝8時半 レタスの収穫が始まります。
午前中いっぱい収穫作業は続き、
トラックの荷台に積み込まれたレタスは、
自宅の作業場に運ばれていきます。
午後1時 調整と包装作業が始まります。
外葉を落として、茎の根元を切り、
そこから出てくる白い液を拭き取るのが調整作業。
それを「レタパック」という機械を使って包装していきます。
包装されたレタスが箱詰めされていきます。
2Lサイズのものは1箱に15玉入り、およそ8kgになります。
夕方6時頃 箱詰めされたレタスをJAの集出荷場に運びます。
真空予冷機で1晩寝かせ、余分な水分を飛ばします。
【2日目】
午後、JAの集出荷場から、東京、横浜、浜松に出荷
【3日目】
市場に到着。
【4日目】
消費地に届きます。
こうしてみると、冬レタスが消費者に届くのは
最短でも収穫から3日後・・・ということになります。
レタスは、野菜の中でも特に新鮮さを強く求められます。
しかし、デリケートな葉物野菜ですから
流通途上で葉先がしなびたり、褐変化するなど
外観的に品質低下を起こしやすいという短所も・・・。
消費者のもとに届くまでにかかる時間を考えると、
鮮度を守るための包装は必要になります。
では、夏レタスの一大産地である長野県のレタスは
どうして包装されていないのでしょうか。
それは次の理由によるものでした。
・収穫する時間が夜中の2時~3時で、朝には出荷されので
消費者のもとに届くのに時間がかからない。
・生産量が膨大なので、包装コストと手間がかかってしまう。
・夏場に包装したら、中で蒸れてしまって鮮度が落ちる。
レタスの包装をきっかけに多くのことを学ぶことができました。
そして今まで、ただシャカシャカと音を立てて、
レタスを取り出していただけの自分を反省しました。
取材に協力して下さった、
・森町のレタス生産者様
・JA遠州中央 森町集出荷場の皆様
・長野県川上村役場様
レタス生産者様を紹介して下さったヤスジさん、
ありがとうございました。