おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み

〔特定〕行政書士/知的財産管理技能士/国家試験塾講師等が生業の巷の一介の素浪人の日常

コマッタチャン

2021-05-18 | ◆ マンション管理業務  《 全般 》

 

 

私的なことで恐縮ですが

子達が幼い頃 ナンダカンダと?忙しくしていたので 一緒に遊んでやれることが少なすぎた

今も 幼い子の何とも可愛い仕草など眺めるたび その頃のことを思い出してしまう

 

 

遠い昔 北の地で

ママと子達とのオシャベリによく登場していたのは

おんぶおばけ

にこちゃん

こまったちゃん

などの言葉     “ ニコ ニコ ニコチャン・・・ ” とのお唄まで耳に残っている

 

こまったちゃん という言葉の音色からは 可愛さの雰囲気さえ覚えたりするが・・・

マンション共同生活でのコマッタチャンは 少々どころか ヤッカイな存在にもなってしまう

こともあり・・・

 

 

マンション専有部の賃貸しも増えていて サマザマナ 個性・意識層区分所有者と賃借人占有者

間とのコミュニケーションのあり方も 管理運営のために よりタイセツに扱うべき問題 と 

なっていると考えられます

 

最近の相談に

『 賃借人に対する使用禁止という手段も あり得ますか ?』というのがありました

この言葉だけでは ナントモ 情況は見えないので アレコレ 質問をさせていただいたのです

結論から言うと

《専有部占有者に対しての対応ですが 賃借権という権利を持つ者に賃料の支払債務はそのまま

に借りているものを使わせない というわけにはいかないので 区分所有者に対して認められて

いる58条のような使用禁止請求は認められていない

が 57条4項 とともに 60条で <引渡し請求> という対応も認められている》

ということあたりが 保持しておくべき 主な 知識です


 

 

ということですが 

本日の マンション管理士過去問題は 上記にも関連するところのある

2019年度 (平成元年度) 問8

 

〔問 8〕 甲マンションの管理組合Aの組合員Bは、101号室の区分所有権の購入に際して、

C銀行から融資を受けてCのために抵当権を設定し登記を行い、また、現在は同室をDに賃貸

して賃料収入を得ている。

Bは極めて長期間管理費等を滞納し ており、滞納額も多額となっ
たため、Aが再三にわたり

督促をしているが、Bは一切無視し続けている。

この場合における次の記述のうち、区分所有法、民法、不動 産登記法(平成16年法律第123号)

及び民事執行法(昭和54年法律第4号)の規定によれば、正しいものは何個あるか。

 

ア B及びDは、101号室について、Cの承諾を得なくても賃借権の登記をする ことができる。

 

イ Bの管理費等の滞納が原因で、建物の修繕に重大な支障が生じるような状況に至っている場

合は、Bの滞納は、建物の管理に関し区分所有者の共同の利益に反する行為に該当する。

 

ウ Bの区分所有権及び敷地利用権の最低売却価額で滞納管理費等を回収できる見込みがない場

合でも、Aは区分所有法第59条の規定による競売を請求する ことができる。

 

エ Cが抵当権の実行として101号室を競売し、Eが当該競売における手続きを経て買受人となっ

た場合には、Aは、Eに対して、滞納管理費等を請求することはできない。

 

1 一個    2 二個    3 三個   4 四個

 

誤りは エ 他は正しいので   答え 3

 

 

 

ア について

  抵当権は 目的物の占有を設定者から抵当権者に移転する必要は無いし 設定者は目的物
  の使用をソノママ継続できるし 収益や処分もできる
  抵当権は いざというときの優先弁済権を確保する権利で 抵当権者はふだんは目的物の
  管理を負担しない
  賃借権の登記は 抵当権者の承諾を得なくとも許される(既に登記の抵当権に その賃借
  権は対抗関係では勝てないのであるけれど) 

 

イ について

  専有部分を不当に利用する とか 共用部分を不当に利用・毀損するとかの行為とは
  性質が異なることである との理解もされ得る が
  設問にあるような共同利益違反レベルの状況なら 滞納 も<区分所有者の共同の利
  益に反する行為>に該当するとされます   (判例 大阪高判平成14・5・16)


(区分所有者の権利義務等)

第六条 区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者
の共同の利益に反する行為をしてはならない。

 第一項の規定は、区分所有者以外の専有部分の占有者(以下「占有者」という。)に準用
する。


 

 

ウ について

  59条の競売は 共同生活の維持を図ることが目的の仕組みなのであって 配当を目的と
  するものではないので 設問にあるような回収の見込みに関する無剰余取消し
  <民事執行法188・63>は 適用されない
  ( ただし 建物の最低売却価格で手続費用を弁済することすらできない場合は<民執63>
    に反するとされています              東京高決平成16・5・20 )

  以前にも記しましたが 競売訴訟の口頭弁論終結後に 共同利益侵害行為者からその専有部
  を譲り受けた者に対しては 競売オーケーの確定判決がだされたとしても競売申立てはでき
  ない(最決平成23・10・11)とされていて このことは区分所有法59条4項のこと
  からしても オカシイ という批判もあります(違反者の関係者に渡ってしまうこととも
  なってしまう)

 

 

エ について

  強制執行や担保権の実行による売却を原因として 区分所有権を承継取得する者も 8条でいう
  特定承継人に含まれますので
  管理組合は 特定承継しているEに対して 滞納金を請求できます


  (特定承継人の責任)

第八条 前条第一項に規定する債権は、債務者たる区分所有者の特定承継人に対して行うことが
    できる。


 

 

 

【参 考】

(共同の利益に反する行為の停止等の請求)

第五十七条 

区分所有者が第六条第一項に規定する行為をした場合又はその行為をするおそれがある場合には、
他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、区分所有者の共同の利益のため、その行為を停止し、
その行為の結果を除去し、又はその行為を予防するため必要な措置を執ることを請求することが
できる。

 前項の規定に基づき訴訟を提起するには、集会の決議によらなければならない。

 管理者又は集会において指定された区分所有者は、集会の決議により、第一項の他の区分所
有者の全員のために、前項に規定する訴訟を提起することができる。

 前三項の規定は、占有者が第六条第三項において準用する同条第一項に規定する行為をした
場合及びその行為をするおそれがある場合に準用する。

 

 

(使用禁止の請求)

第五十八条 前条第一項に規定する場合において、第六条第一項に規定する行為による区分所有
者の共同生活上の障害が著しく、前条第一項に規定する請求によつてはその障害を除去して共用
部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるときは、他の区
分所有者の全員又は管理組合法人は、集会の決議に基づき、訴えをもつて、相当の期間の当該行
為に係る区分所有者による専有部分の使用の禁止を請求することができる。

 前項の決議は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数でする。

 第一項の決議をするには、あらかじめ、当該区分所有者に対し、弁明する機会を与えなけれ
ばならない。

 前条第三項の規定は、第一項の訴えの提起に準用する。

 

 

(区分所有権の競売の請求)

第五十九条 第五十七条第一項に規定する場合において、第六条第一項に規定する行為による
区分所有者の共同生活上の障害が著しく、他の方法によつてはその障害を除去して共用部分の
利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるときは、他の区分所
有者の全員又は管理組合法人は、集会の決議に基づき、訴えをもつて、当該行為に係る区分所
有者の区分所有権及び敷地利用権の競売を請求することができる。
 
4 前項の競売においては、競売を申し立てられた区分所有者又はその者の計算において買い
受けようとする者は、買受けの申出をすることができない。

 

(占有者に対する引渡し請求)

第六十条 第五十七条第四項に規定する場合において、第六条第三項において準用する同条第一
項に規定する行為による区分所有者の共同生活上の障害が著しく、他の方法によつてはその障害
を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難である
ときは、区分所有者の全員又は管理組合法人は、集会の決議に基づき、訴えをもつて、当該行為
に係る占有者が占有する専有部分の使用又は収益を目的とする契約の解除及びその専有部分の引
渡し
を請求することができる。

 

 第五十七条第三項の規定は前項の訴えの提起に、第五十八条第二項及び第三項の規定は前項
の決議に準用する。

                            ※ 一項は準用なし

 第一項の規定による判決に基づき専有部分の引渡しを受けた者は、遅滞なく、その専有部分
を占有する権原を有する者にこれを引き渡さなければならない。


 

                                 


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